Genesis - Invisible Touch (1986)
Genesis 1986

Genesis - Invisible Touch (1986)

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Genesis『Invisible Touch』日本盤LP(1986)について

Genesisの『Invisible Touch』は、1986年に発表されたアルバムで、バンドの80年代を代表する作品のひとつだ。もともとプログレッシブ・ロックの文脈で語られてきたGenesisだが、この時期にはPhil Collins、Tony Banks、Mike Rutherfordの3人体制を中心に、よりラジオ向きの楽曲と明快なビートを前面に押し出している。日本盤LPとしてのこの1枚も、その時代の空気をよく映しているリリースだ。

Genesisは1967年に英国サリー州ゴドアルミングのCharterhouse Schoolで結成された。初期は複雑な構成や劇的な展開を持つ曲で知られ、Peter Gabriel在籍期のイメージが強いが、Gabriel脱退後にPhil Collinsがヴォーカルを兼任する体制へ移行し、80年代には大きく大衆化していく。『Invisible Touch』は、その流れがひとつの頂点に達したアルバムとして位置づけられることが多い。

1986年のGenesisを示す重要作

この作品では、ソフトロックやポップロックの要素が前面に出ていて、バンドの持つ緻密なアレンジ感は残しつつ、曲の輪郭がかなりはっきりしている。前時代の長尺志向とは異なり、楽曲ごとのフックを重視した作りで、1980年代中盤の洋楽ポップの文脈にすっと入る。同時代の大規模なロック・アクトと比べても、Genesisは演奏の精度と構成の組み立てで存在感を保っている印象だ。

日本盤のVirginレーベル、品番28VB-1090という点も、当時の国内流通盤として興味深い。Virginの1980年代後半らしい意匠を持つ盤面で、オリジナル期の日本盤としては資料的な価値もある。後年の再発CDやリマスター盤とは違い、LPならではの面ごとの区切りや曲順の流れが自然に感じられるのも、この時代のアナログ盤らしい聴きどころだ。

タイトル曲「Invisible Touch」

アルバムの中心にあるのは、やはりタイトル曲「Invisible Touch」だ。シンセサイザーのリフと軽快なリズムが先に立ち、そこへPhil Collinsの歌が乗る構成で、Genesisの80年代像をそのまま象徴する1曲といえる。バンドの持つ硬質さよりも、反復の気持ちよさとメロディの分かりやすさが前に出ていて、シングルとしての強さがはっきりしている。

この曲はアルバムの中でも特にヒット曲として知られ、Genesisがプログレの出自を持ちながらも、完全に80年代のポップ・ロックの主要プレイヤーになっていたことを示す存在だ。聴いていると、細かな音の積み重ねよりも、ひとつのフックをどこまで印象づけるかに重点が置かれているのがわかる。結果として、アルバム全体の入口として非常に機能している。

「Tonight, Tonight, Tonight」とアルバムの広がり

もうひとつ注目したいのが「Tonight, Tonight, Tonight」だ。こちらはタイトル曲よりもやや長い呼吸を持ち、打ち込み的な質感とバンド演奏のバランスが面白い。シングル向けの明快さを持ちながらも、Genesisらしい構造の工夫が残っていて、アルバム中で少し陰影を与える役割を果たしている。

この曲を含むあたりから、単なるヒット狙いの作品ではなく、80年代的な音像の中でGenesis固有の作曲感覚をどう残すか、という視点が見えてくる。派手さだけで押し切るのではなく、音数の配置や展開の切り替えで引き込む作り。そうした点は、同時代のポップ・ロック勢の中でもGenesisらしさとして残っている。

アルバム全体の聴きどころ

『Invisible Touch』は、Genesisのキャリアの中では最も広い層に届いた時期の作品のひとつだ。初期の複雑なプログレを期待すると印象はかなり違うが、80年代のポップ・ロックとして聴くと、曲の完成度、演奏の隙のなさ、サウンドの整理された感じがよくわかる。特にPhil Collinsの歌が前に出た時代の強みが、そのままアルバムの推進力になっている。

日本盤LPで聴くと、当時の洋楽大作を国内盤で受け取る感覚も含めて、1986年という年の空気が見えやすい。Genesisがプログレの出自を持ちながら、80年代中盤のメインストリームにしっかり居場所を作っていたことを確かめるには、ちょうどよい1枚だ。バンドの変化を知るうえでも、代表曲の並びを追ううえでも、重要な位置にあるアルバムである。

トラックリスト

  1. A1 Invisible Touch 3:27
  2. A2 Tonight, Tonight, Tonight 8:50
  3. A3 Land Of Confusion 4:45
  4. A4 In Too Deep 4:58
  5. B1 Anything She Does 4:06
  6. Domino 10:43
  7. B3 Throwing It All Away 3:49
  8. B4 The Brazilian 4:50

動画

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