Vinyl Record Reviews
The Jones Girlsは、ミシガン州デトロイト出身の実の三姉妹、ブレンダ・ジョーンズ、ヴァロリー・ジョーンズ、シャーリー・ジョーンズによるアメリカの名門R&B/ソウル・トリオだ。洗練されたフィリー・ソウルからアップテンポなディスコ、極上のメロウ・バラードまで、完璧なハーモニーワークで多くの名演を残した。
1960年代末から活動を始め、まずはバック・シンガーとして経験を積んだ。ルー・ロウルズ、テディ・ペンダーグラス、アレサ・フランクリンらのサポートを務め、1975年から1978年にはダイアナ・ロスのワールド・ツアーでもバック・コーラスを担当。その後、1979年に名門フィラデルフィア・インターナショナル・レコーズ(PIR)と契約し、アルバム・デビューを果たした。
The Jones Girlsの経歴でまず目立つのは、表舞台に出る前の豊富なキャリアだ。名だたるシンガーのバックを務めながら三声のハーモニーを磨き上げ、とりわけダイアナ・ロスのワールド・ツアーへの参加は、彼女たちの実力を広く知らしめる大きな契機となった。
その確かな実力をケニー・ギャンブルとレオン・ハフに見出され、PIRと契約。ソウルとディスコを牽引した名門レーベルの中心グループとして、一気にスターダムへと駆け上がることとなった。
1979年のデビュー・アルバム『The Jones Girls』からシングル・カットされた「You Gonna Make Me Love Somebody Else」は、ギャンブル&ハフが手掛けたフィリー・ディスコ/ソウルの名曲。全米R&Bチャート5位、ダンス・チャート2位、Billboard Hot 100でも38位を記録する大ヒットとなった。
続く『At Peace with Woman』(1980年)、『Get as Much Love as You Can』(1981年)でも質の高いアルバムを連発。特に1981年の「Nights Over Egypt」は、デクスター・ワンゼルとシンシア・ビッグスがプロデュースと共作を担当した珠玉のナンバーで、神秘的なシンセ・アレンジと三部ハーモニーが溶け合うクワイエット・ストーム/アーバン・ソウルの金字塔として名高い。
The Jones Girlsの最大の武器は、血のつながった三姉妹ならではの緊密なコーラスワークにある。個々の力強いボーカルを保ちながらも、三声が美しく重なり合うアンサンブルは極めて高い完成度を誇る。
サウンド面では、フィラデルフィア・ソウルの伝統を受け継ぐストリングスやホーンの効いた滑らかな演奏と、ダンサブルなグルーヴ、そしてバラードでの繊細な感情表現が際立っている。
「Nights Over Egypt」は、The Jones Girlsの名をクラブ・ミュージック史に刻んだ名曲である。英アシッド・ジャズ・バンドのIncognitoによる名カバーをはじめ、セオ・パリッシュらハウスDJによる定番スピン、ヒップホップにおける数々のサンプリングなど、現在に至るまで世代やジャンルを超えて愛され続けるタイムレスなダンス・クラシックとなっている。