XTC - Skylarking (1986)
XTC 1986

XTC - Skylarking (1986)

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XTC『Skylarking』

XTCの9作目となる『Skylarking』は、1986年10月27日にUKのVirginから出たアルバム。プロデュースはトッド・ラングレンで、録音は彼のUtopia Sound Studiosを中心に進められた。オリジナルのUK盤は、ジャケットがエンボス加工で、印刷された内袋に歌詞とクレジットを収録している。なお、オリジナルのアナログ盤には「Dear God」は入っておらず、後年の再発では収録内容が変わることになる。

制作背景と録音の経緯

前作『The Big Express』が伸び悩み、さらに変名プロジェクトThe Dukes of Stratosphear名義の『25 O'Clock』のほうが英国では売れたこともあり、1986年初めのVirginは次作に強い条件を出した。次のアルバムが7万枚を超えなければ契約を切る、という話とともに、アメリカ人プロデューサーを起用するよう求めたという。候補の中でレーベル側に知られていた名前がトッド・ラングレンで、デイヴ・グレゴリーがアンディ・パートリッジを説得した。ラングレンは15万ドルの一括払いで録音を引き受けている。

パートリッジとコリン・モールディングは20曲を超えるデモを送り、ラングレンはそこから一日、一年、一生の流れをたどるコンセプトを組み立てた。誕生、恋、家族、労働、病、死を軸に曲順を決め、録音開始前に並びまで固めたのは初めてだったとパートリッジは振り返っている。モールディングの曲が5曲と多めに入った点も特徴で、彼は外部の公平な判断役がいたことを後に評価している。

録音はニューヨーク州ウッドストックのUtopia Sound Studiosで基本トラックを進め、ドラムはThe TubesのPrairie Princeがサンフランシスコで重ねた。オーケストラも同地で録られた。曲はアルバムの曲順どおりに録音され、使用したテープは3リールだけだったという。制作中はパートリッジとラングレンの衝突が続き、パートリッジはスタジオを「ヒトラーが2人いる掩蔽壕」と呼んだ。ラングレンは「単なる言葉の応酬で、手が出たわけではない」と述べているが、口論の末にモールディングがベース録音中のパートリッジをスタジオから締め出したこともあった。それでもパートリッジは、ラングレンの弦と管のアレンジは「完璧だった」と認めている。

曲ごとの背景

タイトルは、ヒバリを意味する「skylark」と、英国海軍の俗語で「ふざけ回る」を意味する「skylarking」をかけたもの。曲の背景も具体的だ。モールディングの「Grass」は、スウィンドンのCoate Waterで過ごした若い頃を題材にした曲で、大麻の歌ではない。「The Meeting Place」には、録音から1年以内に閉鎖されたスウィンドンの鉄道工場の汽笛のサンプルが使われている。「That's Really Super, Supergirl」では、デイヴ・グレゴリーがエリック・クラプトンがかつて弾いたギブソンSG「The Fool」でソロを弾いた。「1000 Umbrellas」は、グレゴリーの弦アレンジがラングレンを納得させて収録に至った。「Season Cycle」はThe Beach Boysの『Smiley Smile』に触発された曲で、パートリッジは自作の中でも特に気に入っていると語っている。「Another Satellite」は、後にパートナーとなるErica Wexlerについての曲。「Dying」は、モールディングの年老いた隣人がモデルになっている。当初のジャケットは花で飾った男女の陰部の接写だったが、レコード店が扱いを拒んだため差し替えられた。

時代の文脈

アルバムの仮題は『Day Passes』だったが、最終的にはこのコンセプトに合う形で『Skylarking』となった。

オリジナル盤の収録順では「Dear God」は外されている。これは、神に宛てた手紙という形のこの曲がアメリカで問題になることをVirginが懸念したためで、パートリッジは渋々同意したとされる。いっぽうラングレンは、外す判断をパートリッジがしたと主張している。曲は子どもが神に宛てた手紙を集めた本への反発から生まれ、最初の節と最後の一行は、ラングレンの知り合いの少女Jasmine Veilletteが歌った。この曲はシングル「Grass」のB面として出され、その後アメリカのカレッジ・ラジオで反響を呼んだ。結果としてGeffenがアルバムを回収し、「Mermaid Smiled」の代わりに「Dear God」を入れて再プレスした。US盤CDは1987年7月発売で、そちらは「Dear God」入りの版になっている。

発売後の反応も波紋を呼び、フロリダのラジオ局には爆破予告があり、ニューヨークでは生徒がナイフで学校を脅して校内放送で流させる事件まで起きたという。パートリッジは「火炎瓶の脅迫にまでつながった」と振り返っている。アメリカでの本作はBillboard 200で70位、29週チャートイン、売上は25万枚超。英国では1週だけ90位で、シングル「Grass」と「The Meeting Place」も100位止まりだった。それでも当時の批評は好意的で、Rolling StoneのTim SommerはThe Beatles的なポップだと称え、Robert ChristgauはA−を付けた。

後年の再評価

2010年、マスタリング・エンジニアのJohn Dentが、録音時の配線ミスで極性が反転していたことを見つけた。パートリッジやレーベルが感じていた「薄くて濁っている」印象の原因として、ここが指摘されている。極性を正した盤が出され、2016年にはSteven Wilsonによる新しいステレオ版と5.1chミックスを収めた再発もApe Houseから登場した。ラングレンはこの極性の話を否定している。

再評価の面では、Rolling Stoneが1989年に「1980年代の最も偉大なアルバム」の48位に選び、Pitchforkは2002年に1980年代の15位、9.3点を付けた。デイヴ・グレゴリーが「たぶんXTCでいちばん好きなアルバム」と語っている。

トラックリスト

  1. A1 Summer's Cauldron
  2. A2 Grass
  3. A3 The Meeting Place
  4. A4 That's Really Super, Supergirl
  5. A5 Ballet For A Rainy Day
  6. A6 1000 Umbrellas
  7. A7 Season Cycle
  8. B1 Earn Enough For Us
  9. B2 Big Day
  10. B3 Another Satellite
  11. B4 Mermaid Smiled
  12. B5 The Man Who Sailed Around His Soul
  13. B6 Dying
  14. B7 Sacrificial Bonfire

動画プレイリスト

公開: 2026年10月

このアーティストについて

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XTCは、イギリス・スウィンドンで1970年代半ばに結成されたバンドだ。前身バンドのThe Helium Kidzの流れを受けつつ、1975年から2006年まで活動した。...

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