Gilberto Gil - Nightingale (1979)
Gilberto Gil『Nightingale』(1979)
ジルベルト・ジルが1979年に米エレクトラから発表した『Nightingale』は、ブラジル音楽の要素を保ちながら、アメリカ録音ならではの編成でまとめられた作品。録音、ミックス、マスタリングは1978年秋にカリフォルニア州バーバンクのKendun Recordersで行われ、プロデュースはセルジオ・メンデスが担当している。ジルにとっては、英語詞の曲も含む本格的なアメリカ進出盤として位置づけられる1枚だ。
制作背景
制作には、当時の西海岸フュージョン/AORシーンを支えたトップ・ミュージシャンが集結している。ドン・グルーシンがフェンダー・ローズとピアノ、リー・リトナーとマイケル・センベロがギター、エイブラハム・ラボリエルとネイザン・ワッツがベース、アレックス・アクーニャがドラムス、ラウヂール・ヂ・オリヴェイラがパーカッションを担当。ジル自身もギターとパーカッションを演奏し、グラシーニャ・レポラーセらがコーラスで参加している。
収録曲では、ドン・グルーシンの流麗なエレピと小気味よいギターのカッティングが疾走する「Sarará」や、ジョルジ・マウチネル作の「Maracatu Atômico」をディスコ・ファンク調に仕立て直したテイクが目を引く。さらに「Goodbye My Girl」「Here And Now」、タイトル曲「Nightingale」など、英語詞による洗練されたAORナンバーも配置されている。
時代の文脈
1970年代後半のジルベルト・ジルは、『Refazenda』(1975年)や『Refavela』(1977年)を経て、アフロ・ブラジリアン・ルーツへの回帰を深めていた時期にあった。その流れの中で制作された『Nightingale』は、バイーア由来のリズムと、ロサンゼルスのスタジオ・ミュージシャンによるタイトな演奏を融合させた意欲作である。本作は1979年に米Elektraからリリースされた(オリジナルLPは歌詞が印刷されたインナースリーブ付き)。
その後の評価
発売当初はブラジル国内でポップやフュージョンへの接近として賛否を呼んだものの、後年のレア・グルーヴ、Free Soul、ブラジリアンAORの再評価が進む中で、メロウなトラックやグルーヴィなディスコ・サンバが再注目され、欧米や日本のDJ、コレクターの間でタイムレスな名盤として支持を集めるようになった。
セルジオ・メンデスのプロデュースのもと、豪華な西海岸勢とのセッションを通じてブラジル音楽とアメリカのクロスオーバー・サウンドが高い完成度で結実した重要作である。
トラックリスト
- A1 Sarará (Sah-Rah-Rah) 4:48
- A2 Goodbye My Girl 4:06
- A3 Ella 3:48
- A4 Here And Now 4:25
- A5 Balafon (Bah-Lah-Fon) 2:42
- B1 Alapalá (Alah-Pah-Lah) 3:47
- B2 Maracatu Atômico 4:23
- B3 Move Along With Me 3:07
- B4 Nightingale 3:53
- B5 Samba De Los Angeles 3:25
動画プレイリスト
このアーティストについて
Gilberto Gil(ジルベルト・ジル)は、1942年6月26日にブラジル・バイーア州サルヴァドールで生まれたシンガー、ギタリスト、ソングライターだ。ラテ...
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