Gila - Bury My Heart At Wounded Knee (1973)
Gila 1973

Gila - Bury My Heart At Wounded Knee (1973)

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Gila『Bury My Heart At Wounded Knee』について

Gilaの『Bury My Heart At Wounded Knee』は、1973年に西ドイツで発表されたアルバムで、クラウトロックとプログレッシブ・ロック、フォーク・ロックの要素が交差する作品だ。バンドは1969年にシュトゥットガルトで結成され、1974年に解散しているが、その短い活動期間の中で、この作品はかなり重要な位置を占めるアルバムとして扱われている。

録音は1973年、StommelnのStudio Dierksで行われた。Dieter Dierksのスタジオといえば、当時のドイツ・ロックの重要な制作拠点のひとつで、周辺には同時代の実験性の強いバンドや、演奏力を前提にした長尺志向の作品が集まっていた。Gilaもその文脈に置いて聴かれることが多いが、本作では前作までのサイケデリックなジャム感より、内省的でアコースティック寄りの方向へ寄った構成が印象に残る。

作品の輪郭

このアルバムの題名は、ディー・ブラウンの同名書籍に由来している。アメリカ先住民の歴史的な悲劇を強く意識させるタイトルで、70年代初頭の西ドイツのロック作品としてはかなり異色の主題だ。音楽面でも、その題名に引きずられるように、単純な演奏の勢いだけで押し切るのではなく、曲ごとの間合いや、静かなパートの置き方に重きがある。

メンバー面では、Conny Veitを中心に、Florian FrickeやDaniel FichelscherらPopol Vuh勢が加わっている点が大きい。Popol Vuh周辺の人脈が入ることで、Gilaの音は単なるハードなクラウトロックではなく、民謡的な響きや宗教的な沈黙感にも触れるような質感を持つ。ここは同時代のCanやAmon Düül IIのような即興性の強いバンドとも、また別の方向にある。

音の印象

実際に聴くと、まず耳に入ってくるのは、派手な展開よりも、演奏の呼吸の方だ。アコースティック・ギターのフレーズ、ゆったりしたリズム、必要以上に音数を増やさないアレンジが、曲の輪郭をはっきりさせている。ロックの推進力を保ちながらも、フォーク的な手触りを前面に出していく作りで、そこにプログレッシブ・ロックらしい組曲性が重なる。

Gilaの初期作を知っていると、このアルバムはやや落ち着いた印象を受けるかもしれない。ただ、その落ち着きは単なる抑制ではなく、主題に合わせた構成の結果として機能している。演奏が前に出る箇所と、音を引く箇所の切り替えが明確で、長尺でも流れが見えやすい。クラウトロックの中でも、モーターリックな反復に寄るタイプではなく、フォーク・ロックの語り口と組み合わせたタイプとして聴き取れる。

Gilaの中での位置づけ

Gilaは活動期間が長いバンドではないので、アルバムごとの差がそのまま作品の個性として残りやすい。本作は、その中でも代表作として語られることが多い。デビュー作のようなサイケデリックな爆発力とは別の形で、バンドの表現を整理した一枚という位置づけだろう。後年の再評価でも、Gilaの音楽性を知るうえで外せない作品として扱われている。

同時代のドイツ・ロックと比べると、電子音や反復の実験に大きく振り切るわけではなく、アコースティックな響きを残したまま構成を組み上げている点が目立つ。だからこそ、クラウトロック、プログレ、フォーク・ロックの交点にある作品として読みやすい。派手な代表曲で押すタイプではなく、アルバム全体の流れで聴かせる構造だ。

1973年盤について

このレコードは1973年のドイツ盤で、Warner Bros. Recordsからのリリース。初期のBurbank系デザインにあたる盤で、ラベル周辺にはWarner Communications表記がない仕様だ。ジャケット内には歌詞とクレジットを収めたインサートが付属している。こうした初期盤は、のちの再発盤と比べるとレーベル表記やデザインの違いが見どころになるが、作品そのものは1973年のオリジナルの空気をそのまま伝えている。

Gilaというバンドの歩み、Studio Dierksでの録音、Popol Vuh周辺の人脈、そして先住民の歴史を題材にしたコンセプト性。『Bury My Heart At Wounded Knee』は、その要素が一枚のアルバムの中で結びついた作品だ。派手なヒット性よりも、当時のドイツ・ロックが持っていた問題意識と演奏の密度が、静かに残る一枚である。

トラックリスト

  1. A1 This Morning 5:40
  2. A2 In A Sacred Manner 4:42
  3. A3 Sundance Chant 4:09
  4. A4 Young Coyote 3:18
  5. B1 Black Kettle's Ballad 4:24
  6. B2 Little Smoke 5:06
  7. B3 The Buffalo Are Coming 7:20

動画

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