Anderson .Paak - Malibu (2016)
Anderson .Paak 2016

Anderson .Paak - Malibu (2016)

Hip Hop Funk / Soul Conscious Neo Soul

Anderson .Paak『Malibu』

Anderson .Paakの2作目のスタジオ・アルバム『Malibu』は、2016年1月15日にOBE/Steel Wool/ArtClub International/EMPIREから出た作品。直前の2015年には、Dr. Dre『Compton』で全16曲中6曲に参加しており、同作で最も多く登場したアーティストになっていた。

制作背景と参加陣

プロデューサーには9th Wonder、Madlib、Kaytranada、Hi-Tek、DJ Khalil、Dem Jointz、Pomo、Chris Dave and the Drumhedz、Callum Connorらが並び、録音はノースカロライナ州ローリーのBrightLy Studiosと、カリフォルニア州ヴァン・ナイズのThe Cadillac Castleで行われている。
「Water Fall (Interluuube)」にはRobert Glasper、Pino Palladino、Isaiah Sharkeyが参加し、ゲストにはBJ the Chicago Kid、ScHoolboy Q、Rapsody、The Game、Talib Kweliの名前がある。

制作のエピソードとしては、DJ Premierが手がけた「Animals」がもともと『Malibu』に入る予定だったが、のちにDr. Dreが『Compton』での使用を認めた、という話がある。Dr. Dreは最初のセッションではAnderson .Paakが誰かも知らなかったが、その声を「生まれつきの痛みがある」と評したという。アルバムには古いサーフィン映画やラジオ番組からの音源も散りばめられている。本人はサーフィンとの距離について、「ブギーボードがいちばん近づいた経験」と話している。

「Without You」ではHiatus Kaiyoteの「Molasses」がサンプリングされている。さらに「Room in Here」にはThe GameとSonyae Elise、「Am I Wrong」にはScHoolboy Q、「The Dreamer」にはTalib Kweliが参加している。

時代の文脈

前年の2015年にはKendrick Lamar『To Pimp a Butterfly』が出ていた。シングルは「The Season / Carry Me」「Am I Wrong」「Room in Here」「Come Down」の順に出ており、同時期にはKnxwledgeとのユニットNxWorriesのEP『Link Up & Suede』も発表されている。
批評では『To Pimp a Butterfly』との比較がしばしば持ち出され、Pitchforkは「Your Prime」のフロウを同作に重ね、Consequenceは作品の幅をStevie Wonder『Innervisions』や『To Pimp a Butterfly』に例えている。

Anderson .Paak自身の来歴もこの作品の背景にある。父親についての最も古い記憶は、母親を死なせかけるほど殴って警察に連れて行かれる場面で、次に会ったのは依存症で亡くなった後の棺の中だった。17歳のときには、母と継父が証券詐欺で刑務所に送られている。2011年には農場の仕事を失い、妻と幼い息子を抱えてホームレス状態になった。そのとき家族を受け入れたのがShafiq Husaynで、Breezy Lovejoy名義のデビュー作『O.B.E. Vol. 1』は、Husaynのイーグル・ロックの家で仕上げられた。10歳で初めてドラム・セットを手にし、教会のバンドで叩き、のちにアメリカン・アイドル出身のHaley Reinhartのツアー・ドラマーも務めている。

評価

評価面では、Metacriticが85点、PitchforkがBest New Musicの8.6点を付けた。Entertainment Weeklyは本作を「分類を拒む」アルバムと書き、「Am I Wrong」をOutkastの解散以来最高のOutkast風の曲と評している。AllMusicのAndy Kellmanは5つ星を付け、良い時と苦しい時が混ざった内容は前作『Venice』より深く響くと述べた。Qは「本当に自分の声を見つけた」と評し、Exclaim!は「コンクリートから咲いたバラ」と表現した。一方でRolling Stoneは3つ星で、歌詞に比べて音楽の起伏が少ないと指摘している。

チャートではBillboard 200で79位、R&B/ヒップホップ・アルバムで9位、インディペンデント・アルバムで6位。第59回グラミー賞では最優秀アーバン・コンテンポラリー・アルバムにノミネートされた。2016年の年間ベストではThe Independentで2位、Consequenceで8位、Pitchforkで13位に入っている。米国でゴールド、英国でシルヴァー認定も受けた。

トラックリスト

  1. A1 The Bird 3:38
  2. A2 Heart Don't Stand A Chance 5:12
  3. A3 The Waters 2:54
  4. A4 The Season / Carry Me 5:28
  5. B1 Put Me Thru 2:40
  6. B2 Am I Wrong 4:13
  7. B3 Without You 3:19
  8. B4 Parking Lot 3:54
  9. C1 Lite Weight 3:26
  10. C2 Room In Here 3:59
  11. C3 Water Fall (Interlude) 1:58
  12. C4 Your Prime 3:57
  13. D1 Come Down 2:56
  14. D2 Silicon Valley 4:04
  15. D3 Celebrate 3:46
  16. D4 The Dreamer 5:40

動画プレイリスト

公開: 2026年10月
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