Curtis Mayfield - Curtis (1970)
Curtis Mayfield『Curtis』について
『Curtis』は、Curtis Mayfieldが1970年に発表したソロ・デビュー作。The Impressionsの中心人物として知られていた彼が、グループを離れて本格的にソロ活動へ入るタイミングで出した作品で、アーティストとしての出発点を示す重要な1枚だ。
レーベルはCurtom、カタログ番号はCRS 8005。CurtomはCurtis Mayfield自身とEddie Thomasが立ち上げたシカゴのソウル・レーベルで、このアルバムもその流れの中にある。US盤、USリリースの作品として、1970年当時のソウル・ミュージックの空気をそのまま受けた内容になっている。
作品の位置づけ
Curtis Mayfieldは、The Impressionsで「People Get Ready」や「It’s All Right」などを生んだ人物としてまず名前が挙がるが、『Curtis』ではグループ時代の職人的なソングライティングを、より個人の表現として前面に出している。1970年にThe Impressionsを離れてソロへ移行した、その最初期の成果という意味でも押さえておきたい作品だ。
同時代のソウルと比べると、Motown的な整ったポップ感よりも、シカゴ・ソウルらしい骨格のあるリズムと、社会性をにじませる曲作りが印象に残る。Sly & the Family StoneやMarvin Gayeが同じ時代に広げていたソウルの変化とも重なる部分があるが、Curtis Mayfieldの場合は、より軽やかなファルセットと、ギターを含む緻密なアレンジで輪郭を作っている。
代表曲と聴きどころ
このアルバムでは、「Move On Up」が代表曲として特に知られている。後年にかけて何度も引用され、サンプリングやDJプレイでも存在感を保ち続けてきた曲で、Curtis Mayfieldのソロ期を象徴する1曲と言える。
ほかにも「(Don’t Worry) If There’s a Hell Below, We’re All Going to Go」のように、当時の社会状況を反映したタイトルの曲が入っていて、単なる恋愛ソウルに収まらない内容になっている。ファンク寄りのリズムと、メッセージ性のある歌詞が同居するあたりが、この時期のCurtis Mayfieldらしいところだ。
アルバム全体の印象
聴き進めると、派手な展開で押すというより、低音のうねり、ギターの刻み、コーラス、ホーンの配置でじわじわ引き込む作りが目立つ。歌声は高めで柔らかいが、曲の芯はかなりはっきりしている。ソウルとファンクの境目にある作品として見ても、1970年の時点でかなり整理された形に達している印象だ。
また、Curtis Mayfieldは作曲家、歌手、ギタリスト、プロデューサーとしての顔を持つが、このアルバムではその全部がまとまって出ている。歌うだけのソロ作ではなく、自分のレーベルで自分の音を組み立てる、という立ち位置が見えやすい。
まとめ
『Curtis』は、Curtis Mayfieldのソロ・キャリアの始まりを示す1970年作であり、シカゴ・ソウルから70年代ソウル/ファンクへつながる流れの中でも重要な位置にある作品だ。代表曲「Move On Up」を含みつつ、社会性とグルーヴ、そして作家性が同居した1枚として知られている。
トラックリスト
- A1 (Don't Worry) If There's A Hell Below We're All Going To Go 7:46
- A2 The Other Side Of Town 4:00
- A3 The Makings Of You 3:40
- A4 We The People Who Are Darker Than Blue 6:10
- B1 Move On Up 8:50
- B2 Miss Black America 2:55
- B3 Wild And Free 3:12
- B4 Give It Up 3:45
関連動画
- [Don't Worry] If There Is a Hell Below, We're All Going to Go
- The Other Side of Town
- The Makings of You
- We the People Who Are Darker Than Blue
- Move on Up (Extended Version)
- Miss Black America
- Wild and Free
- Give It Up
- [Don't Worry] If There's a Hell Below We're All Going to Go [Backing Track, Take 1 & 2]
- The Makings of You (Backing Track, Take 32)
- Miss Black America (Demo Version)
- Suffer (Demo Version)
- Curtis Mayfield - Suffer (Demo Version)
- Readings in Astrology (Demo Version)
- Underground (Demo Version)