Big Big Train - A Flare On The Lens - Live In London - (2024)
Big Big Train 2024

Big Big Train - A Flare On The Lens - Live In London - (2024)

Rock Prog Rock

Big Big Train『A Flare On The Lens - Live In London -』レビュー

Big Big Trainは、イングランド・ボーンマスを拠点に活動してきたプログレッシブ・ロック・バンドだ。1990年の結成以来、中心にいるのはソングライターのGreg Spawtonで、長い活動の中で編成を変えながら作品を積み重ねてきた。2024年にリリースされた『A Flare On The Lens - Live In London -』は、その近年の充実ぶりをそのまま記録したライブ盤で、ロンドンのCadogan Hallで行われた2夜公演を軸にまとめられている。2023年の欧州ツアー終盤を収めた内容で、バンドにとって長いツアーの集大成として位置づけられる作品だ。

2夜分の演奏を組み合わせたライブ記録

このアルバムは、2日目の公演をほぼ通して収録し、そこに1日目で演奏された別テイクの曲を加えた構成になっている。単純な「その夜の記録」ではなく、複数公演を編集してライブ作品としての流れを整えた作りだ。2024年盤はブラック・ヴァイナル仕様で、ゲートフォールド・スリーブとインレイシート付きの体裁。Inside Out Musicからの欧州盤として出ている。

Big Big Trainのライブ盤は、スタジオ作で積み上げたアレンジを舞台上でどう再構成するかが見どころになることが多い。この作品でも、その点がはっきりしている。楽曲の展開は長めでも、演奏の輪郭は比較的明瞭で、各パートが埋もれにくい。管弦楽的な広がりを持つバンドではあるが、ここでは音数の多さよりも、曲の流れとバンドのまとまりが前に出る印象がある。

現行メンバーの強さが出た一枚

この時期のBig Big Trainは、Greg Spawton、Rikard Sjöblom、Nick D’Virgilio、そしてAlberto Bravinという布陣が核になっている。特にBravin加入後のライブは、David Longdon時代から続くバンドの語法を保ちながら、新しい体制へ自然に接続している点が重要だ。2021年にLongdonが亡くなった後の作品として見ると、このライブ盤は単なる追悼盤でも、過去の再現でもなく、現在進行形のバンド像を示す記録になっている。

演奏面では、Nick D’Virgilioのドラムとコーラスが全体を支え、SpawtonとSjöblomのギター/キーボードの往復が曲の骨格を作る。Big Big Trainらしい、細部まで組み込まれたアレンジがライブでも崩れず、むしろ舞台上で整理されて聴こえる場面が多い。Rachel Hallが在籍していた時期の弦楽器を含む厚みとはまた違うが、現編成ならではの推進力がある。

近年作とのつながり

収録内容の中心には、近作『The Likes of Us』期の楽曲があり、そこに過去曲が混ざる形になる。Big Big Trainは、初期のフォーク色、2010年代以降のドラマ性の強いプログレ、そして近年のより整理された楽曲構成を、ひとつのライブの中で並べられるバンドだ。この作品でも、その歩みがそのまま見える。

プログレッシブ・ロックの文脈で見ると、Big Big TrainはGenesisやCamelの系譜を参照しつつ、現代的な録音とアンサンブルで独自の位置を作ってきたバンドだ。『A Flare On The Lens - Live In London -』は、その系譜をなぞるだけでなく、2020年代のBig Big Trainがどの水準で鳴っているかを示すライブ記録として読める。派手な即興よりも、構成の精度と曲そのものの強さが前に出る内容で、スタジオ作品の延長線上にあるライブ盤という印象が強い。

作品の位置づけ

2024年のこのライブ盤は、バンドの長いツアーを締めくくる記録であり、同時に新体制の定着を示す作品でもある。チャート面でも英国Albums Chartで45位、スコットランドで19位を記録しており、プログレのライブ作品としては安定した反応を得た。大きな話題性だけで押し切るタイプではないが、演奏、構成、音質の三つがきちんと揃った一枚としてまとまっている。

Big Big Trainのライブ盤を追ってきた人には、近年のバンドが持っている整理された推進力がそのまま入ってくる内容だし、スタジオ盤中心で聴いてきた人には、曲の組み立てが舞台上でどう機能しているかが見えやすい作品になっている。ロンドンの会場での2夜をまとめたこの記録は、2024年時点のBig Big Trainを知るうえで外せない一枚だ。

トラックリスト

  1. A1 Folklore 7:23
  2. A2 The Connection Plan 4:15
  3. A3 Curator Of Butterflies 8:22
  4. B1 Summoned By Bells 10:25
  5. B2 Drums And Brass 2023 5:35
  6. B3 Love Is The Light 7:02
  7. C1 A Boy In Darkness 8:30
  8. C2 Victorian Brickwork 14:19
  9. D1 Apollo 8:32
  10. D2 East Coast Racer 16:13

動画プレイリスト

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