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Bar-Kaysは、1960年代半ばにテネシー州メンフィスで結成されたファンク/ソウル・グループだ。もともとはStax Recordsのセッション・バンド、バックアップ・グループとして始まり、スタックス周辺のレコーディング現場で活動を広げていった。
初期メンバーは、ベン・コーリー、ジェームス・アレクサンダー、ジミー・キング、ロニー・コールドウェル、フェイロン・ジョーンズ、カール・カニンガムの6人。スタックスのハウス・バンドとして、ブッカー・T & ザ・MG'sのアル・ジャクソン・ジュニアやブッカー・T・ジョーンズからも指導を受けている。
1967年、デヴィッド・ポーターが制作に深く関わったデビュー・シングル「Soul Finger」が、全米Hot 100で17位、R&Bチャートで3位を記録した。ゴールド認定も受けていて、グループの初期代表曲として扱われている。
この時期のBar-Kaysは、スタックスの制作環境の中で育ったバンドとして、ソウル・ミュージックの流れにしっかり乗っていた。演奏面では、ホーン・セクションを含む編成と、リズムの強いアンサンブルが特徴として挙げられる。
同じ1967年、Bar-Kaysはオーティス・レディングのバック・バンドに抜擢され、ツアーに同行した。ところが1967年12月10日、レディングを乗せた飛行機がウィスコンシン州マディソン近郊で墜落し、レディングとバンドのメンバー4人が亡くなった。
この事故で生き残ったのはベン・コーリーのみで、ジェームス・アレクサンダーは座席が足りず別便だったため難を逃れた。その後、コーリーとアレクサンダーは新メンバーを迎えてバンドを再建している。
再建後のBar-Kaysは、スタックスのハウス・バンドとして活動を続けた。アイザック・ヘイズの『Hot Buttered Soul』で演奏を担当し、1973年のドキュメンタリー映画『ワッツタックス』にも出演している。
この時期には、のちにリード・ボーカルとしてラリー・ドッドソンも加入した。メンバー表を見ると、時期によって入れ替わりが多く、ベン・コーリー、ジェームス・アレクサンダーを軸に、マイケル・トールズ、ウィリー・ホール、ロニー・ゴードン、ハーヴィー・ヘンダーソンなどが参加している。
1975年にスタックスが倒産すると、Bar-KaysはMercury Recordsへ移籍した。ここからバンドは、本格的なファンク・バンドとしての色合いを強めていく。
1976年の「Shake Your Rump to the Funk」がR&Bチャートでトップ5に入ったのをきっかけに、「Move Your Boogie Body」(1979年)、「Hit and Run」(1981年、R&B 5位)、「Sexomatic」(1984年、R&B 12位)、「Freakshow on the Dance Floor」(1984年)などが続いた。70年代後半から80年代にかけて、ダンス向けのファンク・サウンドで存在感を示したグループとして知られている。
Bar-Kaysの初期は、スタックス直系のソウル・バンドらしい、ホーンを生かした演奏とコンパクトな曲作りが目立つ。後期になると、ベースとドラムを軸にした反復の強いグルーヴ、クラブやダンスフロアを意識した構成が前に出てくる。
メンフィスのソウル・シーンで育った背景と、70年代以降のファンクへの接近の両方が見えるグループだ。ソウルの文脈とファンクの文脈をまたいで活動してきた点が、Bar-Kaysを追うと分かりやすい。
2013年にメンフィス音楽の殿堂、2015年にリズム&ブルース音楽の殿堂入りを果たしている。長く活動を続け、スタックス黄金期のソウル・シーンと70〜80年代のファンク・シーンの両方に名前を残したグループとして扱われている。
1967年の事故の唯一の生存者だったベン・コーリーは、2015年9月21日に67歳で亡くなった。Bar-Kaysの歴史をたどると、メンフィスのスタックス周辺から始まり、事故を経て編成を変えながら、ファンク・バンドとして定着していった流れが見えてくる。