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The Doobie Brothers(ドゥービー・ブラザーズ)は、1970年にアメリカ・カリフォルニア州サンホセで結成されたロック・バンドだ。世界累計アルバム売上4,000万枚以上を誇り、2020年に「ロックの殿堂」入りを果たしたアメリカン・ロックの代表的グループである。豪快なアメリカン・ルーツ・ロックから洗練されたAOR/ブルー・アイド・ソウルまで、時代によって音楽性を大きく変化させながら名曲を残してきた。
結成初期は、トム・ジョンストンとパット・シモンズのツイン・ギター、そしてジョン・ハートマンを中心とするリズム隊を軸に、ブギ、フォーク、カントリー、R&Bをブレンドした力強いロックを展開した。疾走感のあるギター・カッティングと歯切れの良いボーカルがトレードマークとなり、70年代前半のアメリカン・ロック・シーンを牽引した。
1975年、トム・ジョンストンが健康上の理由で離脱すると、元スティーリー・ダンのジェフ・バクスターの推薦でマイケル・マクドナルドが加入し、バンドの方向性が大きく転換する。ハスキーな歌声とエレクトリック・ピアノを軸にした洗練されたアレンジが前面に出るようになり、ブルー・アイド・ソウルやAOR寄りの都会的なサウンドへと移行した。1982年に一度解散するが、1987年にトム・ジョンストンを中心に再結成。近年はトム・ジョンストン、パット・シモンズ、マイケル・マクドナルドが同じステージに立ち、両時代の名曲を共存させた編成で精力的に活動を続けている。
ドゥービー・ブラザーズを語るうえで、1970年代の主要作品は欠かせない。特に以下のアルバムと楽曲はロック史に残る名作として広く知られている。
「Long Train Runnin'」のギター・カッティングは、ロック・ギターの教則的フレーズとしても世界中で親しまれている。また、「What a Fool Believes」は全米1位を記録し、グラミー賞で最優秀レコード賞と最優秀楽曲賞を受賞するなど、バンドの商業的・芸術的なピークを象徴するナンバーとなった。
初期のドゥービー・ブラザーズは、ツイン・ドラムスによる骨太なビートと、アコースティックとエレクトリックを巧みに織り交ぜたギター・リフが特徴だ。南部ロックやカントリー・ロックの土着的な勢いがそのまま楽曲の推進力となっていた。
一方、マイケル・マクドナルド加入後は、フェンダー・ローズをはじめとする鍵盤の洗練された和声とシンコペーションを効かせたグルーヴが主体となった。ジャズやR&B、ゴスペルの要素が溶け込み、ギター主導の豪快なロックから、ボーカルとキーボードが支える上質な都会派ポップ・ミュージックへと見事な進化を遂げた。
ドゥービー・ブラザーズは、アメリカン・ルーツ・ロックの系譜と、西海岸AOR/ヨット・ロックの潮流の双方において決定的な影響を残した。「Long Train Runnin'」は数多くのカバーやダンス・リミックスを生み出し、「What a Fool Believes」をはじめとする後期作品はヒップホップやR&Bでのサンプリング、さらには近年のシティ・ポップ/ヨット・ロック再評価の中でも重要なマスターピースとして愛聴され続けている。