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Eumir Deodato(エウミール・デオダート)は、ブラジル・リオデジャネイロ出身のキーボード奏者、作曲家、アレンジャー、プロデューサーだ。1942年6月22日生まれとする資料と、1943年6月21日生まれとする資料がある。12歳でアコーディオン、14歳でピアノを始め、ボサノヴァのバンドで演奏したあと、自身のグループを組んだ。
1960年代初頭には、Odeonのフリーランス・アレンジャーとして活動し、ウィルソン・シモナルやマルコス・ヴァーリの作品を手がけた。1964年にはデビュー作『Inútil Paisagem』を発表し、アントニオ・カルロス・ジョビンの作品に捧げたアルバムとして知られている。
1967年には、ギタリストのルイス・ボンファとの仕事のためにニューヨークへ移った。その後はプロデューサーのクリード・テイラーに起用され、CTI Recordsでウェス・モンゴメリー、ジョビン、ミルトン・ナシメント、スタンリー・タレンタイン、ポール・デズモンドらのアレンジを担当した。
この時期のデオダートは、ジャズの枠にとどまらず、ロック、ポップ、R&B、ファンク、ブラジル音楽、ラテン音楽、オーケストラ的な要素を組み合わせた仕事で知られる。自身の作品も、ポップ/ジャズやクロスオーバー・ジャズとして扱われることが多い。
ソロ・アーティストとして大きく注目されたのは1973年の『Prelude』だ。このアルバムは全米アルバム・チャートで3位を記録した。収録曲「Also Sprach Zarathustra (2001)」は、リヒャルト・シュトラウスの「ツァラトゥストラはかく語りき」をジャズ・ファンク/フュージョンに置き換えたアレンジで、Billboard Hot 100で2位を記録し、1974年のグラミー賞で最優秀ポップ・インストゥルメンタル・パフォーマンスを受賞している。
1978年の『Love Island』では、トミー・リピューマと共同プロデュースを行い、ジョージ・ベンソンやアース・ウィンド&ファイアーのメンバーを迎えた。ここではフュージョンとディスコの要素が前面に出ている。
デオダートの作品は、ジャズの演奏感とポップ寄りの聴きやすさが同居している。編曲家としての視点が強く、楽器の配置や曲の展開に重心が置かれている点が特徴だ。
1979年から1982年にかけては、クール&ザ・ギャングのアルバム4作をプロデュースした。これらはいずれもミリオン・セラーとなり、「Ladies' Night」「Celebration」などのヒットにつながった。デオダートは演奏者としてだけでなく、ヒット作を支える制作側でも存在感を示している。
その後も活動の幅は広く、1990年代後半にはビョークの『Post』『Telegram』『Homogenic』でアレンジを担当した。ブラジルのミルトン・ナシメント、イタマラ・コーラックス、マルコス・ヴァーリとの仕事も続けている。
関わったアルバムは500作を超え、そのうち15作がプラチナ認定を受けている。ジャズ、ファンク、ディスコ、ブラジル音楽をまたぐ仕事ぶりは、アレンジャーやプロデューサーとしての評価につながっている。
2011年からは、Euro Groove Departmentとのライブ・プロジェクト「Eumir Deodato & Euro Groove Department」でも活動している。ソロ・アーティストとしての70年代の実績に加えて、長く制作現場で仕事を続けてきた人物として見ておきたい。
デオダートを入口にすると、ブラジル音楽、CTI系ジャズ、70年代フュージョン、ディスコ期のプロダクションまで、かなり広い流れをたどれる。演奏家としても制作家としても、資料を追うほど仕事の範囲が見えてくるアーティストだ。