Bonnie Dobson - Bonnie Dobson (1969)
Bonnie Dobson 1969

Bonnie Dobson - Bonnie Dobson (1969)

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Bonnie Dobson『Bonnie Dobson』(1969)について

Bonnie Dobsonの1969年作『Bonnie Dobson』は、カナダのフォーク・シーンを代表するシンガー/ソングライターが、自作曲と同時代の楽曲をあわせてまとめたアルバムだ。タイトル通り本人名義の作品で、リリース国はカナダ、レーベルはNimbus 9。録音は1969年3月10日から12日にかけて、トロントのEastern Sound CompanyとRCA studiosで行われている。Nimbus 9とCBCが共同で作品を提示している点も、この時代のカナダ制作盤らしい背景として見えてくる。

Bonnie Dobsonは1940年生まれ、トロント出身のフォーク・シンガー、ソングライター、ギタリストである。彼女の名前は「Morning Dew」の作者として広く知られているが、このアルバムではその一曲だけで語られる存在ではないことがはっきりする。収録曲は自作曲に加えて、Fred Neil、Dino Valente、Jackson C. Frankら、同時代のソングライターの楽曲も含む構成で、1960年代末のフォーク〜フォークロックの空気を一枚に収めた内容になっている。

3日間で録音された、まとまりの強い一枚

録音期間はわずか3日間。短いセッションながら、Ben McPeekの編曲によって、弾き語り中心のフォーク作品という印象から一歩進んだ仕上がりになっている。Nimbus 9はカナダのスタジオ系レーベルとして、制作面を含めた音作りに関わっていたレーベルで、この作品でもその性格がよく出ている。録音の輪郭がはっきりしていて、歌を前に出しながらも、伴奏の厚みで曲の性格を変えていく作りだ。

実際に聴くと、Bonnie Dobsonの声の置き方がかなり重要だとわかる。強く押し出すというより、言葉の流れに沿って自然に進む歌い方で、編曲が前に出る場面でも歌が埋もれない。フォーク期の素朴さを残しつつ、1969年らしいスタジオ作品としてまとめようとした痕跡が見える。音の作りはシンプルではあるが、ただの伴奏付き弾き語りとは違う、当時のフォークロック寄りの感触がある。

収録曲と代表曲

アルバム収録曲の中では「I Got Stung」がシングル的に注目された曲として知られている。カナダのチャートで小ヒットを記録し、CanPopで82位、CanConで7位に入っている。アルバム全体の大きなヒットというより、特定の曲が地元カナダで反応を得た形だ。

また、この盤では選曲の良さがしばしば話題になる。Bonnie Dobsonの自作曲だけでなく、Fred NeilやDino Valente、Jackson C. Frankといったシンガー・ソングライターの曲を並べることで、当時のフォーク・ソングの流れがそのまま見える構成になっている。単独の作者としてだけでなく、同時代の曲をどう受け止め、歌い直すかという視点でも聴ける作品だ。

1969年という位置づけ

このアルバムは、Bonnie Dobsonにとってフォークの枠組みから少し外へ出ようとした記録として見ることができる。後年の評価では、フォークからロック寄りのアレンジへの移行がうまくはまらなかったという見方もある一方で、同時代には声の魅力を評価する受け止め方もあった。いずれにしても、彼女を「Morning Dewの作者」という一面だけで終わらせない試みだったことは確かだ。

1960年代後半の北米フォークは、アコースティックな弾き語りから、スタジオ録音を前提にしたフォークロックへと移っていく時期だった。この『Bonnie Dobson』もその流れの中にある。カナダ制作盤としての独自性を持ちながら、同時代のソングライターたちと地続きの感覚を保っている点が、この作品の読みどころになっている。

オリジナル盤としての聴きどころ

1969年のオリジナル盤は、作品が作られた時点の空気をそのまま持っている。Nimbus 9とCBCの共同提示という形、トロントでの短期録音、Ben McPeekの編曲、そしてカナダ国内での受け止められ方。こうした要素が一枚にまとまっていて、単なる再編集盤や編集ベストではない、当時の制作意図が見えやすい。再発盤ではなく1969年の初出盤として追うと、Bonnie Dobsonがこの時期に何を試していたのかがよりはっきりする。

『Bonnie Dobson』は、派手な成功作というより、1969年のフォーク・シーンの中で、ひとりの歌い手が表現の幅を広げようとした記録として残るアルバムだ。歌唱、選曲、編曲、そのどれもが当時の流れとつながっていて、Bonnie Dobsonのキャリアを考えるうえでも重要な位置を占める作品と言える。

トラックリスト

  1. A1 I Got Stung 2:56
  2. A2 Morning Dew 3:18
  3. A3 Let's Get Together 3:07
  4. A4 I'm Your Woman 2:57
  5. A5 Time 3:08
  6. A6 Rainy Windows 2:38
  7. B1 Everybody's Talking 3:26
  8. B2 Bird Of Space 2:48
  9. B3 You Never Wanted Me 3:12
  10. B4 Pendant Que 2:59
  11. B5 Elevator Man 2:50
  12. B6 Winter's Going 2:40

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