Vinyl Record Reviews
The Lyman Woodard Organizationは、デトロイトのジャズ・オルガン奏者ライマン・ウッダードが率いたジャズ・ファンク・グループだ。ジャンルはJazz、Funk / Soul、スタイルはJazz-Funkに分類される。メンバーにはNorma Jean Bell、Ron English、Lyman Woodard、Leonard Kingの名前が挙がっている。
ライマン・ウッダードは1942年にミシガン州オーウォッソで生まれ、2009年に亡くなっている。トロントではオスカー・ピーターソンとレイ・ブラウンに学んだとされる。1960年代後半にはモータウン系のセッションに参加し、マーサ&ザ・ヴァンデラスの音楽監督も務めた。
1970年代になると、デトロイトのキャス・コリドー地区にあったクラブ「Cobb's Corner」を拠点にトリオで演奏を重ね、その流れからThe Lyman Woodard Organizationが生まれた。
代表作として知られるのが、1975年にデトロイトのStrata Recordsから出た『Saturday Night Special』だ。録音は1973年11月にStrata Sound Studiosで行われ、1975年1月に追加録音が施された。
この作品では、ウッダードがオルガン、エレクトリック・ピアノ、メロトロンを担当し、ロン・イングリッシュのギターとベース、レナード・キングらのドラムスとパーカッションが加わる。1960年代のソウル・ジャズを、より硬質で荒々しい方向へ押し進めたグルーヴが特徴とされ、ロウファイで重厚な音像も印象に残る。デトロイトの工業都市としての風景を思わせる音として紹介されることも多い。
ライナーノーツは詩人のジョン・シンクレア、ジャケット写真はレニ・シンクレアの撮影。初回プレスは1000枚だった。
1979年には、Cobb's Cornerでのライブ録音『Don't Stop the Groove』をCorridorレーベルから発表した。この作品には、アラン・バーンズ(テナー・サックス)、ケリー・キャンベル(ソプラノ・サックス)、ロン・ジャクソン(トランペット)、ロバート・ロウ(ギター、ボーカル)、レナード・キング、ロレンゾ・ブラウンらが参加している。
1985年の『Dedicacion』には、ヴァイオリニストのレジーナ・カーターが参加した。ドラマーのレナード・キングは長年の盟友で、のちに自身のレーベルからウッダードのトリビュート作品も手がけている。
『Saturday Night Special』は長く入手困難なレア盤だったが、2009年3月にWax Poeticsが2枚組LPで再発した。ウッダードはその約1か月前に66歳で亡くなっている。その後、DJアミールがStrataのカタログを掘り起こし、BBE/180 Proof Recordsからも再発が進み、ジャズ・ファンクの名盤として広く再評価された。
The Lyman Woodard Organizationを追うと、モータウン周辺の仕事からクラブでの演奏、Strata Recordsでの制作、そして再発による再評価まで、デトロイトの音楽史の流れがそのまま見えてくる。特に『Saturday Night Special』は、ウッダードの演奏とバンドの編成がまとまった記録として確認しやすい作品だ。