Sting - ...Nothing Like The Sun (1987)
Sting『...Nothing Like The Sun』
Stingの2作目のソロ・スタジオ・アルバム『...Nothing Like The Sun』は、1987年に発表された作品。前作『The Dream of the Blue Turtles』でソロ活動の土台を作ったあと、その路線をさらに押し広げた一枚で、録音は1987年3月から8月にかけて行われた。オリジナルはダブルLPとシングルCDで発売され、US盤ではA&M RecordsのSP-6402としてリリースされている。
制作背景と録音の組み立て
制作中、母オードリーの死がアルバム全体の陰影を強めたとされ、Sting自身も後年、このアルバムが母のことを歌っていたと振り返っている。曲作りの面では、1986年のAmnesty International「Conspiracy of Hope」ツアーで中南米の政治的抑圧や被害者に触れた経験が、「They Dance Alone(Gueca Solo)」へつながった。社会的なテーマを持つ楽曲の背景として、この体験が挙げられている。
演奏面では、前作のメンバーを継続しつつ、Branford Marsalis、Kenny Kirkland、Manu Katché、Mino Cineluらが参加。さらにAndy Summers、Eric Clapton、Mark Knopfler、Gil Evansといった名前もクレジットされている。StingはSynclavierを使って作曲と編曲を緻密に進められたとも語っている。制作陣の顔ぶれはかなり広く、アルバムの構成にもそのまま反映されている。
時代の文脈と位置づけ
1987年は、Police解散後のStingがソロ・アーティストとしての立ち位置を固めていく時期だった。前作で導入したジャズ系ミュージシャンとの組み合わせを、本作ではさらに広げている。ポップ、ジャズ、ワールド・ミュージック、政治的なメッセージを同じ作品の中に並べた構成で、レーベル側からは完成後に「簡単ではない」と見られたという回想も残っている。
一方で、公式サイトでは本作の編曲について「空気のように多層的」と評され、Branford MarsalisやKenny Kirklandの演奏が繊細な質感を作るとされている。AllMusicは終盤やや長尺でもトーンを保ち、「Little Wing」のカバーが際立つと記している。こうした評価からも、楽曲の密度と演奏の組み合わせが注目点になっていたことがわかる。
代表曲とその後
このアルバムからは「Fragile」「Englishman in New York」「We’ll Be Together」が長く取り上げられてきた。とくに「Fragile」は、その後も平和や人権を象徴する曲として扱われている。関連企画ではスペイン語版・ポルトガル語版の展開もあり、作品が英語圏の外にも広がっていったことがうかがえる。
チャート面では、UKで1987年10月24日にチャート入りした記録があり、Grammyでもアルバム部門で複数ノミネートが確認できる。商業面と批評面の両方で、Sting初期ソロ期を代表する一枚として扱われてきた作品だ。
US盤について
US盤はA&M Recordsからのリリースで、ジャケットとセンターラベルに異なるカタログ番号が記載されている。付属品として、写真と歌詞入りのフォールドアウト・インサートが収録されている。
トラックリスト
- A1 The Lazarus Heart 4:34
- A2 Be Still My Beating Heart 5:32
- A3 Englishman In New York 4:25
- B1 History Will Teach Us Nothing 4:58
- B2 They Dance Alone (Gueca Solo) 7:16
- B3 Fragile 3:54
- C1 We'll Be Together 4:52
- C2 Straight To My Heart 3:54
- C3 Rock Steady 4:27
- D1 Sister Moon 3:46
- D2 Little Wing 5:04
- D3 The Secret Marriage 2:03
動画プレイリスト
このアーティストについて
Sting(スティング)は、イギリス出身のミュージシャン、シンガーソングライター、ベーシスト、俳優、作家、活動家だ。1951年10月2日、イングランド北...
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