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Abacus(アバカス)は、1971年に西ドイツ(現ドイツ)・ノルトライン=ヴェストファーレン州ハムで結成されたロック・バンドだ。ジャンルとしてはプログレッシヴ・ロック、クラウトロックに位置づけられる。前身はFashionで、そこに英国出身のボーカリスト兼ソングライター、Chris Williams(元Grail)が加わったことでAbacusとして活動を始めた。
バンドは1971年にPolydorからデビュー・アルバム『Abacus』を発表した。この作品では、クラシック音楽の要素を感じさせるキーボードワーク、英国的なプログレッシヴ・ロックの抒情性、クラウトロック由来の実験性が組み合わされている。同年のゲルマースハイム・フェスティバルではPink FloydやEL&Pと同じステージに立ち、大きな注目を集めた。
1972年には2ndアルバム『Just a Day's Journey Away』をリリースし、シタールやアコースティックな要素も取り入れた。続く同年の3rdアルバム『Everything You Need』では、ポップ寄りのフックやユーモアのある方向へ進み、サイケデリックと親しみやすさを共存させた。
1974年の4thアルバム『Midway』では、ミュンヘンのミュージックランド・スタジオで録音を行い、シンセサイザーを多用した洗練されたプログ・ポップ/アートロックの方向に向かった。初期のシンフォニックなプログ・ロックから、少しずつ曲調やアレンジの幅を広げていった流れが見て取れる。
Abacusはメンバーチェンジを重ねたのち1970年代半ばに一度解散に至ったが、1979年にオリジナル・メンバーのベーシスト、Klaus Kohlhaseを中心に再結成された。その後はキーボードのJürgen Wimpelbergがバンドの継続に深く関わり、2001年のアルバム『Fire Behind Bars』をはじめ、2000年代以降も作品発表や活動を継続した。
初期はクラシック寄りの鍵盤を軸にした重厚なプログレッシヴ・ロック色が強く、英国のプログレとドイツのクラウトロックの双方を参照した作りになっている。一方で中期以降は、シタールやアコースティック楽器、シンセサイザーなどの多彩な楽器編成とともに、ユーモアやポップなメロディを取り入れた個性的なサウンドを展開した。