Iron Maiden - Piece Of Mind (1983)
Iron Maiden 1983

Iron Maiden - Piece Of Mind (1983)

Rock Hard Rock Heavy Metal

Iron Maiden『Piece Of Mind』

Iron Maidenの4作目となる『Piece Of Mind』は、1983年に発表された作品で、邦題は『頭脳改革』。前作『The Number of the Beast』で加速した流れを引き継ぎつつ、1982年12月にドラマーのClive Burrが抜け、フランスのバンドTrustにいたNicko McBrainが加わった。本作はMcBrainが参加した最初のアルバムである。Bruce Dickinson、Dave Murray、Adrian Smith、Steve Harris、Nicko McBrainという布陣は、多くのファンが決定版として挙げるラインナップのひとつでもある。

制作背景・エピソード

制作は、バンドが英仏海峡のジャージー島で曲を書いたのち、1983年初めにバハマのナッソーにあるCompass Point Studiosで行われた。プロデューサーはMartin Birch。ミックスはニューヨークのElectric Lady Studiosで実施されている。仮タイトルは『Food for Thought』で、最終的な『Piece of Mind』という題名はジャージー島のパブで決めたとされる。

この作品は、バンドがタイトル曲を持たない4枚のアルバムの最初の1枚でもある。裏ジャケットには「No synthesisers or ulterior motives」という一文があり、シンセサイザーを使っていないこと、そして裏の意図はないことを示す文言として添えられている。ライナーには『ヨハネの黙示録』の一節をひねった言葉遊びも入っている。

収録曲の題材は幅広い。「Where Eagles Dare」は1968年の戦争映画『荒鷲の要塞』、「Quest for Fire」は1981年の映画『人類創世』に基づく。「Revelations」ではG.K.チェスタトンの賛美歌の詞が引用され、全体にはアレイスター・クロウリーの影響も語られている。「Flight of Icarus」はギリシャ神話を下敷きにした曲。「The Trooper」はSteve Harris作で、クリミア戦争のバラクラヴァの戦いと、テニスンの詩「軽騎兵の突撃」から着想を得た。「Sun and Steel」は宮本武蔵の生涯を題材にし、タイトルは三島由紀夫の評論『太陽と鉄』から採られている。

終盤の「To Tame a Land」は、もともとフランク・ハーバートの小説にちなむ「Dune」という題名だったが、許可が下りず改題された。「Still Life」の冒頭には逆再生のメッセージが仕込まれており、バンドを悪魔崇拝と非難する批評家へのジョークとして、Nicko McBrainがイディ・アミンの物真似をする声とげっぷが入っている。

時代の文脈

『Piece Of Mind』は1983年5月16日に英国のEMIから発売された。本盤はヨーロッパ盤で、「Made in EEC」の表記やオランダで印刷された背面ジャケットが確認できる。ジャケットは見開き仕様で、内側に歌詞とクレジットを収録している。

同年にはWorld Piece Tourが行われ、1983年5月2日のハル・シティ・ホールから12月18日のドルトムント・ヴェストファーレンハレまで、139公演に及んだ。オランダ盤の一部には、ケルクラーデ、ブリュッセル、アムステルダムの公演日を記したツアー告知ステッカーが貼られたものもある。

シングル「The Trooper」の映像はブリクストン・アカデミーで撮影され、1936年の映画『進め竜騎兵』の映像が使われた。ただしBBCは暴力的すぎるとして、無編集版の放送を拒否している。シングルは全英12位を記録し、B面にはJethro Tullの「Cross-Eyed Mary」のカバーが収められた。

後世への影響

「The Trooper」はその後もライヴ定番曲として扱われ、Bruce Dickinsonがユニオン・フラッグを振る演出でも知られるようになった。のちには戦場の兵士を思わせる赤い上着を着ることもある。曲名を冠したビール「Trooper」も生まれ、ドキュメンタリー・シリーズ『Metal Evolution』のオープニング・テーマにも使われた。

カバーも多く、Coheed and Cambriaが「The Trooper」を、Dream Theaterが「To Tame a Land」を取り上げている。2024年にはモンゴルのThe Huが「The Trooper」をモンゴル語で録音した。Kerrang!は1983年の読者投票で本作を史上最高のメタル・アルバムの1位に選んでいる。

チャート面では、全英3位、全米Billboard 200で14位を記録し、当時のバンドのアメリカでの最高位となった。アメリカとイギリスでプラチナ、カナダでダブル・プラチナ認定も受けている。AllMusicはヘヴィ・メタル・ファン必携の作品としつつ、後半はやや落ちると評している。当時のRolling Stoneの評価は賛否が入り混じったものだった。

トラックリスト

  1. A1 Where Eagles Dare 6:08
  2. A2 Revelations 6:51
  3. A3 Flight Of Icarus 3:49
  4. A4 Die With Your Boots On 5:22
  5. B1 The Trooper 4:10
  6. B2 Still Life 4:37
  7. B3 Quest For Fire 3:40
  8. B4 Sun And Steel 3:25
  9. B5 To Tame A Land 7:37

動画プレイリスト

公開: 2026年10月

このアーティストについて

Iron Maiden

Iron Maiden

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