Glass Tiger - Diamond Sun (1988)
Glass Tiger 1988

Glass Tiger - Diamond Sun (1988)

Rock Pop Rock

Glass Tiger『Diamond Sun』について

Glass Tigerの『Diamond Sun』は、1988年に発表された2作目のアルバムで、カナダ産のポップ・ロックが80年代後半にどこまで洗練されたかをよく示す作品だ。バンドは1986年のデビュー作『The Thin Red Line』で大きく名前を広め、その勢いのまま本作へ進んでいる。アメリカ市場で大きく跳ねた前作に比べると、今作はやや落ち着いた成績になった一方、カナダでは依然として強い存在感を保ったアルバムとして記録されている。

この日本盤はCapitol Recordsからのリリースで、価格表記は¥2,800。1988年当時の国内盤としては、洋楽ポップ・ロックの主要タイトルをしっかり押さえた一枚という位置づけになる。Glass Tigerはカナダのニューカマーとして登場し、デビュー直後からヒットを重ねたバンドだけに、『Diamond Sun』は単なる2枚目ではなく、前作で築いたイメージをどう広げるかが問われた作品でもある。

前作の成功を受けた、より整理されたポップ・ロック

制作面では、引き続きJim Vallanceが中心に関わり、メロディを前に押し出した作りがはっきりしている。Glass Tigerの持ち味は、シンセやギターを過度に飾り立てず、歌を軸に曲をまとめる点にあるが、本作でもその方向性は変わらない。80年代後半のカナダ産ロックにしばしば見られる、アリーナ向けの広がりとラジオ向けの明快さが同居している。

録音は主にLe Studioで行われたとされ、音の輪郭は比較的くっきりしている。派手な技巧で押すというより、コーラス、リフ、キーボードの配置で曲を立ち上げるタイプのアルバムだ。聴き進めると、前作のヒットで得た余裕よりも、バンドとしてのまとまりを優先した印象が残る。ハードに転ぶことはなく、終始ポップ寄りのロックとして整理されている。

代表曲「I’m Still Searching」「Diamond Sun」

本作を語るうえで外せないのがシングル群だ。特に「I’m Still Searching」はカナダで2位を記録し、アルバムの中でも最も広く認識された楽曲のひとつになった。「Diamond Sun」もカナダで5位に入り、タイトル曲として存在感を示している。どちらも、Glass Tigerらしい伸びのあるボーカルと、サビで一気に開ける構成が特徴的だ。

タイトル曲「Diamond Sun」は、アルバム全体の中でも少し異なる空気を持つ。歌詞には社会的な視点を感じさせる要素があり、単純な恋愛曲や青春賛歌だけでは終わらない。Glass Tigerの楽曲の中では、よりテーマ性を意識した一曲として記憶されやすい。シングルとしての推進力と、アルバムの芯を担う役割が重なっている。

カナダでの評価と、アメリカでの距離感

『Diamond Sun』はカナダでアルバム・チャート最高6位まで上がり、CRIAで3×プラチナ認定を受けている。数字だけ見ても、母国では確かな成功作だ。一方で、アメリカではBillboard 200で82位止まりと、前作ほどの広がりには届かなかった。Glass Tigerはデビュー時の勢いが大きかっただけに、この差は作品の評価というより、当時のプロモーションや市場の受け止め方の違いも含んだものとして見えてくる。

80年代後半の北米ポップ・ロックには、Bryan AdamsやCorey Hart、Loverboyのようなカナダ勢がしばしば比較対象として挙がるが、Glass Tigerはその中でもよりメロディ志向で、キーボードの色合いが強いバンドだった。本作でもその印象は変わらず、ロックの骨格にポップな感触を重ねる作りが中心になる。派手なギター主導ではないぶん、曲のまとまりが耳に残る。

この時代のGlass Tigerを知る一枚

『Diamond Sun』は、Glass Tigerがデビュー直後の勢いをそのまま引きずるのではなく、2作目として自分たちの型を整えたアルバムだ。大ヒット作の次に出た作品としては地味に見えるかもしれないが、カナダではしっかり受け止められ、バンドの代表作群のひとつに数えられている。収録曲の中では「I’m Still Searching」と「Diamond Sun」が特に重要で、1988年のGlass Tigerを追うならまず触れておきたい楽曲だ。

日本盤としては、当時の洋楽ポップ・ロックをきっちり国内仕様で届けた一枚でもある。80年代後半の空気、カナダ産バンドの洗練、そして前作の成功のあとに出てきた落ち着き。その3つが重なった作品として、今見ても位置づけは明快だ。

トラックリスト

  1. A1 Diamond Sun 5:21
  2. A2 Far Away From Here 4:06
  3. A3 I´m Still Searching 3:56
  4. A4 A Lifetime Of Moments 4:57
  5. A5 It's Love U Feel 5:31
  6. B1 My Song 3:23
  7. B2 (Watching) Worlds Crumble 4:50
  8. B3 Send Your Love 4:28
  9. B4 Suffer In Silence 3:31
  10. B5 This Island Earth 6:30

動画プレイリスト

公開: 2026年9月
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