Millington - Ladies On The Stage (1977)
Millington『Ladies On The Stage』(1977)について
Millingtonは、Jean MillingtonとJune Millingtonによる姉妹デュオで、アメリカ出身のグループである。『Ladies On The Stage』は1977年にUSのUnited Artists Recordsから出た作品で、Funk / SoulとPopの要素を持つ一枚として位置づけられる。表記上はソウルとバラードが中心で、派手にジャンルを横断するというより、歌そのものと曲の組み立てで聴かせるタイプの内容だと受け取れる。
1970年代後半の米国ポップ/ソウル周辺は、ディスコ全盛の空気が強い時期だが、このレコードはそうした流れの中でも、デュオの声の重なりや曲の輪郭を前に出した作りに見える。アーティスト名がそのまま作品の核になっていて、バンド全体の厚みというより、姉妹の歌唱と曲の表情が中心に来るタイプの作品として見るとわかりやすい。
Millingtonというグループの立ち位置
Millingtonは姉妹デュオという編成自体がまず特徴で、同時代の女性ヴォーカル・グループの中でも、ハーモニーのまとまりと主旋律の運びが聴きどころになりやすい。60年代後半から70年代にかけての女性デュオやコーラス主体のソウル、ポップの系譜に連なる存在として捉えられる。単独の大ヒットで名前が広く流通したタイプというより、作品単位で耳に残るグループという印象が強い。
この時期の同系統の音楽を思い浮かべると、R&B寄りのメロディ感を持つポップ作品や、歌い回しで曲を引っ張る女性デュオの流れがある。Millingtonもその文脈の中で、ソウルの手触りとポップの整った構成を両方持つ作品として聴かれることが多そうだ。United Artistsというレーベルの1970年代らしい、ジャンルの境界をまたぐカタログの一つでもある。
アルバム全体の印象
『Ladies On The Stage』という題名からもわかる通り、舞台に立つ女性たちの存在感を前に出した作品である。内容面でも、ソウルの歌唱を軸にしながら、ポップとしての聴きやすさを保つ作りが想像しやすい。United Artists Recordsは映画会社系のレーベルとして始まり、のちに多様な音楽を扱ってきたが、この盤もその幅の中にある一枚だろう。硬派なファンク一辺倒でも、甘いバラード集一辺倒でもなく、声と曲のバランスで聴かせるタイプのアルバムとして受け止められる。
実際に耳を通すと、こうした姉妹デュオの作品は、声質の違いと重なり方が曲ごとの表情を作ることが多い。Millingtonの場合も、主旋律を支えるコーラスの置き方や、メロディの持たせ方に耳が行くはずだ。大きな装飾で押すより、フレーズの終わり方や息の合わせ方で印象を残すタイプの音楽である。
注目曲としてのバラード面
ジャンル表記にBalladが含まれていることからも、アルバムの中には歌をじっくり聴かせる曲があると見てよい。こうした曲では、姉妹の声が並ぶときの距離感や、単独で歌う部分との切り替えが重要になる。ソウル由来のバラードは、ただ遅いテンポというだけでなく、言葉の置き方や抑揚のつけ方で感情の線を作るが、この作品でもそのあたりが聴きどころになっていそうだ。
70年代のソウル・バラードは、過剰にドラマティックにせず、メロディの流れと歌声の温度で押し切る例が多い。Millingtonのような姉妹デュオの場合、その温度差が曲の中で自然に変わると、1曲の中でも印象が少しずつ変わる。派手な展開より、声の揺れやコーラスの重なりで進む曲に耳が止まりやすい作品だと考えられる。
Funk / SoulとPopの接点
この盤の面白さは、Funk / SoulとPopが同居しているところにある。ファンクのリズム感を持ちながら、曲の作りはポップ寄りに整えられていると、演奏の隙間とメロディのわかりやすさが両立しやすい。1977年という年は、ソウルがディスコやAOR、ポップと接近していた時期でもあり、その空気はこのレコードにも通じる。
同時代の女性ヴォーカル作品と比べると、声を前面に出しつつも、ダンス志向に寄り切らず、歌のまとまりを残している点が特徴になりうる。耳当たりのよさだけでなく、フレーズの組み方やコーラスの配置に意識が向くタイプの作品として、1970年代後半のUSソウル/ポップの交差点に置いて見ると整理しやすい。
レーベルとオリジナル盤の位置づけ
本作はUnited Artists RecordsからのUS盤で、1977年当時のオリジナルリリースである。United Artistsは1950年代末に設立され、映画会社由来のレーベルとしてスタートしたあと、60年代から70年代にかけて幅広いジャンルを扱ってきた。ジャズやポップだけでなく、こうしたソウル寄りの作品もカタログに含まれていたのが特徴だ。
この作品をその時代のUS盤として見ると、1970年代後半のレーベルの実務的な顔つきも見えてくる。大手メジャーの一角として、流行の中心だけでなく、デュオ作品や歌もののアルバムをきちんと並べていた時期の一枚という位置づけである。Millingtonのディスコグラフィーの中でも、姉妹デュオとしての持ち味をアルバム単位で確認できる作品として扱われることが多いはずだ。
まとめ
『Ladies On The Stage』は、Millingtonという姉妹デュオの歌を軸にした1977年のUSアルバムで、Funk / SoulとPopの接点に置ける作品である。ソウルの歌い回し、ポップとしての整った構成、バラードでの声の重なりが見どころになりやすい。派手な話題性より、曲と歌の相性で残るタイプのレコードとして、1970年代後半の女性ヴォーカル作品の流れの中で見ておきたい一枚だ。
トラックリスト
- A1 Ladies On The Stage 4:48
- A2 Love Brought Us Together 3:45
- A3 How Can I Make It Better? 2:55
- A4 Dream Desire 3:28
- A5 Heaven Is In Your Mind 5:40
- B1 Young And In Love 2:49
- B2 You Need This Woman 3:11
- B3 Fantasy 4:42
- B4 Bird In Flight 4:25
- B5 So Good To Be Home 2:09
動画
- MILLINGTON - Heaven Is In Your Mind (1977).wmv
- MILLINGTON - You Need This Woman (1977).wmv
- MILLINGTON - Love Brought Us Together
- JUNE & JEAN MILLINGTON "FANTASY" 1978 (Ladies on the Stage) FANNY
- JUNE & JEAN MILLINGTON "BIRD IN FLIGHT" 1978 (Ladies on the Stage) FANNY
- JUNE & JEAN MILLINGTON "SO GOOD TO BE HOME" 1978 (Ladies on the Stage) FANNY
- JUNE & JEAN MILLINGTON "YOUNG AND IN LOVE" 1978 (Ladies on the Stage) FANNY
- June & Jean MILLINGTON "LADIES ON THE STAGE" 1978 (FANNY)
- MILLINGTON - HOW CAN I MAKE IT BETTER
- Millington - Ladies On The Stage (full album)