Missy Elliott - Under Construction (2002)
Missy Elliott『Under Construction』
ミッシー・エリオットが2002年に発表した通算4作目のスタジオ・アルバム。ティンバランドとの長年のタッグで作られた作品で、タイトルには親しい仲間の喪失を抱えながら、自分自身とヒップホップの文化そのものを原点から組み直していく意志が込められている。US盤はThe Goldmind, Inc.およびElektraからのリリースで、オリジナルと同じ2002年プレス。
制作背景・エピソード
制作の背景には、親友でありコラボレーターでもあったアリーヤの事故死(2001年8月)と、TLCのリサ・“レフト・アイ”・ロペスの事故死(2002年4月)という深い悲痛があった。アルバム終盤の「Can You Hear Me」にはTLCのT-ボズとチリが参加し、二人へ捧げられた胸を打つ追悼歌として置かれている。
本作でミッシーとティンバランドは、1980年代初頭のオールドスクール・ヒップホップへのオマージュを前面に打ち出した。ヴィンテージなブレイクビーツや重いベースラインを当時の最先端プロダクションに重ねた構成で、客演にはリュダクリス、ジェイ・Z、メソッド・マン、ビヨンセ、Ms.ジェイドらが名を連ねている。
代表曲の「Work It」では、Run-D.M.C.「Peter Piper」やロック・マスター・スコット&ザ・ダイナミック・スリー「Request Line」を引用しつつ、「I put my thing down, flip it and reverse it」というリリックの録音自体を逆再生してフックに仕立てるという前代未聞の手法を披露。「Gossip Folks」ではフランキー・スミス「Double Dutch Bus」のキャッチーなフレーズを取り入れ、タブロイド紙の噂話をユーモアで一蹴するフロア・アンセムに昇華させている。
時代の文脈
前作までのフューチャリスティックでエレクトロニックなクラブ志向から一歩引き、80年代初頭のブロック・パーティやパーク・ジャムを思わせるピュアなグルーヴを明確に打ち出したのが本作だった。2000年代初頭のメインストリーム・ヒップホップ/R&Bの中で、ミッシーとティンバランドのコンビネーションは圧倒的な独創性を誇り、シーンを大きく牽引した。
商業的にも絶大な成功を収め、全米ビルボード200で初登場3位(初週25万枚超)を記録し、ダブル・プラチナム認定を獲得。リード・シングルの「Work It」はHot 100で10週連続2位を記録し、グラミー賞で最優秀女性ソロ・ラップ・パフォーマンス賞を受賞した。
後世への影響
後年の評価の核となっているのは、「Work It」に代表される革新的なサウンド・メイキングとビジュアル表現だ。逆再生ボーカルを軸にした中毒的なフックと強烈なミュージックビデオは、ヒップホップ史に残るクラシックとして語り継がれている。
アルバム自体もグラミー賞の最優秀アルバム賞(Album of the Year)と最優秀ラップ・アルバム賞にノミネートされ、女性ラッパーが独自のユーモア、スキル、先進性でメインストリームの頂点に君臨できることを証明した。『Under Construction』は、個人的な追悼の感情とオールドスクールへの敬意、そして革新的なヒット曲群が見事に結実した2000年代屈指の名盤として語り継がれている。
トラックリスト
- A1 Intro
- A2 Go To The Floor
- A3 Bring The Pain
- A4 Gossip Folks
- B1 Work It
- B2 Back In The Day
- B3 Funky Fresh Dressed
- B4 Pussycat
- C1 Nothing Out There For Me
- C2 Slide
- C3 Play That Beat
- D1 Ain't That Funny
- D2 Hot
- D3 Can You Hear Me
動画プレイリスト
このアーティストについて
Missy Elliott(ミッシー・エリオット)は、1971年7月1日生まれ、アメリカ・ヴァージニア州ポーツマス出身のラッパー、シンガー、ソングライター、プ...
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