Peter Gabriel - So (1986)
Peter Gabriel 1986

Peter Gabriel - So (1986)

Rock Folk, World, & Country Funk / Soul Pop Rock Art Rock

Peter Gabriel『So』について

『So』は、イギリスのシンガー/ソングライター、Peter Gabrielが1986年に発表した5作目のスタジオ・アルバム。US盤はGeffen Recordsからリリースされ、型番はGHS 24088。ロックを軸に、ファンクやポップ、アート・ロックの要素を前面に出した作品として知られている。

Gabrielは元Genesisの初代ヴォーカリストとして知られる人物で、ソロ転向後も作品ごとに音像を更新してきた。この『So』は、その流れの中でも特に広い層に届いた一枚で、彼のソロ・キャリアを語るうえで外せない位置づけにある。

作品の位置づけ

『So』は、1985年2月から12月にかけて録音され、1986年5月19日に発売された。前作までの実験性を保ちながら、曲の輪郭やリズムの推進力をはっきりさせたアルバムとして受け止められている。Peter Gabrielのソロ作品の中でも、楽曲単位での認知が非常に高い時期の作品といえる。

制作面では、打ち込みやサンプル、バンド・サウンドの使い分けが目立つ。80年代中盤らしい音作りでありながら、単なる時代の記号に寄りすぎず、曲ごとの表情を保っている点が印象的だ。

代表曲とヒット曲

このアルバムを語るとき、まず挙がるのが「Sledgehammer」と「Big Time」だろう。「Sledgehammer」は特に大きなヒットとなり、Peter Gabrielの代表曲として広く知られている。ホーンやリズムの押し出しが強く、アルバム全体の中でも最も即効性のある楽曲のひとつ。

「Don’t Give Up」は、Kate Bushとのデュエット曲として有名。曲の構成は派手ではないが、歌のやり取りで感情を運ぶ作りになっている。「Red Rain」も冒頭を飾る重要曲で、アルバムの色合いを最初に示す役割を持つ。

同時代との関わり

1986年という時代を考えると、『So』はアート・ロックの感覚を残しながら、80年代ポップの文法にもはっきり接近した作品として見やすい。曲の推進力や音の太さは、同時代のポップ・ロックやファンク寄りの作品ともつながりがある。

ただし、単純に流行へ寄せたアルバムというより、Gabriel自身のソロ作法を整理し直した印象が強い。Genesis出身という背景を持ちながら、バンド時代の延長ではない独自のポップ・アルバムを作っている点が、この作品の大きな特徴だと思える。

再発盤との違い

このUS盤は1986年当時のリリース。のちの再発では音源差が確認されている。2002年のリマスターでは「Sledgehammer」に別ミックスが使われ、いくつかの細かな差異がある。「Red Rain」では、1986年盤で途中が途切れていたシンバルのアタックが修正されている。

2012年のリマスターでは、「Sledgehammer」はオリジナル・ミックスに戻されている一方、「Red Rain」は1986年盤とはわずかに異なるミックスになっている。こうした違いは、同じタイトルでも盤によって聴こえ方が変わる好例だろう。

まとめ

『So』は、Peter Gabrielのソロ作品の中でも楽曲の知名度が高く、80年代中盤のポップ/ロックの空気を強くまとったアルバム。ヒット曲の存在感が大きい一方で、アルバム全体としても音の設計や曲順の流れにまとまりがある。

USオリジナル盤は、当時の音像をそのまま受け取れる一枚として位置づけやすい。Peter Gabrielのソロ・キャリアを追ううえでは、代表作のひとつとして押さえておきたい作品だ。

トラックリスト

  1. A1 Red Rain
  2. A2 Sledgehammer
  3. A3 Don't Give Up
  4. A4 That Voice Again
  5. B1 In Your Eyes
  6. B2 Mercy Street
  7. B3 Big Time
  8. B4 We Do What We're Told (Milgram's 37)

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