Renaissance - Renaissance (1969)
Renaissance『Renaissance』
Renaissanceは、1969年にロンドンで結成された英ロック・バンド。元YardbirdsのKeith RelfとJim McCartyを起点に、ロック、フォーク、クラシックの要素を組み合わせる方向へ動き出したグループだ。この『Renaissance』は、その最初期を記録したセルフタイトル作で、オリジナルは1969年の作品。ここで聴けるのは、後年に知られるアニー・ハズラム加入後のシンフォニック路線とは少し異なる、初期の編成による出発点になっている。
作品の位置づけ
この時期のRenaissanceは、まだメンバー変遷の前段階にあり、Keith Relf、Jim McCarty、Louis Cennamo、John Hawken、Jane Relfといった初期メンバーによる録音が中心になっている。のちにバンドは編成を大きく変え、70年代半ばにはAnnie Haslam、Michael Dunford、John Tout、Jon Camp、Terry Sullivanらのラインナップで、より完成度の高いプログレッシブ・ロックへ進む。そうした後年の姿を知っていると、このデビュー作は「Renaissanceという名前の始まり」を確認する一枚として位置づけやすい。
1969年という年代も重要だ。英国ロックがブルース・ロックからサイケデリック、そして長尺化・組曲化へ向かっていた時期で、Renaissanceもその流れの中にある。比較対象としては、同時代のプログレッシブ・ロック勢や、クラシカルなアレンジを取り入れた英ロックの諸作品が思い浮かぶ内容だが、この時点ではまだ後年の大作志向よりも、バンドの輪郭を探る段階に近い。
音の印象
実際に聴くと、のちのRenaissanceに期待される透明感のある女性ボーカル主体のイメージとはかなり違う。男性ボーカルと女性ボーカルが並び、ギター、キーボード、ベース、ドラムの編成で、楽曲の進行を丁寧に組み立てていく作り。ロックの骨格を保ちながら、フォーク寄りの要素やクラシカルな響きを織り込んでいく方向性が見える。
派手なヒット狙いというより、曲ごとの展開やアンサンブルの質感を聴かせるタイプのアルバムという印象。後年の代表曲で知られるRenaissance像とは別に、バンドの原型をたどる楽しみがある一枚だ。
1981年盤について
今回の盤は1981年のドイツ盤、Island Recordsのリリース。オリジナルの1969年盤からかなり後年の再発で、レーベル表記も当時のIslandの体裁に沿ったものになっている。リリース国もドイツで、品番は87 609 ET。
再発盤としては、作品そのものの内容を復元して聴くための一枚という性格が強い。初出当時の空気を追うオリジナル盤とは時間差があるが、Renaissanceの出発点を手に取りやすい形で残した盤、という見方がしやすい。
同時代との関係
Renaissanceの初期作は、英国のプログレッシブ・ロックが確立していく前夜の空気と重なる。のちにバンドが発展させるシンフォニックな側面を先取りしつつも、この時点ではまだサイケデリック・ロックの残り香もある。そうした揺れが、1969年という年の作品らしさにつながっている。
まとめ
『Renaissance』は、後年の完成されたRenaissance像の前段階にあるデビュー作。Keith RelfとJim McCartyを軸に始まったバンドが、ロック、フォーク、クラシックの要素へ向かい始める起点として聴ける。1981年のドイツ再発盤は、その初期像を確認するための実用的な一枚としても存在感がある。
トラックリスト
- A1 Kings And Queens 10:55
- A2 Innocence 7:05
- B1 Island 5:57
- B2 Wanderer 4:00
- B3 Bullet 11:24
関連動画
- Renaissance 1969 –Kings And Queens
- Renaissance - Innocence
- Renaissance - Wanderer
- Renaissance - Bullet