Bruce Springsteen - Born In The U.S.A. (1984)
Bruce Springsteen 1984

Bruce Springsteen - Born In The U.S.A. (1984)

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Bruce Springsteen『Born In The U.S.A.』(1984)

Bruce Springsteenの『Born In The U.S.A.』は、1984年に発表された7作目のスタジオ・アルバムで、彼の名を世界規模に押し上げた代表作のひとつだ。アメリカの労働者階級、帰還兵、日常の停滞や希望を、E Street Bandの分厚い演奏に乗せて描いた作品で、Springsteenのディスコグラフィの中でも商業的、文化的な存在感が際立っている。

このUS盤はColumbia、カタログ番号はQC 38653。1984年当時の北米Columbiaの価格コードではQCが使われており、時代を反映した番号体系になっている。内袋には写真とクレジット、さらに10.5インチ四方の歌詞入りインサートが付属していたとされ、当時のLPとしてはかなり情報量の多い作りだ。ジャケット周辺の仕様からも、アルバムを単なる音源ではなく、作品単位で提示しようとする意識がうかがえる。

作品の位置づけ

前作『Nebraska』が弾き語り中心の簡素な録音だったのに対し、『Born In The U.S.A.』ではE Street Bandを前面に出したバンド・サウンドへと大きく振れている。とはいえ、ただ派手になったわけではなく、曲の核には『Nebraska』期に書かれた素材も含まれている。アコースティックな骨格を保ったまま、スタジオで厚みを与えた曲が多く、Springsteenのソングライティングの強さがそのまま表に出たアルバムという印象が強い。

制作にはJon Landau、Chuck Plotkin、Steven Van Zandtらが関わり、録音はPower StationとHit Factoryで行われた。ミックスもPower Station、マスタリングはMasterdisk。US盤のランアウトにはCarrolltonプレスを示す「G」刻印があるとされ、Masterdiskの「RL」表記も見られる。こうした情報から、当時のアメリカ盤らしい制作・プレスの流れが確認できる。

収録曲とヒット曲

このアルバムを語るうえで外せないのは、やはり「Dancing In The Dark」だろう。全米2位を記録した大ヒットで、Springsteenにとっても最大級のシングル成功のひとつになった。「I’m On Fire」も広く知られ、「Cover Me」「No Surrender」「I’m Goin’ Down」など、アルバムから連続してヒットが生まれた点も重要だ。結果として本作からは7曲連続で全米トップ10入りしたとされ、アルバム単位の強さがそのままシングルの成績に結びついた。

表題曲「Born in the U.S.A.」は、しばしば愛国的なアンセムとして受け取られがちだが、曲の内容はむしろベトナム帰還兵の疎外感や苦さに寄っている。大きなコーラスと反復されるフレーズが前に出るため、曲の意味が単純化されやすいところも、この作品の特徴のひとつだろう。音楽的な華やかさと歌詞の内容がずれる構造は、Springsteenらしい複雑さとして語られてきた。

1980年代ロックの中で

1980年代前半のアメリカン・ロックの中で見ると、このアルバムはTom PettyやJohn Mellencampと並んで語られることが多い。いずれもギター・バンドの枠組みを保ちながら、アメリカの地方や労働者層の感覚を曲に落とし込んでいたが、Springsteenはその中でもスケールの大きいサウンドと具体的な物語性を両立させていた。スタジアム・ロックの形式を使いながら、内容はかなり生活感のある題材に寄っている点が、この作品の分かりやすい特徴だ。

発売当時の反応も大きく、米Billboard 200で7週首位、アメリカだけで1700万枚超のセールスを記録したとされる。Springsteenが一気にアリーナ級からスタジアム級の存在へ押し上げられたのは、このアルバムの成功によるところが大きい。1985年のグラミー賞では「Dancing in the Dark」で初受賞を得ており、作品としてもシングルとしても80年代のロックを代表する一枚になった。

このUS盤について

1984年USオリジナルのColumbia盤は、当時のアメリカ盤らしい実用品としての強さがある。印刷インナーと歌詞インサートが付く構成で、レーベル表記も1980年代CBS/Columbiaの標準的な仕様だ。なお、本作は後にCD時代の象徴的なタイトルとしても知られるようになるが、まずはLPとしての完成度が高い。大きな音圧の中でもドラム、ベース、ギター、キーボードの役割分担がはっきりしていて、曲のフックが埋もれにくい。

『Born In The U.S.A.』は、Springsteenのキャリアの中で最も広い層に届いた作品でありながら、内容は単純なヒット作に留まらない。楽曲の強度、バンドの推進力、社会的な視点が同居したアルバムとして、今もなお80年代アメリカン・ロックの基準点のひとつに置かれている。

トラックリスト

  1. A1 Born In The U.S.A. 4:39
  2. A2 Cover Me 3:26
  3. A3 Darlington County 4:48
  4. A4 Working On The Highway 3:11
  5. A5 Downbound Train 3:35
  6. A6 I'm On Fire 2:36
  7. B1 No Surrender 4:00
  8. B2 Bobby Jean 3:46
  9. B3 I'm Goin' Down 3:29
  10. B4 Glory Days 4:15
  11. B5 Dancing In The Dark 4:01
  12. B6 My Hometown 4:33

動画プレイリスト

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