Altın Gün - On (2018)
Altın Gün『On』
Altın Günの『On』は、アムステルダムを拠点に活動するトルコ系サイケ・フォーク・バンドが2018年に発表したデビュー・アルバム。トルコ民謡のカバーを軸にしながら、ファンクやアシッド・ロック、ディスコの要素を交えた内容になっている。リリースはスイスのLes Disques Bongo Joeからで、レーベル番号はBJR025。盤面の刻印には「MJC-BJR 025 A/B AF Centraldubs MPO」とあり、MPOでプレスされたことが確認できる。
制作背景・エピソード
バンドは2016年、ベーシストのJasper Verhulstがアムステルダムで結成した。Verhulstは、ギターのBen Rider、ドラムのNic Mauskovicとともに、Jacco Gardnerのライブ・バンドで演奏していたが、2015年のイスタンブール滞在で古いトルコ盤を集めたことをきっかけに、トルコ音楽へ深く入っていったという。もともとはSelda Bağcanの再発盤や、『Turkish Freakout』『Love, Peace & Poetry』といったコンピレーションから関心を広げていった。
当初はライブだけの企画だったが、演奏回数を重ねるうちに観客から音源を求める声が出て、録音へ進んだ。Verhulstはトルコ語を話せてトルコの楽器を弾けるメンバーをFacebookで探し、そこでヴォーカルのMerve Daşdemirと、ヴォーカル兼サズ奏者のErdinç Ecevit Yıldızに出会った。Verhulstは、この2人が最初にリハーサル・スペースへ来て、最初から相性がよかったと振り返っている。最初に合わせた曲は「Malabadi Köprüsü」だった。
Yıldızは12歳から父親とともにトルコの結婚式で演奏してきた民謡歌手で、バンドが演奏する曲の多くを選んでいる。Verhulstは彼を「音楽的な天才」と呼び、「この音楽は彼の血の中にある」と語っている。ここにパーカッションのGino Groenveldが加わった。2017年にはBongo Joeから7インチ「Goca Dünya」「Kırşehir'in Gülleri」を発表し、その翌年3月にこのアルバムが出た。Bandcampのクレジットでは、ミックスはJacco Gardnerが担当している。
レパートリーの中心は、近代トルコ民謡の曲と、何世紀も歌い継がれてきた伝承曲のカバー。「Tatlı Dile Güler Yüze」は中部アナトリアの吟遊詩人でバーラマ奏者のNeşet Ertaşの曲。VerhulstとRiderはトルコ語を読めず、耳で覚えながら演奏しているという。Verhulstは、民謡には従うべき決まったオリジナルがないことが多く、「まったく違うことをする自由がたくさんある」と話している。Riderは、良いメロディーと情熱的な歌い方を探す試行錯誤の連続だったと述べ、ギターの4弦と3弦を下げて、サズの微分音に合わせて弾いている。
時代の文脈
Altın Günが参照しているのは、Barış Manço、Erkin Koray、Selda Bağcanら1970〜80年代のアナトリアン・ロックの音楽家たち。オランダ人とトルコ人が混ざった編成で、トルコの伝統音楽に親しみのない聴き手にも届く形へ民謡を組み替えている。トルコのジャーナリストMurat YetkinのYetkin Reportでは、2017年にイスタンブールのレコード店でBeyaz Kelebeklerを探していた客が、店内で大音量で流れるAltın Günを耳にする場面も紹介されている。同レポートは、Selda Bağcan、Baba Zula、Gaye Su Akyolと並ぶ、世界のメディアで注目されたトルコの音楽家としてAltın Günを挙げている。
この作品の後、バンドはKing Gizzard & the Lizard WizardのGizzfest 2018出演をきっかけに米ATO Recordsと契約し、翌2019年の『Gece』で第62回グラミー賞の最優秀ワールド・ミュージック・アルバム部門にノミネートされた。Yetkin Reportは、本作とそれに続くシングル「Gece」が、多くの有名フェスティバルへの出演とグラミー・ノミネートへの扉を開いたと書いている。スイスの配給元Irascibleは、世代を超えて受け継がれてきたトルコ民謡にファンクのリズム、ワウワウ・ギター、アナログ・オルガンを混ぜたサウンドとして紹介している。音楽ライターのMatt Micucciは本作を「21世紀のアナトリアン・ロックの典型的な一枚」と呼び、5つ星を付けた。
聴きどころとして挙げられた曲
Matt Micucciは、トルコのディアスポラの伝統をアシッド・ロック、ディスコ、ファンクと融合させた作品とし、電気増幅されたバーラマ、躍動するパーカッション、ソウルフルなギター・ソロを聴きどころに挙げている。推し曲として挙げたのは次の4曲だ。
- 「Tatlı Dile Güler Yüze」
- 「Goca Dünya」
- 「Halkalı Şeker」
- 「Caney」
トラックリスト
- A1 Tatli Dile Güler Yüze 2:44
- A2 Kırşehir'in Gülleri 3:22
- A3 Goca Dünya 3:57
- A4 Halkali Şeker 3:39
- A5 Caney 4:39
- B1 Şad Olup Gülmedim 4:03
- B2 Cemalim 4:04
- B3 Çiçekler Ekiliyor 3:26
- B4 Kaymakamin Kizlari 2:50
- B5 Şeker Oğlan 6:14
動画プレイリスト
このアーティストについて
Altın Gün(アルトゥン・ギュン)は、2016年にオランダ・アムステルダムで結成されたトルコ・サイケデリック・フォーク/アナトリアン・ロック・バン...
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