Jack Johnson - In Between Dreams (2005)
Jack Johnson 2005

Jack Johnson - In Between Dreams (2005)

Rock Pop Soft Rock Pop Rock Acoustic

Jack Johnson『In Between Dreams』(2005)

Jack Johnsonの『In Between Dreams』は、2005年に発表された3作目のスタジオ・アルバムだ。ハワイ出身のシンガーソングライター、ミュージシャン、そしてサーファーでもあるジャック・ジョンソンが、アコースティックを軸にした歌と演奏を前面に出した作品としてまとめた一枚である。前作『On and On』までで築いてきた、肩の力が抜けたソングライティングをさらに整理し、日常の風景に寄り添うような楽曲を並べている点が、このアルバムの大きな特徴になっている。

制作と録音の空気感

レコーディングはハワイのThe Mango Treeで行われ、録音時期は2004年10月とされている。ジャック・ジョンソン本人のボーカルとギターを中心に、Adam Topolのパーカッション、Merlo Podlewskiのベース、Zach Gillらが参加し、過度に作り込まない編成で進められている。作品全体を通して、音数を抑えた演奏と、歌の輪郭をはっきり残す録音が印象に残る。完成度を上げすぎるよりも、演奏の手触りや空気を残す方向に寄せたアルバムとして聴こえる。

この作品では、「仕上がった曲」というより、演奏の流れやその場の感覚を保ったまま並べたような印象が強い。実際に聴くと、ギターのストローク、パーカッションの細かな動き、声の近さが前に出ていて、ハワイで録られたことがそのまま音の距離感に反映されているように感じられる。大きな音圧で押すタイプではなく、耳元で進むような作りだ。

代表曲とアルバムの核

このアルバムを語るうえで外せないのが「Better Together」だ。穏やかなコード進行と、日常の親密さを切り取るような歌詞が印象的で、ジャック・ジョンソンの代表曲として広く知られている。続く「Banana Pancakes」もよく知られた曲で、雨の日の朝に家で過ごす時間を思わせる内容が、アルバム全体の私的な空気とつながっている。派手な展開は少ないが、曲ごとの温度差が小さく、アルバムとして通して聴いたときに一つの生活の時間帯のようにまとまる。

「Good People」も重要な曲で、後にシングルとして広く流通し、Adult Alternative Songsで1位を記録した。メッセージ性を前面に出しつつも、演奏はあくまで軽やかで、説教臭さに寄らないところがジャック・ジョンソンらしい。ほかに「Sitting, Waiting, Wishing」なども知られており、メロディの分かりやすさと、耳に残る反復のバランスが取れている。

作品の位置づけ

『In Between Dreams』は、ジャック・ジョンソンのキャリアの中でも商業的な到達点のひとつとして見られる作品だ。Billboard 200で最高2位を記録し、発売後も長くチャートに残ったロングセラーになった。2000年代半ばのアメリカでは、アコースティック・ギターを中心にしたソフトロック、ポップロックの作品が広く受け入れられていたが、その中でもこのアルバムは、サーフカルチャー由来の開放感と、家庭的な距離感をうまく両立させた一枚として目立っていた。

同時代の耳で見ると、過剰に洗練されたポップスとも、強く演奏を押し出すロックとも少し違う場所にある。むしろ、アコースティック主体のシンガーソングライター作品として、James TaylorやDonavon Frankenreiterのような穏やかな流れと並べて語られることが多そうだが、ジャック・ジョンソンの場合はサーフフィルムの世界との結びつきも強く、映像と一緒に記憶されやすい点が独特だ。

レーベルとリリース

本作はBrushfire Recordsからのリリースで、レーベルの成り立ちを考えると、ジャック・ジョンソン自身の活動とかなり近い距離にある作品でもある。Brushfire Recordsはサーフフィルムの制作環境から生まれたレーベルで、音楽と映像を横断しながら、自然体で前向きな作品を届ける姿勢を持っている。このアルバムもその流れの中にあり、作品の内容とレーベルの方向性が一致している。

US盤はGatefold Sleeve仕様で、歌詞とクレジットを内側に収録している。レーベル表記はBrushfire Records(B0004149-01)、製造・販売はUniversal RecordsおよびUMG系の流通で行われた。オリジナルの2005年盤としては、アルバムの空気感をそのままパッケージした作りになっている。

まとめ

『In Between Dreams』は、派手な技巧よりも、曲の流れ、声の近さ、演奏の手触りを重視したアルバムだ。ジャック・ジョンソンの音楽が持つ、静かなテンポ感と親密な視点がもっとも分かりやすくまとまった作品のひとつであり、代表曲の強さとアルバム全体の統一感が両立している。2005年の作品として、アコースティック・ポップ/ソフトロックの文脈の中でも、かなりはっきりした輪郭を持つ一枚である。

トラックリスト

  1. A1 Better Together 3:27
  2. A2 Never Know 3:32
  3. A3 Banana Pancakes 3:12
  4. A4 Good People 3:28
  5. A5 No Other Way 3:09
  6. A6 Sitting, Waiting, Wishing 3:03
  7. B1 Staple It Together 3:16
  8. B2 Situations 1:17
  9. B3 Crying Shame 3:06
  10. B4 If I Could 2:25
  11. B5 Breakdown 3:32
  12. B6 Belle 1:43
  13. B7 Do You Remember 2:24
  14. B8 Constellations 3:21

動画

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