Rabbitt - Boys Will Be Boys! (1976)
Rabbitt『Boys Will Be Boys!』について
『Boys Will Be Boys!』は、南アフリカのロック・バンド、Rabbittが1975年に現地Jo’Burg Recordsから発表したデビュー・アルバムで、のちに米国Capricorn Recordsから広く知られるようになった作品だ。今回の日本盤は1977年リリースで、オリジナル発表から少し時間を置いての登場になる。アーティストのRabbittは、もともとThe Conglomerationとして活動していた流れから1972年に現在の名義へと発展したグループで、メンバーにはDuncan Faure、Trevor Rabin、Neil Cloud、Ronald Friedmanが名を連ねる。
このアルバムの位置づけは、Rabbittの初期活動をそのまま代表するものとして大きい。南アフリカ国内ではかなり早い段階で反響を呼び、短期間で2万5000枚を売り上げてゴールド化したと伝えられている。1976年のSARIE賞では最優秀コンテンポラリー・ポップ・アルバムを受賞し、制作に関わったJulian LaxtonやプロデューサーのPatric van Blerk、さらにTrevor Rabinも個別に評価された。作品単体だけでなく、バンド全体の勢いが国内で強く受け止められていたことがうかがえる。
南アフリカのロック・シーンでの存在感
Rabbittは南アフリカのクラブ・シーンで活動を重ねながら力をつけていったバンドで、『Boys Will Be Boys!』はその蓄積が録音に結びついた時期の記録でもある。1974年ごろから各地のクラブを回り、十分なリハーサルを経て制作に入ったという流れが残っている。翌1976年にはシングル「Charlie」も大きなヒットになり、バンド人気は「Rabbittmania」と呼ばれるほどだった。アルバムはその熱気の中心にある。
収録曲では「Something’s Going Wrong」や「Eventides」がよく挙げられる。いずれも演奏の推進力が前に出るタイプの楽曲で、ロック色の強さが印象に残る。レビュー資料でも、バンドの演奏力と曲の勢いが高く評価されている。南アフリカ発のロック作品として見ると、同時代の英米ロックに接続しながらも、ローカルな熱量がはっきり残る一枚として扱われている。
Trevor Rabinの存在
この作品を語るうえでTrevor Rabinの存在は外せない。後年はYesでの活動でも知られるが、ここではすでにバンドの中心人物として機能している。ギターだけでなく制作面でも存在感が強く、Rabbittの音像を形作る核のひとつになっている。『Boys Will Be Boys!』を聴くと、のちのキャリアにつながる精密なフレーズ感や、曲を押し進める構成の組み立てが早い段階から見えてくる。
日本盤はCapricorn RecordsのVIP-6420番で、オリジナルの南アフリカ盤とは流通経路が異なる。Capricornは当時アメリカでAllman Brothers Band系の南部ロック文脈とも結びつきのあるレーベルで、そこからRabbittが紹介されていた点も興味深い。南アフリカのバンドが米国レーベル経由で広がり、日本盤まで出ている流れは、この作品が国内ロックの枠を越えて受け止められていた証拠でもある。
聴きどころ
全体を通して、歌と演奏の分離がはっきりしており、勢いのあるロック・バンドとしてのまとまりがよく出ている。派手な装飾に寄りすぎず、曲の骨格で押していく作り。ロック・アルバムとしての直線的な推進力と、当時の南アフリカで支持を集めた背景が、そのまま音に反映されているように感じられる。Rabbittの初期像を知るうえで、まず触れておきたい代表作だ。
トラックリスト
- A1 Something's Going Wrong With My Baby 3:51
- A2 Savage 4:43
- A3 Lifeline 6:00
- A4 Locomotive Breath 3:44
- B1 Hard Ride 4:06
- B2 Baby's Leaving 2:22
- B3 Eventides 2:33
- B4 Looking For The Man 3:03
- B5 Death Of Tulio 0:25
- B6 Charlie 2:51