Judas Priest - Defenders Of The Faith (1984)
Judas Priest 1984

Judas Priest - Defenders Of The Faith (1984)

Rock Heavy Metal

Judas Priest『Defenders Of The Faith』

Judas Priestの9作目のスタジオ・アルバム『Defenders Of The Faith』は、1984年にヨーロッパ盤としてCBSから登場した。邦題は『背徳の掟』。前作『Screaming for Vengeance』の勢いを受けた作品で、全米18位、全英19位、カナダ17位、スウェーデン2位を記録し、アメリカではプラチナ、カナダではダブル・プラチナ、日本ではゴールド認定を受けている。

制作背景と録音の経緯

録音はスペインのイビサ島にあるIbiza Sound Studiosで、プロデューサーのTom Allomと進められた。ところが1983年7月にバンドが現地に着くと、スタジオは空っぽだった。オーナーの未払いのために機材が持ち去られていたためで、ロブ・ハルフォードは「建物だけがあった。中はがらんどうだった」と振り返っている。機材が戻るまでバンドは2〜3週間待ち、返ってきた何百キロもの卓を自分たちで運び込んだという。

ハルフォードは、この出来事があったからこそ『Defenders』にはより強い決意が込められたと語っている。曲作りは主にハルフォード、グレン・ティプトン、K.K.ダウニングの3人によるもので、「Some Heads Are Gonna Roll」だけはBob Halligan Jr.の作。ミックスは1983年9月から11月にかけて、マイアミのココナッツ・グローヴで行われ、最終的なマスタリングはニューヨークのSterling Soundで実施された。

「Freewheel Burning」の速射のようなヴォーカルは、ハルフォードがティプトンに「セミオートマチックのような歌い方」を提案したことで生まれた。ハルフォードは、こうしたアイデアは「何でも試す」のが信条だという。「Heavy Duty」は、自宅にあった洗濯機から着想を得た曲。「Rock Hard Ride Free」は、『Screaming for Vengeance』期の「Fight for Your Life」を作り直したもの。「Night Comes Down」についてハルフォードは、激しい曲群の中での「ちょっとした息抜き」と述べ、今ではあの強さでは歌えないかもしれないとも語っている。

初回盤にはプリント入りのインナー・スリーブが付属し、CBSの“Sunburst”ラベル仕様で出荷された。ジャケットはDoug Johnsonの絵で、角を生やした虎のような体にガトリング砲と戦車のキャタピラを備えた陸上強襲生物「メタリアン」が描かれている。バンドが考えた生き物で、裏ジャケットの短い説明文はハルフォードが書いた。後年には、同じカタログ番号と同じアートワークながら赤いCBSセンターラベルの通常再発盤も存在している。

時代の文脈

本作は1984年1月に発売された。前作の勢いを受けて、Billboard 200では前作より1つ下の18位まで上がる即座のヒットとなった。発売前後には、1983年12月のイギリスとドイツでの短いツアーで「Freewheel Burning」を先行披露し、1984年1月からはヨーロッパ、北米、日本を回るMetal Conqueror Tourを実施した。このツアーでは「Eat Me Alive」以外の全曲が演奏された。

「Eat Me Alive」は、PMRCの“Filthy Fifteen”の3位に挙げられた曲でもある。ティッパー・ゴアは、この曲を銃を突きつけての性行為を歌ったものとして問題視した。これに対してK.K.ダウニングは「ちょっとしたお遊び」と呼んでいる。バンドはのちに『Turbo』で「Parental Guidance」を録音することになる。

タイトルの『Defenders Of The Faith』は、イギリスの硬貨に刻まれた「信仰の擁護者(Defender of the Faith)」の銘にちなむ。ハルフォードはこれを王室と結び付けている。

後年の再評価と付随資料

評価はおおむね好意的で、AllMusicのSteve Hueyは本作を「ジューダス・プリーストの商業的な時期における最後の良質なアルバム」とし、「おそらくプリーストのカタログの中で最も過小評価されている作品」と評している。一方で、突出したシングルがないことや『Screaming for Vengeance』との近さを指摘する声もあった。「The Sentinel」は、プログレッシヴな要素を持つ曲として挙げられている。ハルフォード自身は本作を「回復力と決意を備えた、とても力強いサウンドのレコード」と表現している。

2015年の30周年記念盤では、オリジナル・プロデューサーのTom Allomがリマスターを担当し、1984年5月5日のロングビーチ・アリーナ公演の完全版ライヴがCD2枚分で収録された。ハルフォードはこの公演を「まさに魔法だった」と振り返り、テンポが曲によってはかなり速くなっていたとも述べている。さらに後年のインタビューでは、ファンがこのアルバムを強く支持していること、そして本作が自分たちの目指してきたものを「本当に強固にしてくれる」作品だと語っている。

トラックリスト

  1. A1 Freewheel Burning 4:24
  2. A2 Jawbreaker 3:26
  3. A3 Rock Hard Ride Free 5:34
  4. A4 The Sentinel 5:04
  5. B1 Love Bites 4:47
  6. B2 Eat Me Alive 3:34
  7. B3 Some Heads Are Gonna Roll 4:05
  8. B4 Night Comes Down 3:58
  9. B5 Heavy Duty 2:25
  10. B6 Defenders Of The Faith 1:30

動画プレイリスト

公開: 2026年10月

このアーティストについて

Judas Priest

Judas Priest

Judas Priestは、1969年にイギリス・バーミンガムで結成されたヘヴィメタル・バンドだ。バンド名はボブ・ディランの楽曲に由来するとされている。初期...

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