Little Feat - Feats Don't Fail Me Now (1974)
Little Feat『Feats Don't Fail Me Now』(1974)
奇才ローウェル・ジョージ(Lowell George)率いるアメリカ屈指のルーツ/ファンク・ロック・バンド、リトル・フィート(Little Feat)が1974年8月にワーナー・ブラザース・レコードから発表した通算4作目のスタジオ・アルバム。前作『Dixie Chicken』で確立された黄金期6人編成の強靭なニューオーリンズ・ファンクとスワンプ・ロックのグルーヴが頂点を極め、バンドを代表する名作として不動の評価を誇る。
制作背景とバージ船スタジオでの録音
本作のプロデュースはローウェル・ジョージ自らが担当。録音はロサンゼルスのサンセット・サウンドに加え、メリーランド州ハントバレーの運河に浮かぶバージ船(艀)を改装した伝説の録音拠点「ブルー・シーズ・レコーディング・スタジオ(Blue Seas Recording Studio)」で行われた。浮遊感のある船上スタジオでのリラックスしたセッションと徹底したグルーヴの探求が、リトル・フィート特有のレイドバックしながらも極めてタイトな演奏を生み出した。
サウンドの魅力と黄金期アンサンブル
ローウェル・ジョージ(ボーカル、スライド・ギター)、ポール・バリアー(Paul Barrere:ギター、ボーカル)、ビル・ペイン(Bill Payne:キーボード、ボーカル)、ケニー・グラッドニー(Kenny Gradney:ベース)、リッチー・ヘイワード(Richie Hayward:ドラムス)、サム・クレイトン(Sam Clayton:パーカッション)による鉄壁のアンサンブルは圧巻の完成度を誇る。
アルバムは、ローウェルの粘り気のあるスライド・ギターが牽引する名曲「Rock And Roll Doctor」、ビル・ペイン作の疾走感あふれるブギ「Oh Atlanta」で幕を開ける。さらにポール・バリアー作曲のファンキーな名曲「Skin It Back」や、タワー・オブ・パワー(Tower of Power)の重厚なホーン・セクションを大々的に導入した漆黒のファンク・ナンバー「Spanish Moon」など、バンドの代表曲が惜しみなく並ぶ。後半には、彼らのライヴの真骨頂である長尺メドレー「Cold Cold Cold / Tripe Face Boogie」も収録され、変幻自在のリズム・セクションと卓越したインプロヴィゼーションが堪能できる。
本盤の仕様と歴史的ジャケット誤植
本盤(Warner Bros. - BS 2784)は1974年にリリースされたUS最初期オリジナル盤。インディアナ州テレホート工場プレス(ランアウトに「T」刻印)で、レーベル外周にワーナー・コミュニケーションズの「W」ロゴが入らない最初期バーバンク(Burbank)パームツリー・レーベル仕様である。
特筆すべきは、初回プレスのアートワークに見られる歴史的な曲目誤植(ミスプリント)である。制作終盤における曲順の差し替えが印刷に間に合わず、ジャケット裏面には実際には収録されていない「Long Distance Love」や「Front Page News」がクレジットされ、名曲「Spanish Moon」や「Down The Road」の曲名が完全に欠落している。また「Skin It Back」の面表記の誤りや、「The Fan」が当初の仮タイトル「Wait Till The Shit Hits The Fan」と印刷されるなど、当時の緊迫した制作現場の生々しいドキュメントを伝える貴重なコレクターズ・ピースとなっている。
トラックリスト
- A1 Rock And Roll Doctor 2:57
- A2 Oh Atlanta 3:26
- A3 Skin It Back 4:11
- A4 Down The Road 3:46
- A5 Spanish Moon 3:01
- B1 Feets Don't Fail Me Now 2:27
- B2 The Fan 4:30
- Medley : Cold Cold Cold / Tripe Face Boogie 10:00
動画プレイリスト
このアーティストについて
Little Featは、1969年にアメリカで結成されたロック・バンドだ。Lowell GeorgeとRoy EstradaがThe Mothers of Inventionを離れた、あるいは解雇され...
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