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Il Balletto Di Bronzo(イル・バレット・ディ・ブロンゾ/「青銅のバレエ」の意)は、1960年代末にイタリア・ナポリで結成されたプログレッシブ・ロック・バンド。イタリアン・ロック史において最も攻撃的でダーク、かつ前衛的なヘヴィ・シンフォニック・サウンドを極めたグループとして世界的に崇拝されている。
前身となるビート・グループ「Battitori Selvaggi」を経て、1969年にIl Balletto Di Bronzoへと改名。1970年に発表したデビュー・アルバム『Sirio 2222』は、後年の本格的なシンフォニック・プログレッシブ・ロックとは異なり、60年代サイケデリック・ロックやブルース・ハード・ロック、実験的なフリークアウトの要素を色濃く残した作品である。作曲家ピエロ・ウミリアーニとの共作「Ti risveglierai con me」などを含む本作の楽曲は、マリオ・バーヴァ監督のカルト映画『Five Dolls for an August Moon(ファイブ・ドールズ・フォー・アン・オーガスト・ムーン)』の劇中でも使用され、イタリアン・ロック黎明期の重要作として知られる。
デビュー後、オリジナル・メンバーのリノ・アイエロ(ギター)とジャンカルロ・スティンガ(ドラム)に加え、ヴィート・マンツァーリ(ベース)、そしてチッタ・フロンターレ出身の奇才キーボード奏者/ボーカリストのジャンニ・レオーネ(Gianni Leone)が合流。拠点をローマに移し、この4人編成で1972年に生み出されたのが2ndアルバム『Ys(イース/日本では長年「イプシロン・エッセ」として定着)』である。
ケルト伝承の沈没都市を題材にした全5部構成の一大コンセプト・アルバムである『Ys』は、ハモンドオルガン、メロトロン、ムーグ・シンセサイザーを縦横無尽に操るレオーネの超絶技巧とオペラティックな歌唱、変拍子を獰猛に叩き出すアグレッシブなリズム隊が狂気的な緊張感を生み出している。美しさと破滅的な狂気が同居するそのサウンドは、イタリアン・プログレッシブ・ロック屈指の金字塔と評され、世界的な評価を決定づけた。
バンドは1973年に惜しまれつつ解散し、ジャンニ・レオーネはソロ名義(Leo Neroなど)で活動を展開。1996年にはレオーネを中心としてバンドを再編し、『Ys』やソロ期の楽曲を現代的なヘヴィ・サウンドで再解釈するライブ活動を開始した。日本を含む世界各国でステージを披露し、結成から半世紀以上を経た現在も唯一無二のモンスター・バンドとして強烈な存在感を放ち続けている。