Absolutely - Paracosm (2026)
Absolutely『Paracosm』
ロンドン南部トゥーティング出身のシンガー・ソングライター、Absolutely(本名Abby-Lynn Keen)の2作目のアルバムが『Paracosm』。2026年2月20日にEpic Recordsから出た作品で、全13曲、約41分にまとまっている。スイス系ガーナ人の母と、ミュージシャン/プロデューサーの父Paul Keenのもとに生まれ、姉のRAYE、そしてAmmaというシンガー・ソングライターの姉妹がいる。
制作背景と参加者
タイトルの「Paracosm」は、子どもの頃などに作り上げられる、細部まで作り込まれた空想世界を指す言葉。Absolutely自身がほとんどの曲を共作し、制作にはDanja、Dave Hamelin、Deputy、Jahaan Sweet、Johan Lenox、Justus West、M-Phazesらが参加している。父のPaul Keenも作曲者としてクレジットされ、弦楽器、金管、木管、ハープなどのセッション・ミュージシャンも加わった。
先行シングルは「Goodbye Glitter」(2025年6月)、「I Just Don't Know You Yet」(同6月)、「No Audience」(同11月)、そして表題曲「Paracosm」(2026年2月)。DIY誌は、本作が「I Just Don't Know You Yet」のバイラルな成功を裏付ける内容だと評している。Absolutelyは2026年1月から始まった姉RAYEのツアーにも参加しながら、このアルバムを宣伝した。
時代の文脈
Absolutelyは、10代でライフスタイル動画が拡散したのち、2019年にàB名義でEPを発表し、その後ロサンゼルスを拠点に活動。Jesy Nelson、Teddy Swims、Giveon、Normani、Anitta、Leigh-Anneらに曲を書いてきた。2023年にAbsolutely名義へ改めた後のデビュー作『Cerebrum』で注目され、そこから2作目として『Paracosm』が出ている。
批評では、DIY誌のDaisy Carterが4つ星を付け、前作の「より手に取りやすいポップ」から「まったく奇妙な領域」へ進んだと書いた。「Natural Disaster」はCharli XCXやFKA twigsとの比較が挙げられ、「Goodbye Glitter」は軽い弦と宇宙的な音を合わせた曲として「ミキサーにかけた007のテーマ曲」のようだと評された。「Helium」はピアノ・バラードからサックス入りのジャジーなグルーヴへ移る曲で、姉RAYEの音に最も近いとしている。そのうえで本作を「真に万華鏡のような作品」と呼んだ。
Oculate UKのHarriett Dolphinも4つ星で、「これは再発明ではない。洗練だ」とコメント。感情を説明するのではなく「舞台に乗せる」作品だとし、「Trojan Horse」を最も地に足のついた曲、「I Just Don't Know You Yet」の抑制を評価している。一方で、「Painting by Numbers」「Simple Things」「Helium」と続く3曲は似通っていて流れがぼやけるとも指摘した。
チャート動向
アルバムは全英アルバム・セールス・チャートで39位、スコットランドのアルバム・チャートで71位を記録している。リリース国はヨーロッパで、盤には「Made in the EU.」の表記がある。
トラックリスト
- A1 Natural Disaster
- A2 Nowhere To Hide
- A3 Painting By Numbers
- A4 Helium
- A5 Simple Things
- A6 No Audience
- B1 Prototype
- B2 No Furniture
- B3 Elevator
- B4 Trojan Horse
- B5 Paracosm
- B6 I Just Don't Know You Yet
- B7 Goodbye Glitter