The Lords Of The New Church - The Lords Of The New Church (1982)
Lords Of The New Church 1982

The Lords Of The New Church - The Lords Of The New Church (1982)

Rock Alternative Rock Punk

The Lords Of The New Church『The Lords Of The New Church』

1982年に登場したThe Lords Of The New Churchの1作目。Stiv Bators(元The Dead Boys)とBrian James(元The Damned)を軸に、元Sham 69のDave Tregunna、元The BarracudasのNicky Turnerが加わって形になった作品。バンド名は、Miles Copelandが提案した「The Lords of Discipline」から来ており、同名映画の事情で使えず、「The Lords」の部分を残して現在の形になった。

制作の経緯

BatorsとJamesは、1977年にThe Dead BoysがニューヨークでThe Damnedの前座を務めた際に知り合い、以来いっしょに何かやろうと話し合っていた。1980年にBatorsがロンドンでSham 69の面々と合流すると、そのリハーサルの合間に二人で書いた曲が、のちのこのバンドの素材になった。リズム隊探しではTony JamesやGlen Matlock、Terry Chimesらを試したが、人柄が合わず、最終的にTregunnaとTurnerに落ち着いた。

最初に録音されたのはシングル「New Church」とそのB面「Livin' On Livin'」。その後に残りの曲を録音したという流れで、アルバムはイングランドのFarmyard Studiosで制作された。プロデュースはバンド自身。Nicky Turnerは後年、このアルバムを「純粋なアドレナリンで作られた」と振り返っている。Batorsも1986年に、このバンドの音について「頭の中にはっきりあった」と語り、ジャングル・ビートと不気味なブードゥー風のギターを挙げていた。

曲作りの面では、「Russian Roulette」が特に興味深い。リズム隊のオーディション期間に参加していたTony JamesとTerry Chimesが持ち込んだ曲で、クレジットも二人の名義になっている。歌詞は映画『地獄の黙示録』に着想を得ており、ヘリコプターに乗るベトナム兵の描写から始まり、後に俳優だったと明かされる構成。なお、Tony James本人は自分ひとりで書いた曲だと主張している。「Question Of Temperature」は60年代のガレージ・バンドBalloon Farmのカバーで、「Li'l Boys Play With Dolls」はNew York Dollsへのオマージュで、彼らの最初の2作の歌詞や曲名が織り込まれている。追加メンバーとしてMatt Irvingがシンセサイザーを担当し、のちにライブ編成にも加わった。ジャケットのアートワークはGraham Humphreysによるもの。この1982年盤には24インチ角のポスターが同梱され、オリジナルのポリ内袋には11/82の表記が入っていた。

時代の文脈

80年代初頭、パンクの勢いが落ち着いた時期に、70年代パンクの主要バンド出身者が集まったスーパーグループとして現れたのがこのバンドだった。Ira Robbinsは、この作品を60年代パンクと80年代の黙示録的な世界観を組み合わせたものとして捉え、「ポストパンクの時代に向けてThe Stoogesをアップデートした独自のサウンド」と評している。Batorsは『Nuggets』に収められたようなガレージ・サウンドを土台にしていたともされる。

サウンドについて、New Noise Magazineは「蜘蛛の脚のようなギター、猥雑なベースライン、ジャングル・ドラム、ゴシックなキーボードのいかがわしい混合物」と表現した。2018年の再発を評したInk19は、「Eat Your Heart Out」がThe Dead Boysの荒々しいパンクに最も近く、「Portobello」のイントロはKilling Jokeを思わせ、「Russian Roulette」はベトナム戦争を描いたゆっくりときらめく曲だとしている。

一方で、宗教や終末のイメージを前面に出したことで、冒涜的だという批判も受けた。Nicky Turnerは2018年に、バンドは「ある意味で政治的でありたかった」と語り、「New Church」と「Holy War」を例に挙げている。AllMusicのBill Casselは本作を「まさにレーガン時代の産物」としつつ、Batorsが歌う個人の自由というメッセージはいまも響くと書いている。

当時の成績としては、1982年7月発売でUKインディー・チャート3位。「Open Your Eyes」はUKインディー7位、米Mainstream Rockチャート27位。「Russian Roulette」はUKインディー12位、「New Church」は34位だった。Robert Christgauは「ニュー・ウェイヴ版Black Sabbath」としてC評価を与え、AllMusicは4.5つ星、Blurtは「今も色褪せない古典的なロックンロール・レコード」と評している。

後世への影響

のちには、James Gunnが『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』で「Russian Roulette」を使おうとしたものの、権利関係が争いの中にあり使用許可が取れなかったと明かしている。3作を通じて、脚本に書いた曲の権利が取れなかったのはこれが初めてだったという。2018年のBlixa Records盤ではリマスターに加えて1982年10月のMy Father's Place公演が収録され、CMJの「1979〜1989年のカレッジ・チャート Top 1000」では544位に入っている。

トラックリスト

  1. A1 New Church 3:33
  2. A2 Russian Roulette 3:47
  3. A3 Question Of Temperature 2:56
  4. A4 Eat Your Heart Out 2:36
  5. A5 Portobello 2:40
  6. B1 Open Your Eyes 3:28
  7. B2 Livin' On Livin' 3:21
  8. B3 Li'l Boys Play With Dolls 3:42
  9. B4 Apocalypso 3:10
  10. B5 Holy War 4:23

動画プレイリスト

公開: 2026年10月

このアーティストについて

Lords Of The New Church

Lords Of The New Church

Lords Of The New Churchは、1982年に結成された英米混成のゴシック・ロック・グループだ。1989年まで活動し、スタジオ・アルバムは3枚残している。パ...

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