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Clarence Carter(クラレンス・カーター)は、1936年1月14日にアラバマ州モントゴメリーで生まれたアメリカのソウル/ブルース歌手、ギタリスト、ソングライターだ。2026年5月13日に亡くなった。サザン・ソウルの最重要シンガーのひとりとして知られ、グラミー賞受賞歴も持つ。
生後1年で視力を失い盲目となったが、11歳のころから独学でギターを習得。盲学校を経てアラバマ州立大学で音楽の学位を取得した。若い時期には歌手・ピアニストのCalvin Scottと「Clarence & Calvin」を組み、1960年代にFairlaneなどに録音を行っている。
その後、Calvin Scottが自動車事故に遭ったことをきっかけにソロへ転向。ここから本格的にサザン・ソウルのシーンで頭角を現していく。
Clarence Carterは、アラバマ州マッスル・ショールズのFAME Studiosを率いたプロデューサー、Rick Hallに見出された。以後、Atlantic配給での録音を進め、マッスル・ショールズ・リズム・セクションをバックにした力強い作品を次々と発表した。
1968年の「Slip Away」は、BillboardのR&Bチャートで2位、ポップ・チャートで6位を記録し、ミリオンセラーとなった。同じ年には「Too Weak to Fight」も大ヒットし、南部の泥臭くディープなソウル・サウンドを広く知らしめた。
1970年には代表曲「Patches」を発表した。貧困の中で家族を支える青年の姿を歌ったこの曲は、全米4位、全英2位まで上昇した。第13回グラミー賞で最優秀R&Bソング賞(ソングライター賞)を獲得し、本人も最優秀R&B男性歌唱賞にノミネートされた。
Clarence Carterの歌は、ゴスペルに根ざした強靭な声と、ブルースの泥臭さ、そして独特のしゃっくり笑い(chuckle)が交錯する人間味あふれる節回しが特徴だ。派手に飾るのではなく、感情の熱量やフレーズの引っかかりをダイレクトに伝える歌唱を貫いている。
マッスル・ショールズ録音の楽曲では、タイトで重心の低いリズム隊と、ブルージーなギター、温かみのあるホーンが一体となったサウンドが展開されている。
1986年の「Strokin'」は、Ichiban Recordsからのリリースで、クラブやサザン・ソウルの現場で異例のロングセラーを記録した。時代の変化を経ても、そのアーシーでタフな歌唱スタイルは一貫していた。
サザン・ソウルとブルースの真髄を体現した歌い手として、FAME Studios期の作品をはじめとするカタログは現在も世界中のレコード愛好家から高く評価されている。なお、ヴィージェイ・レコーズ等で知られるソングライターのカルヴィン・カーター(Calvin Carter)とは同姓同名の別人である。