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Flaming Youth(フレイミング・ユース)は、1969年から1970年にかけて活動したイギリスのロック・バンドだ。プログレッシブ・ロック、サイケデリック・ロック、ブルース・ロックの要素を併せ持つ。短い活動期間ながら、のちにジェネシス(Genesis)のドラマー/ヴォーカリストとして世界的なスーパースターとなるフィル・コリンズ(Phil Collins)がプロ・キャリアの初期に在籍していたバンドとして、ロック史に深くその名を刻んでいる。
バンドの中心メンバーは、フィル・コリンズ(ドラムス、ヴォーカル)、ロニー・キャリル(ギター、ヴォーカル)、ブライアン・チャットン(キーボード、ヴォーカル)、ゴードン・“フラッシュ”・スミス(ベース、ヴォーカル)の4人。母体は「Hickory」というグループで、元ウォーカー・ブラザーズのジョン・ウォーカーのツアー・バックバンドなどを務めていた。
この若き4人の卓越した演奏力に目をつけたのが、有名ソングライティング/制作チームのケン・ハワード&アラン・ブレイクリー(Ken Howard and Alan Blaikley)だった。彼らによる全面的なプロデュースと楽曲提供を受け、バンド名をFlaming Youthに改めてフォンタナ・レコード(Fontana)と契約を結んだ。
Flaming Youthの残した唯一のスタジオ・アルバムが、1969年発表の『Ark 2』だ。同年のアポロ11号月面着陸に着想を得た壮大なSFコンセプト・アルバムで、荒廃し燃え尽きる地球を離れ、宇宙船「アーク2号」で脱出する人類の運命を描いている。
この作品ではメンバー全員がリード・ヴォーカルを分担。分厚いヴォーカル・ハーモニーに、オルガン、ブラス、オーケストラが融合し、サイケデリックな色彩と初期プログレッシブ・ロックの構築美を提示した。ロンドン・プラネタリウムで特別プレミア試聴会が開催されるなどメディアの注目を集めたものの、商業的な大ヒットには至らなかった。
メンバー4人全員が確かな歌唱力と演奏力を備えており、全員がリード・ヴォーカルとコーラスを担う豊かなヴォーカルワークが大きな特徴だった。また、ハードなギターとブルース・ロック的なアンサンブルに、クラシカルなオーケストレーションやキーボードが大胆に組み合わされており、1960年代末のロンドンにおけるサイケデリックからプログレッシブ・ロックへの過渡期を象徴するサウンドを聴かせている。
Flaming Youthは1970年初頭に解散。その後フィル・コリンズはジェネシスのドラマー募集オーディションに応募・合格し、世界的な成功へと駆け上がることになる。
またギタリストのロニー・キャリルは、フィル・コリンズの生涯の盟友として、のちのコリンズのソロ活動における世界ツアーやレコーディングに長年リズム・ギタリストとして参加し続けた。キーボードのブライアン・チャットンもジャクソン・ハイツやBoys Don't Cryなどで活躍した。ジェネシス加入前夜のフィル・コリンズのみずみずしくダイナミックなドラミングと歌声を記録した貴重なバンドとして、現在もファンやコレクターから高く評価されている。