Sister Sledge - Love Somebody Today (1980)
Sister Sledge『Love Somebody Today』について
Sister Sledgeの『Love Somebody Today』は、1980年にUSのCotillionから発表された4作目のアルバムである。前作『We Are Family』の大きな成功を受けて届けられた作品で、制作は引き続きChicのNile RodgersとBernard Edwardsが担当している。Sister SledgeとChicの結びつきをそのまま引き継いだ一枚で、ディスコ期の空気を強く残したアルバムとして位置づけられる。
Sister Sledgeはフィラデルフィア出身の姉妹グループで、Kathy、Joni、Debbie、Kimの4人による歌声が核になっている。グループの知名度を一気に押し上げたのは、やはり1979年の『We Are Family』だったが、『Love Somebody Today』はその直後に出た作品として、当時の彼女たちがどの位置にいたかをよく示している。すでにヒット・グループとして広く知られた段階で、なおも同じ制作陣と組み、ダンス・ミュージックの文脈の中で作品を続けていた時期の記録である。
作品の位置づけ
本作は、Sister Sledgeにとって初期から続くキャリアの中でも、ディスコ路線が最も前面に出た時期の一枚にあたる。1980年という年は、アメリカではディスコへの反発が強まっていた時期でもあり、音楽シーン全体の空気は大きく変わりつつあった。その中で『Love Somebody Today』は、盛り上がりのピークを過ぎたディスコの手触りを、まだはっきり残している。
前作ほどの商業的な勢いには届かず、Billboard 200では31位、R&Bチャートでは7位を記録した。先行シングル「Got To Love Somebody」はHot 100で64位、Hot Soul Singlesで6位まで上がっている。『We Are Family』期の大ヒットと比べると数字は落ち着いているが、グループの歌唱力とChic周辺の制作の組み合わせが、依然として強い存在感を持っていたことはこの成績からも読み取れる。
サウンドと聴きどころ
実際に聴くと、まず目立つのはリズムの作りである。Nile RodgersとBernard Edwardsらしい、細かく刻むギターと、低音が前へ出るベースの組み立てがしっかりしている。派手な展開で押すというより、グルーヴを保ちながら曲を進める設計で、Sister Sledgeのボーカルがその上に乗る形になっている。コーラスの重ね方も含めて、姉妹グループならではの声のまとまりがよく出ている。
タイトル曲「Love Somebody Today」や「Got To Love Somebody」では、ダンス・フロア向けの推進力と、歌詞の内容を支える柔らかさが同居している。前作『We Are Family』のような即効性のある高揚感とは少し違い、こちらは曲ごとの運びをじっくり聴かせる印象がある。音数の整理されたアレンジの中で、ボーカルの輪郭がはっきり残る作りだ。
同時代との関係
この時期のSister Sledgeは、Chic本隊の作品群と近い場所にいる。Nile RodgersとBernard Edwardsの制作は、同時代のディスコやポスト・ディスコの中でも、演奏の精度とリズムの明快さで際立っていた。Sister Sledgeはそのサウンドを、女性コーラス・グループの形で受け止めた存在であり、同じくダンス・ミュージックを軸にしたアーティストたちと並べて語られることが多い。
一方で、1980年の空気はすでに変化の途上にあり、作品の持つ役割も『We Are Family』のような時代の代表作とは少し違う。大ヒットの再現を狙うというより、ディスコの方法論を保ったまま次の段階へ進もうとした記録に近い。そうした意味で、このアルバムはSister Sledgeの黄金期と、その後の音楽環境の変化をつなぐ位置に置かれている。
USオリジナル盤について
今回のUS盤はCotillionからのリリースで、品番はSD 16012。CotillionはAtlantic系のレーベルとして1960年代後半から1980年代半ばまで活動し、ファンクやソウル、ロックの作品も多く扱っていた。Sister Sledgeにとっては、Atcoから移ってきた後の受け皿となったレーベルでもある。なお、同作にはSpecialty Recordsプレスの別バージョンも存在し、この盤はラベル上の「MO」表記と△24672の刻印からMonarchプレスと判別される。
まとめ
『Love Somebody Today』は、『We Are Family』ほど広く語られる作品ではないが、Sister Sledgeがディスコ期にどのような形で音を鳴らしていたかを知るには重要なアルバムである。Chic直系の制作、姉妹ならではのまとまりのある歌、そして1980年という転換点の空気。その3つが重なった一枚として、当時のUSソウル/ディスコの流れの中にきちんと位置している。
トラックリスト
- A1 Got To Love Somebody 6:53
- A2 You Fooled Around 4:28
- A3 I'm A Good Girl 4:11
- A4 Easy Street 4:34
- B1 Reach Your Peak 4:55
- B2 Pretty Baby 4:03
- B3 How To Love 4:32
- B4 Let's Go On Vacation 5:08