The Electric Flag

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The Electric Flag

The Electric Flagとは

The Electric Flag(エレクトリック・フラッグ)は、1967年にシカゴで結成されたアメリカの伝説的ブラス・ロック/ブルース・ロック・バンドだ。ポール・バターフィールド・ブルース・バンドを脱退した天才白人ギタリスト、マイク・ブルームフィールド(Mike Bloomfield)を中心に結成され、ブルース、ソウル、リズム&ブルース、ロック、ジャズ、ゴスペル、カントリーといったアメリカン・ルーツ・ミュージックのすべてをホーン・セクションと共に鳴らす「An American Music Band(全米音楽バンド)」という壮大なヴィジョンを掲げた。

ロック・バンドのフォーマットに本格的なブラス・アレンジとブラック・ミュージックのダイナミズムを融合させ、後のブラス・ロック/ジャズ・ロック・ブームを切り拓いた先駆的グループである。

結成の背景と豪華な布陣

マイク・ブルームフィールドが自らの理想を具現化するために集めたラインナップは、当時の米ルーツ・ロック界屈指の実力派揃いであった。

ウィルソン・ピケットのツアー・バンドから引き抜いた重量級ソウル/ファンク・ドラマーのバディ・マイルス(Buddy Miles)、ボブ・ディランの歴史的エレクトリック・セッションを支えた名ベーシストのハーヴェイ・ブルックス(Harvey Brooks)、シカゴ・ブルース・シーンの盟友で卓越したソングライター兼シンガーのニック・グレイヴナイツ(Nick Gravenites)、キーボードのバリー・ゴールドバーグ(Barry Goldberg)、そしてマーカス・ダブルデイ(Marcus Doubleday)やピーター・ストラッツァらの強力なホーン・セクションが合流。白人と黒人、ブルースとソウル、ジャズの技巧が渾然一体となった規格外のアンサンブルが誕生した。

モントレー・ポップ・フェスティバルと名盤『A Long Time Comin'』

バンドの初ライブは、1967年6月に開催された歴史的イベント「モントレー・ポップ・フェスティバル」であった。ブルームフィールドの切れ味鋭いブルース・ギター、バディ・マイルスのダイナミックなドラミングとボーカル、炸裂するブラス・セクションの熱演は、集まった大観衆とミュージシャンたちに強烈なインパクトを与えた。

同年末にはロジャー・コーマン監督・ピーター・フォンダ主演のカルト・サイケデリック映画『The Trip(白昼の幻想)』の劇伴を手掛け、1968年3月にColumbia Recordsから1stスタジオ・アルバム『A Long Time Comin'』を発表。冒頭にリンドン・B・ジョンソン大統領のスピーチ音源を配したハウリン・ウルフのカバー「Killing Floor」や、メロウな名曲「Groovin' Is Easy」などを収録した本作は、全米アルバムチャート31位を記録するスマッシュヒットとなった。

短命の終焉と後世への先駆的影響

しかし、メンバー間のエゴの衝突、過酷なツアースケジュール、重度のドラッグ禍、そして商業的なプレッシャーにより、デビュー作発表直後にマイク・ブルームフィールドが脱退。バンドは初期の求心力を失い、短命に終わった。

解散後、バディ・マイルスは自らのバンド結成を経てジミ・ヘンドリックスの「Band of Gypsys」へ合流し、ブルームフィールドはアル・クーパーとの歴史的名盤『Super Session』などでギター・レジェンドとしての地位を確立した。

The Electric Flagが提示した「ロック・アンサンブルへの本格的なブラス・セクションの導入」という革新的なアプローチは、直後に世界を席巻するブラッド・スウェット&ティアーズやシカゴ(Chicago)といったブラス・ロック勢の直接の先駆けとなり、アメリカン・ロック史における偉大な金字塔として今なお高く評価されている。

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