Delegation - Delegation (1981)
Delegation 1981

Delegation - Delegation (1981)

Funk / Soul Soul

Delegation『Delegation』(1981) 作品紹介

Delegationが1981年に発表した3作目のアルバム『Delegation』は、英国バーミンガム出身のソウル/ファンク・グループが、70年代後半から80年代初頭にかけて磨いてきた持ち味を、そのまま一枚にまとめた作品だ。プロデュースは結成初期から彼らを支えてきたKen Gold。録音はロンドンのRoundhouse Studiosを中心に進められ、ストリングスとホーンはVineyard Studiosで別録り、最終的なマスタリングは米カリフォルニア州バーバンクのKendun Recordersで行われている。制作の現場が英国と米国をまたいでいる点も、この時期の英国ソウル作品らしい動き方だ。

本作はバンド名をそのまま冠したタイトル作だが、内容はデビュー盤の焼き直しではなく、当時のDelegationの現在地を示す一枚としてまとまっている。前作までで築いたメロウなソウル感、ファンク寄りのリズム、そして甘さを前に出しすぎない歌の運びが、ここでもきちんと保たれている。ブラスやストリングスの配置には、長年編曲を担ってきたLynton Naiffの仕事が色濃い。

収録曲と印象的なポイント

このアルバムでまず触れたいのは「In the Night」と「I Wantcha' Back」だ。前者はスウェーデンでヒットし、後者は西ドイツのシングルチャートで52位を記録している。どちらも派手に押し切る曲ではなく、リズムの粘りとコーラスの運びで聴かせるタイプ。Delegationの持つ、柔らかさの中に芯がある感じがよく出ている。

「I Wantcha' Back」は、後年までタイトル表記の揺れが話題になる曲でもある。レコードの表記では「I Want' Cha Back」とされており、細かなクレジットの違いが現物の個性として残っている。こうした点も、当時のUK盤を追う楽しみのひとつだ。

もうひとつ重要なのが「12th House」。この曲は、後にニューウェイヴ・バンドNew Musikを率いるTony Mansfieldが書いたもので、Delegationによる本作収録版がオリジナル録音にあたる。New Musik自身の「Twelfth House」は1982年に出た後発のセルフカバーで、時系列ではDelegation側が先に録音している。ソウル・グループのレパートリーの中に、のちのニューウェイヴ側へつながる曲が入っている点は、なかなか面白い。

アルバムの位置づけ

Delegationは1976年に結成され、Ricky Bailey、Ray Patterson、Len Coleyを中心に始まったグループだ。後にBruce Dunbarが加わり、さらにKathy Bryantも参加するが、この1981年作はまだ初期メンバー時代の流れの中にある作品として聴ける。彼らを通年で支えたKen Goldの存在も大きく、Delegationの音像は、英国のソウル・グループという枠の中でもかなり整理された作りになっている。

同時代の英国ソウルを並べて見ると、Delegationは派手なディスコ路線へ大きく寄るわけでもなく、アメリカ南部風の泥臭さを前に出すわけでもない。リズムは軽すぎず重すぎず、歌は滑らかで、ホーンやストリングスがその隙間を埋める。ShakatakやLight of the WorldのようなUKの洗練されたグループ群と近い場にいながら、Delegationはより歌ものの比重が高い。

UK盤とUS盤の違い

この1981年のオリジナルUK盤はAriolaからのリリースで、レーベル番号はARL 5062。Ariolaは当時ヨーロッパで広く展開していたレーベルで、80年代初頭には国際的な流通体制を強めていた時期にあたる。なお本作は米国では『Delegation II』という別タイトルでも出ており、バンド名義の初期作と紛らわしくならないよう区別されたものとされている。

UK盤として見ると、80年代初頭のAriolaらしい整った音の出し方が印象に残る。ブラスの抜け、ベースの輪郭、コーラスの重なりが、過度に飾らずに前へ出る。ソウル・アルバムとしての基本線を押さえながら、英国制作らしい端正さが残る一枚だ。

まとめ

『Delegation』は、ヒット曲を抱えたグループの勢いだけで押す作品ではなく、メンバー、プロデューサー、アレンジャーが長く積み上げてきた型を、1981年時点の音でまとめたアルバムだ。代表曲「In the Night」「I Wantcha' Back」に加え、「12th House」のような意外な曲の来歴も含めて、単なる英国ソウルの一枚に収まらない広がりがある。バーミンガム発のソウル・グループが、UKと欧州の市場でどう受け止められていたかを知るうえでも、手がかりの多い作品である。

トラックリスト

  1. A1 Feels So Good (Loving You So Bad) 3:57
  2. A2 Dance,Prance,Boogie 4:19
  3. A3 In Love's Time 4:00
  4. A4 Singing 4:16
  5. A5 Twelfth House 4:39
  6. B1 In The Night 3:36
  7. B2 Turn On To City Life 3:40
  8. B3 Free To Be Me 4:53
  9. B4 I Wantcha' Back 3:11
  10. B5 Gonna Keep My Eyes On You 3:15

動画プレイリスト

公開: 2026年9月
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