B-Movie - Forever Running (1985)
B-Movie 1985

B-Movie - Forever Running (1985)

Electronic Synth-pop

B-Movie『Forever Running』について

B-Movieの『Forever Running』は、1985年にSireからリリースされたバンド唯一のフル・アルバムだ。Mansfield出身のイングリッシュ・ニューウェイヴ・グループとして活動してきた彼らが、シングルで積み上げてきた流れを長編作品としてまとめた一枚である。制作は1984年11月から1985年2月にかけてロンドンのTrident Studiosで行われ、80年代前半のシンセポップ/ニューウェイヴの空気の中で形になった作品として位置づけられる。

B-Movieは、1981年のSome Bizarreコンピレーション参加や、1982年の「Nowhere Girl」で知られる。とくに「Nowhere Girl」は彼らの代表曲として扱われることが多く、このアルバムにも再録版が収められている。つまり『Forever Running』は、過去のシングルで築いた印象をアルバムという形で再提示した作品でもある。バンドにとっては、長く続いたシングル中心の活動の先にようやく到達したフル・アルバムであり、その意味では区切りの強い作品と言える。

サウンドの印象

アルバム全体を通して、打ち込み寄りのリズムとシンセ主体のアレンジが軸になっている。タイトル曲「Forever Running」や「Switch On-Switch Off」では、前に進む感じのあるビートと、音数を絞った構成が目立つ。「My Ship of Dreams」では少し繊細なまとめ方が見え、「Just an Echo」には影のあるトーンがある。B-Movieの持ち味は、派手な装飾よりも、曲の骨格をはっきり見せる作りにあるように思える。

一方で、アルバム後半は曲ごとの印象に差が出やすい。後年の評価では、完成度に波がある一方で、良い曲はかなり良い、という見方がされている。「Nowhere Girl」の再録は、オリジナルの勢いをそのまま更新するというより、アルバム全体の文脈に組み込んだ形に近い。代表曲を持つバンドならではの構成だが、同時に新曲群との比較が避けにくい配置でもある。

1985年という時代とのつながり

1985年のUK周辺では、ニューウェイヴやシンセポップがすでに広く定着していた。B-Movieもその流れの中にいるが、同時代の大きな商業ポップに寄り切らず、やや硬質な感触を残している。Gary Numan周辺の機械的な質感、あるいはThe Human LeagueやUltravoxのような80年代初頭のシンセ・ポップと比べると、B-Movieはよりローカルなバンド感が残る。歌とシンセのバランスも、クラブ向けの強さより、バンドが曲を組み立てている感覚に寄っている。

レーベルはUS盤としてSireから出ており、Sireが80年代ニューウェイヴを多く抱えていた流れの中でも自然な配置だ。SireはRamonesやTalking Heads、のちにはMadonnaまで抱えたレーベルだが、B-MovieのようなUKニューウェイヴ勢を扱っていたことも、その時代のSireらしさにつながっている。

収録曲と代表曲

このアルバムでまず触れたいのは、やはり「Nowhere Girl」だ。B-Movieを語るうえで外しにくい曲であり、アルバム版では再録という形で収められている。すでにシングルとして知られていた曲を再び置くことで、作品全体の入口をわかりやすくしている面がある。「Switch On-Switch Off」はその名の通り、機械的な発想とダンス性が見えやすい曲で、「Just an Echo」は陰影のある展開が印象に残る。こうした曲が、アルバムの中でB-Movieらしい輪郭を作っている。

当時の商業的な大ヒット作というよりは、シングルで知られたバンドがアルバムで自分たちの輪郭をまとめた作品、という見方がしやすい。結果としてバンドはこの後解散しており、『Forever Running』は彼らの活動の締めくくりに近い位置づけになる。

オリジナル盤について

今回のUS盤はAllied pressingで、内側のプレスリングにside Aの黒い“A”エンボスがある点が特徴とされている。コレクションの文脈ではSRC盤と区別されることもあり、同じ1985年の作品でもプレス違いがある。音楽そのものの印象は同じでも、実物のレコードとしてはこうした差異が確認ポイントになる。

『Forever Running』は、B-Movieがシングルで培った感覚をそのままアルバムに持ち込んだ一枚だ。大きく売れた作品ではないが、代表曲「Nowhere Girl」を含めて、80年代前半の英シンセポップがどのようにアルバムへ着地していったかを示す記録として見ておくと、作品の輪郭がつかみやすい。

トラックリスト

  1. A1 Forever Running 5:03
  2. A2 Heart Of Gold 4:09
  3. A3 My Ship Of Dreams 4:03
  4. A4 Just An Echo 4:34
  5. A5 Remembrance Day 4:06
  6. B1 Switch On-Switch Off 4:04
  7. B2 Blind Allegiance 5:00
  8. B3 Arctic Summer 4:47
  9. B4 Nowhere Girl 4:40

動画

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