One Way Featuring Al Hudson - One Way Featuring Al Hudson (1979)
One Way 1979

One Way Featuring Al Hudson - One Way Featuring Al Hudson (1979)

Funk / Soul Soul Disco

One Way Featuring Al Hudson『One Way Featuring Al Hudson』

1979年にMCA Recordsから出た、デトロイト産のディスコ・ソウル/ファンク・バンド、One Way Featuring Al Hudson のアルバム。ここでのポイントは、バンド名に「One Way」が入っている通り、グループが次の段階へ入った時期の作品であることだ。母体はAl Hudson & The Soul Partnersで、ABCレコード期の活動を経て、このMCA移籍作で新しい名義へと整理されていく。本作は、その転換点をそのままパッケージしたような一枚になっている。

バンドの流れと、この作品の位置

Al Hudson、Kevin McCord、Dave Robersonを中心にした流れは、70年代半ばのソウル・グループらしい編成から始まり、Alicia Myersの加入でディスコ寄りの感触を強めていく。本作の前段には、1979年の『Happy Feet』があり、そこから「You Can Do It」がクラブやディスコ・チャートで反応を得た。そのヒット曲を引き継ぐ形で、同年にMCAから出たのがこのセルフタイトル作だ。

つまり本作は、単なる新作というより、レーベル移籍と名義変更をまたいだ再出発の記録に近い。ABCがMCAに吸収される流れの中で出た作品でもあり、バンド側の実態を保ちながら、表記だけを整理して次へ進む局面が見える。One Wayという名前が前面に出るのはこの時期からで、後の「Cutie Pie」期へつながる土台としても重要な位置にある。

収録曲の核、「You Can Do It」

この盤でまず触れるべきなのは、やはり「You Can Do It」だろう。12インチのヒット・ヴァージョンを収録していて、もともとクラブ向けに機能していた曲の存在感がそのままアルバムの軸になっている。Alicia Myersが共作し、リード・ヴォーカルも担った楽曲で、ディスコ・チャートで10位を記録したヒットとして知られる。

実際に聴くと、ビートの立ち上がりがはっきりしていて、ベースラインが曲の推進力を作るタイプの作りだ。ホーンやコーラスが前へ出すぎず、リズム隊の輪郭が見えやすい。12インチ版らしく、ダンスフロアでの持続を意識した長さと展開があり、シングルの機能性をアルバムの中にそのまま置いた感触がある。ヒット曲を“代表曲”として飾るだけでなく、盤全体の顔として使っている構成。

もう一つの軸、「Music」

「Music」もこの作品では見逃せない。こちらもクラブ/ディスコの現場で反応を得た曲として扱われていて、アルバムを単発のヒット集にしない役目を持っている。タイトル通りの直球な題材だが、演奏はただの明快さに寄り切らず、ソウル・バンドとしてのまとまりが出ている。One Wayの初期は、後年のヒット曲群ほどポップな輪郭だけで押し切る感じではなく、グループ演奏の粘りが残っているのが面白いところだ。

同時代の文脈

1979年のディスコ/ソウル周辺には、クラブ対応の長尺アレンジ、ベース主導のグルーヴ、女性ヴォーカルを含む複数の声の重なりが目立つ作品が多い。本作もその文脈にありつつ、デトロイト育ちのバンドらしく、モータウン以後のソウルの感触と、70年代後半のダンス志向が接続されている。ファンクの硬さとディスコの滑らかさの中間に置かれた音像で、同時代のシーンではアース・ウィンド・アンド・ファイアーや、よりダンス寄りのソウル・グループと並べて語られる場面があっても不思議ではない。

ただし本作は大仰なオーケストレーションで押すタイプではなく、バンドの演奏単位で進む。そこにAl Hudsonのヴォーカル、Alicia Myersの存在感が重なって、曲ごとの推進力を作っている。ディスコ期のソウル・バンドとして、機能性とバンド感の両方を持った録音。

オリジナル盤としての意味

この盤は1979年オリジナルのMCA-3178で、後年の再発ではない最初期の形にあたる。MCAのUS盤は、1978年7月以降に茶系ラベルの仕様へ移っていく時期にあり、本作もその流れの中のリリースだ。ジャケットやレーベル表記まで含めて、MCAがディスコ/ソウル市場に本格的に食い込んでいた時代の空気が残る。

One Way Featuring Al Hudsonという表記は、グループの変化をそのまま示すクレジットでもある。Al Hudsonの名前を残しつつ、One Wayへ移る途中の段階。そうした移行期の作品として見ると、後のバンド名の定着やヒットの拡大が、ここから自然に続いていくことが分かる。70年代末のソウル/ディスコの現場感を、移籍盤として、かつ新名義の出発点として収めた一枚。

トラックリスト

  1. A1 Now That I Found You 7:55
  2. A2 You Can Do It 7:05
  3. A3 Guess You Didn't Know 6:22
  4. B1 Music 8:00
  5. B2 Come Dance With Me 5:30
  6. B3 I Am Under Your Spell 8:00

動画プレイリスト

公開: 2026年9月
Share
戻る

あわせて聴きたい "Soul"

toast