Eddie Hazel - Game, Dames And Guitar Thangs (1977)
Eddie Hazel 1977

Eddie Hazel - Game, Dames And Guitar Thangs (1977)

Rock Funk / Soul Psychedelic Rock P.Funk

Eddie Hazel『Game, Dames And Guitar Thangs』レビュー

Eddie Hazelの『Game, Dames And Guitar Thangs』は、1977年にWarner Bros. Recordsから出た唯一のソロ・アルバムである。P-Funkの中核ギタリストとして知られるヘイゼルが、自分の名前を前面に出して残した作品で、ファンク、ロック、サイケデリック・ソウルが強く結びついた内容になっている。パーラメント/ファンカデリック周辺の作品群の中でも、本人のギターが中心に据えられた記録として位置づけやすい1枚だ。

P-FunkのギタリストとしてのEddie Hazel

エディ・ヘイゼルは1950年生まれ。若くしてセッション・プレイヤーとして活動し、のちにジョージ・クリントンに見いだされ、1970年代前半のParliament / Funkadelicに参加した。最大の代表的場面としてよく挙がるのが、Funkadelic『Maggot Brain』のタイトル曲における長大なギター・ソロである。あの演奏で、ヘイゼルはファンクの枠組みの中に、ハードロック寄りのフレーズ、ブルース的な揺れ、感情をそのまま吐き出すような表現を持ち込んだ。

その後のヘイゼルは、P-Funkの大きな流れの中で徐々に立場を変えていくが、このソロ作は、そうしたキャリアの中で本人の名前が最もはっきり前面に出た作品である。1977年という時期は、P-Funkが大きく拡張していた時代でもあり、同じくジョージ・クリントン周辺の音楽と並べて聴くと、バンド内部の個人作としての性格が見えやすい。

アルバムの中身

収録は全4曲。オリジナル曲に加えて、ビートルズ「I Want You (She’s So Heavy)」、The Mamas & the Papas「California Dreamin’」のカバーを収めている。制作にはジョージ・クリントンが共同で関わり、ブーツィー・コリンズ、バーニー・ウォレル、タイキ・フルウッドらP-Funkファミリーの面々が集まった。クレジットを見るだけでも、この作品が当時のファンク・コレクティブの延長線上にあることがわかる。

聴感上は、曲数の少なさ以上に、1曲ごとの密度が高い。ギターは前に出るが、単にソロを弾き続ける作りではなく、リズム隊とキーボードが厚く支え、曲の推進力を保つ。とくにカバー曲では、原曲の輪郭を残しつつ、長い展開の中でファンク寄りのうねりへ組み替えていく構成が目立つ。ポップソングの再解釈というより、P-Funk流の演奏空間に引き込む作りである。

同時代の文脈

1970年代後半のファンクは、ディスコの台頭やシーンの細分化が進む時期だった。その中でこのアルバムは、ダンス志向のファンクとも、ハードロック一辺倒とも少し違う位置にある。ヘイゼルのギターは、同時代のロック・ギタリストのように前へ出る一方で、P-Funk特有の反復や間の取り方を保っている。後年のファンク・ロック、オルタナ寄りのファンク、ギター主体のブラック・ロックを考えるうえでも、先行例として見ておきたい内容だ。

ウェブ上でもたびたび触れられるように、ヘイゼルは『Maggot Brain』で名を決定づけたが、このソロ作はその延長にある別の到達点として読める。感情の強さを一発で示した代表曲に対し、こちらはP-Funkの共同体の中で、長めの演奏とアレンジの中に自分の色を残した作品という印象が強い。

リリースと盤の見どころ

オリジナルは1977年のUS盤、Warner Bros. RecordsのBS 3058。レーベルは当時のワーナーのパームツリー系デザイン期にあたり、同社の1975年以降のLPによく見られる仕様である。クレジット面では、℗ 1977 Warner Bros. Records Inc.、裏ジャケットには © 1977 Warner Bros. Records Inc. の表記がある。さらに、Warner Bros.のカンパニー・インナー・スリーブ付きで流通した。

この盤は、同じ1977年のオリジナル期でもプレス違いがある。今回の情報では、runoutに「─◁」と「WW」が入り、Capitol Los Angeles盤と同一ラベル仕様の変種が確認できる。オリジナル盤の範囲内でも、プレス工場による差異が出やすいタイトルとして扱われている。

作品の位置づけ

『Game, Dames And Guitar Thangs』は、Eddie Hazelのディスコグラフィーの中で数少ない単独名義作であり、同時にP-Funk周辺のギター表現をそのまま記録したアルバムでもある。ヒット曲だけで押し切るタイプではないが、ヘイゼルの名を追うときには外しにくい1枚だ。『Maggot Brain』の伝説だけでは見えない、アレンジャー的な視点とバンド内の相互作用がそのまま残っている。

1992年にヘイゼルが亡くなったあと、このアルバムはP-Funk関連作の中でもコレクター需要の高い盤として扱われるようになった。派手な話題性より、演奏と編成、そして1977年という時代の空気がそのまま詰まった記録。Eddie Hazelというギタリストの輪郭をつかむには、やはり重要な位置に置かれる作品である。

トラックリスト

  1. A1 California Dreamin' 6:16
  2. A2 Frantic Moment 3:42
  3. A3 So Goes The Story 3:55
  4. B1 I Want You (She's So Heavy) 9:25
  5. B2 Physical Love 5:32
  6. B3 What About It? 3:46
  7. B4 California Dreamin' (Reprise) 1:30

動画プレイリスト

公開: 2026年9月
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