Dr Space Mad Elf Mess - Dr Space Mad Elf Mess (2026)
Dr Space Mad Elf Mess『Dr Space Mad Elf Mess』
北欧の即興スペース・ロックの雄ウーレスンド・スペース・コレクティヴ(Øresund Space Collective)を率いるドクター・スペース(スコット・ヘラー)と、キャンパー・ヴァン・ベートーヴェンでも知られるマルチ奏者ジョナサン・シーゲルが、ポルトガルのヘヴィ・サイケ/ストーナー・バンドMadmessおよびIt Was The Elfのメンバーたちと合体したスタジオ・ジャム・プロジェクト。2026年にギリシャ・アテネのアンダーグラウンド・サイケ専門レーベルSound Effect Recordsからリリースされた。
ポルトガルでのセッションと参加メンバー
2024年1月、ポルトガル中央部のスタジオ「Estúdio Paraíso nas Nuvens」に集結した5人の手練れたちが、2日間にわたる完全フリーフォームなインプロビゼーションを敢行。参加メンバーは、ドラムとギターを担うエドガー(Madmess)、ギターのサム、ギター/ベース/ドラムを変幻自在に操るヴァスコ(It Was The Elf)、そしてフェンダー・ローズ、ヴェルシ・ベース・シンセ、バイオリン、メロトロンを駆使するジョナサン・シーゲルと、ハモンドやメロトロン、モジュラー・シンセサイザーを操るドクター・スペースである。
長尺即興ジャムのダイナミズム
アルバムは全3トラックで構成され、圧巻はLPのA面まるごと(約24分)を費やした超大作「The Mad Elves First Steps」である。ホークウィンドやアモン・デュールIIを思わせる重厚なツイン・ギターのリフと土煙を上げるようなドラミングに、うねりを上げるメロトロンとモジュラー・シンセの宇宙音響が重なり合い、壮大なトランス状態を現出させる。
B面では、クラウトロック直系の推進力あるハンマー・ビートとサイケデリックなカオスが交錯する「Effectual Kaos」(約12分)、そしてタイトル曲「Dr Space Mad Elf Mess」(約10分)が配され、重厚なヘヴィ・ストーナーのリフとオズリック・テンタクルズ的な浮遊感が完璧な化学反応を見せる。
作品の意義
事前に用意されたスコアを一切排し、互いの直感と卓越したミュージシャンシップのみを頼りに紡ぎ出された音像は、スタジオ録音でありながら熱狂的なライブ盤に匹敵する生々しさを放つ。北欧と南欧のアンダーグラウンド・サイケデリック/スペース・ロックの精鋭が交差した、2020年代屈指の本格派ジャム・アルバムである。
トラックリスト
- A1 The Mad Elves First Steps 23:55
- B1 Effectual Kaos 12:09
- B2 Dr Space Mad Elf Mess 9:59