Emílio Santiago - Emílio Santiago (1975)
Emilio Santiago 1975

Emílio Santiago - Emílio Santiago (1975)

Jazz Funk / Soul Latin Funk Samba MPB

Emílio Santiago『Emílio Santiago』(1975)

リオデジャネイロ出身の歌手、エミリオ・サンティアゴが1975年にCIDから発表したデビュー・アルバム。のちに「ブラジルのナット・キング・コール」と呼ばれる彼のキャリアは、ここから始まる。サンティアゴは1960年代にリオの国立法科大学で法律を学び、弁護士か外交官を目指していたが、大学のバーで歌ううちに友人たちが本人に内緒で学内の音楽祭へ応募し、そこで優勝。審査員だったベッチ・カルヴァーリョの目に留まったという。両親の希望で法学の学位は取りつつ音楽へ進み、1972年から75年まではEd Lincolnのオーケストラの専属シンガーとしてリオのナイトクラブで歌っていた。1973年にはPolydorから最初のシングルも出している。

制作背景・参加ミュージシャン

このアルバムの実現には、Ed Lincolnの長年の友人で、当時CIDのアーティスティック・ディレクターだったギタリスト、Durval Ferreiraの役割が大きい。Durval Ferreiraがサンティアゴの才能を早くから見抜き、契約につながったことで本作が形になった。録音にはブラジル音楽の名手が集められており、キーボードにJoão Donato、ドラムスにWilson das Neves、Ivan “Mamão” Conti、Paulinho、ギターにDurval Ferreira、Carlos Roberto Rocha、Hélio Delmiro、パーカッションにAriovaldo、Orlandivo(Orlann Divo)、Chacal、フルートにDanilo Caymmi、ホーン・セクションにVictor Assis Brasil、Edson Maciel、Jesse Sadoc、バック・コーラスにJaime & Nair、Lúcia Lins、Jurema、Marcio Lottが参加している。クレジット上は、袖とレーベルでカタログ番号が異なっている点も確認できる。歌詞インサート付きで、(P)1975表記。

時代の文脈

選曲はJorge Ben、Marcos & Paulo Sérgio Valle、Ivan Linsら、当時のブラジルを代表するソングライターたちへのオマージュとしてまとめられている。オープニングの「Bananeira」はJoão DonatoとGilberto Gilの作、「Brother」はJorge Benの作で、アルバムの入口を飾る。後年、1988年にプロデューサーのRoberto Menescalに誘われて録音した『Aquarela Brasileira』が40万枚以上のヒットとなり、全7作で計500万枚以上を売り上げる国民的シンガーになるが、その以前の段階で、ナイトクラブのクルーナーからソロ歌手へ踏み出した出発点がこの1枚になる。

聴きどころとして語られている点

Far Out Recordingsは「Bananeira」をパーティーの幕開けにふさわしい一曲、「Brother」をホーン・アレンジと大編成のバック・コーラスを伴ったスムースなグルーヴの曲、「La Mulata」をソウルフルでスウィングするサルサとして紹介している。ブラジルのバラード歌手として知られる以前の、ファンクやソウル、ブギーの側面が前面に出た作品として扱われている点も、この再評価の文脈で興味深い。

後世への動き

本作は2018年7月にロンドンのFar Out Recordingsからアナログ盤で再発され、2024年にも再プレスされた。オリジナルは1975年のCID盤で、歌詞インサート付きの初出盤。再発によって、海外のレア・グルーヴやブラジリアン・ファンクのリスナーの間であらためて注目を集めている。

トラックリスト

  1. A1 Bananeira
  2. A2 Quero Alegria
  3. A3 Porque Somos Iguais
  4. A4 Batendo A Porta
  5. A5 Depois
  6. B1 Brother
  7. B2 La Mulata
  8. B3 Nega Dina
  9. B4 Doa A Quem Doer
  10. B5 Sessão Das 10

動画プレイリスト

公開: 2026年10月
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