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Cane And Ableは、1970年ごろにカナダ・モントリオールで結成されたファンク/ソウル・バンドだ。カナダでは「Cane & Abel」と表記されていた時期もある。GRT of Canada Ltd.と1970年に契約し、同年11月にシングル「California Dreaming」/「Girl You Move Me」でデビューしたが、その後はアメリカへ活動の拠点を移している。
宣伝では8人編成として紹介されていたが、モントリオール時代の参加者としては9人の名前が残っている。中心になったのは、リード・ヴォーカルのFrenchie Thompson、ベースのWorthington “Doc” Brown、ギターのGarland “Eddie” Edwards、ドラムのGeorge “Pee Wee” Carter、パーカッションのArthur “Blinky” Bostic、サックスのBilly “Chillie Willie” Ellis、トランペットのGeorge “Apache Slim” Alford、ホーンとヴォーカルのNorris Ridguard、キーボードのFrank Abelだ。Ridguardはジャマイカ生まれで、Byron Lee and the Dragonairesやトロントのthe Cougarsでの演奏歴がある。
GRTでのシングル発表のあと、バンドはEpicと契約してアメリカへ移った。しかし最も成功を収めたのはフランスだった。1971年にフランスへ渡ってからは「Cane & Able」と名乗り、1972年には2枚のアルバムを録音している。
1枚目はセルフタイトルの『Cane And Able』で、Epic(EPC 64797)から発売され、フランスのほかオランダ、スペイン、ブラジル(Som Livre)でもリリースされた。プロデュースはジャズ・ドラマーでもあるClaude Delclooが担当している。収録曲は「Girl You Move Me」「Starchild」「Who's Gonna Take The Weight」「Don't Knock My Love」「Green Grass」「Toe Hold」「Found A Child」の7曲だ。オープニングの「Girl You Move Me」はThompson作で、代表曲として扱われている。「Who's Gonna Take The Weight」はパーカッションのBlinky Bosticの作品だ。
同じ1972年には、6月と10月にパリで2作目『Relating A Message To You』(EPC 65265)を録音した。こちらもDelclooのプロデュースだ。フランス時代には1972年にイギリス人キーボード奏者Gary Moberleyが加わり、トロンボーンのTony Lytle、トランペットのHasan Tayratiraらも参加している。
Cane And Ableの音は、カリブ音楽の要素をソウル、ブルース、サイケデリック・ロックに混ぜた重めのファンクとして語られることが多い。Frenchie Thompsonの強いヴォーカルと、分厚いホーン・セクションがこのバンドの軸になっている。アフリカ音楽の影響も指摘されていて、1970年代前半にパリで活動したLafayette Afro Rock Band周辺のグループとして紹介されることもある。
キーボードのFrank Abelは1971年にフランスへ渡ったあと、Bobby Boyd Congressに加わり、そのバンドはのちにIce、さらにLafayette Afro Rock Bandへと発展していく。サックスのBilly Ellisは後年アトランタでThe S.O.S. Band(1977年結成)の創設メンバーになり、トランペットのGeorge AlfordはCreative Improvisors Orchestraで活動した。
2024年にはSurvival Researchから北米限定のアナログ再発があり、アジアではCDも出ている。