Malicorne - Malicorne (1977)
Malicorne 1977

Malicorne - Malicorne (1977)

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Malicorne『Malicorne』(1977)

フランスのフォーク・グループ、Malicorneが1977年に発表した4作目のスタジオ盤。タイトルをそのまま冠した作品で、資料によっては『Malicorne 4』、あるいは冒頭曲に由来して『Nous Sommes Chanteurs De Sornettes』とも呼ばれている。フランスの伝承音楽を土台にしながら、電気楽器やロックの感覚を持ち込んでいくこのバンドの流れの中でも、ひとつの到達点として位置づけられる1枚だ。

バンドの流れの中での位置づけ

Malicorneは1973年、Gabriel YacoubとMarie Yacoubを中心に始動したフランスの電気フォーク・グループで、フランス民謡や地方伝承曲を現代的な編成で扱う先駆的な存在として知られる。1977年作の本作は、前年の『Almanach』に続く流れにあり、グループの4作目として制作された。初期のMalicorneが持っていた、伝承曲を素材にしながらもバンド・アンサンブルで組み直す姿勢が、この時点でかなり明確になっている。

この時期のラインナップでは、Olivier Zdrzalik-Kowalskiの加入があり、Hugues De Coursonがパーカッションに集中できる体制になったとされる。また、バンドとしては初めてシンセサイザーの使用が記録されており、伝統楽器中心の響きに音色の幅が加わっている。とはいえ、全面的にロック化するのではなく、あくまで民謡の骨格を保ったまま編曲の層を厚くしている印象が強い。

内容と聴きどころ

収録曲はフランスの伝承曲を中心に構成され、Gabriel Yacoubが一部の歌詞や編曲に関わっている。ア・カペラやインストゥルメンタルも織り交ぜた作りで、曲ごとの役割がはっきりしているのが特徴だ。英語圏の解説では、伝承を下敷きにしながら重層的なコーラスと編曲の工夫が目立つ作品として語られている。

代表曲としてよく挙げられるのは「Dame Lombarde」と「Landry」。どちらもこのアルバムの中心にある曲として扱われることが多く、メロディの運びとコーラスの重なりが耳に残る。冒頭の「Nous Sommes Chanteurs De Sornettes」も、アルバム全体の空気を決める曲として重要だ。伝承曲の素朴さを残しながら、声の配置や楽器の入り方で構成を組み立てていくところに、このバンドらしさが出ている。

音の手触り

実際に聴くと、派手な電気ギターで押すタイプのフォーク・ロックではなく、弦楽器、打楽器、コーラスの重なりで曲を進めていく作りが目立つ。録音は1977年夏にパリのスタジオで行われたとされ、音の輪郭は比較的明瞭だが、前面に出るのは演奏の密度よりもアンサンブルの組み方だ。シンセサイザーの使用も、当時のフランスのフォーク作品としては控えめながら、全体の色合いを少しだけ現代的に寄せている。

この盤は、伝統音楽の再現ではなく、伝承素材をバンド作品として再構成する方向にある。その意味では、同時代のブリテン系フォーク・ロックやケルト色の強い作品群と並べて語られることがある一方で、フランス語の発音や旋律の運び、地方色の扱い方はかなり独自だ。フランスのフォーク復興の文脈でも重要な作品として見られており、Malicorneという名前を広く定着させた盤のひとつといえる。

オリジナル盤について

1977年のオリジナル盤はフランス・リリースで、Hexagoneからの発表。見開きジャケットで歌詞とクレジットが収められ、会社刷りの内袋が付く仕様だ。盤面の刻印はMPOやWEAのスタンプがあり、それ以外は手彫りとされている。カナダ流通盤にはCBS Disquesのステッカーが貼られたものもあるようだが、基本の内容は1977年フランス盤が基準になる。

まとめ

『Malicorne』は、Malicorneの初期ディスコグラフィーの中でも、伝承曲の扱い方とバンド・アンサンブルの完成度がよく見える1枚だ。派手に装飾するより、声と旋律と楽器の配置で聴かせるタイプの作品で、1970年代フランスのフォーク・ロックの輪郭を知るうえでも外せない存在になっている。

トラックリスト

  1. A1 Nous Sommes Chanteurs De Sornettes - Gavotte 2:40
  2. A2 Couché Tard Levé Matin 3:53
  3. A3 Daniel Mon Fils 2:40
  4. A4 Le Déserteur - Le Congé 5:19
  5. A5 La Blanche Biche 6:35
  6. B1 Bacchu Ber 1:58
  7. B2 Le Jardinier Du Couvent 9:03
  8. B3 Misère 2:27
  9. B4 La Fiancée Du Timbalier 5:49
  10. B5 Ma Chanson Est Dite 0:27

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