Kleeer - Intimate Connection (1984)
Kleeer 1984

Kleeer - Intimate Connection (1984)

Funk / Soul Boogie Funk Soul

Kleeer『Intimate Connection』レビュー

Kleeerの『Intimate Connection』は、1984年にAtlanticから出た6作目のアルバムで、バンドが80年代半ばのソウル/ファンク/ブギーの流れにしっかり乗りつつ、自分たちの輪郭を保っていた時期の作品だ。KleeerはもともとBaltimoreからNew Yorkへ活動の場を移し、バック・グループとして出発した経歴を持つが、このアルバムではそうした下地の上に、より都会的で整理されたサウンドを積み上げている。プロデュースはEumir Deodato。80年代のR&B寄りの作品でも存在感のある人物だけに、音の設計に手堅さがある。

制作とリリースの背景

レコーディングは主にニューヨークのDuplex Studioで行われ、一部のアコースティック・ピアノはAtlantic Studiosで録音された。録音時期は1983年11月から1984年2月とされていて、アルバム全体に、時代相応のシンセや打ち込み感を含みながらも、生演奏の芯を残したバランスがある。リリースはAtlanticのUS盤で、カタログ番号は80145-1。ジャケットやラベルの表記では、背表紙にだけ先頭の7が付加されているという点も特徴的で、コレクター的には見逃しにくい仕様だ。

作品としての位置づけを見ると、Kleeerにとっては、より広いR&Bチャートを意識しながらも、グループ名義の個性を前面に出した段階のアルバムといえる。前身のThe Universal Robot BandからKleeerへと名前を変えた流れを考えると、この時期はバンドが80年代の音作りに順応しつつ、ファンク・バンドとしての持ち味を保っていた時期でもある。

サウンドの印象

実際に聴くと、まずリズムの整え方が目につく。ベースとドラムの間に余白を作り、そこへシンセの和音、ギターのカッティング、コーラスを差し込む構成で、音数は多くても混み合いすぎない。ファンクの骨格は残しながら、ディスコ後期からブギーへ移行した時代の空気がはっきりある。派手に押し切るというより、テンポ感とグルーヴの持続で聴かせるタイプの作りだ。

表題曲「Intimate Connection」は、アルバムの顔として機能していて、Kleeerらしい滑らかな演奏と、80年代R&Bの流れに沿った歌の運びがまとまっている。のちに2Pacの「California Love (Remix)」でサンプリングされたことでも知られ、後年のヒップホップ文脈から再発見された面もある。オリジナルの時点ではチャート上で大きく跳ねた曲というより、じわじわ存在感を残すタイプの代表曲だった印象だ。

もう一つの「Next Time It’s For Real」も重要で、当時のBillboardでは有望曲として取り上げられた記録がある。アルバム全体の中でも、メロディとリズムの折り合いがよく、ラジオ向けの整った感触がある。Kleeerが「クラブ寄りのファンク・バンド」から、より広いソウルの聴き手に届く地点へ寄っていったことを示す曲でもある。

同時代とのつながり

この時期のKleeerは、同じく洗練された都会派ファンクを鳴らしていたShalamar、The Whispers、Mazeあたりと並べて語られることが多い。もっとファンク寄りの硬さを残したバンドとしてはSlaveやAurraの系譜も思い浮かぶが、Kleeerはその中でもシンセの使い方とコーラスのまとまりが比較的なめらかだ。Atlanticというレーベルの80年代R&B路線の中でも、過度にポップへ寄り切らず、演奏の密度で持たせる立ち位置。

また、プロデューサーのDeodatoの存在も大きい。ジャズ/フュージョン出身の感覚が、単なるダンス・トラックではない和声の動きや、曲全体の整理に出ている。Kleeer自身もライブの強さが語られるバンドで、このアルバムでもその土台が崩れていない。スタジオ作品でありながら、演奏している人間の手触りが残る作りだ。

盤の仕様とオリジナル盤の特徴

このUSオリジナル盤はAtlanticの1984年プレスで、ラベル表記は「℗ © 1984 Atlantic Recording Corporation」「Printed in U.S.A.」。背表紙にだけ7が足されている点、そしてシールド品には青い円形のハイプ・ステッカーが付く個体がある点が知られている。再発盤ではこうした細部の差が出やすく、オリジナル盤ならではの確認ポイントになっている。

まとめ

『Intimate Connection』は、Kleeerのディスコ以後、80年代ソウル以後の姿をはっきり示すアルバムだ。ヒット曲の存在、Deodatoのプロデュース、そして後年のサンプリング使用まで含めて、派手な話題だけでなく長く残る要素を持っている。ファンクの推進力、ブギーの軽さ、ソウルのまとまりが同居した1枚として、Kleeerのディスコグラフィの中でも見取り図がはっきりした作品といえる。

トラックリスト

  1. A1 Ride It 5:40
  2. A2 You Did It Again 4:30
  3. A3 Go For It 5:03
  4. A4 Intimate Connection 4:45
  5. B1 Next Time It's For Real 5:20
  6. B2 Break 5:00
  7. B3 Tonight 5:07
  8. B4 Do You Want To? 4:18

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