The White Stripes - Elephant (2003)
The White Stripes 2003

The White Stripes - Elephant (2003)

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The White Stripes『Elephant』レビュー

The White Stripesの『Elephant』は、2003年に発表された4作目のアルバムで、デトロイト出身のデュオが世界的な知名度を決定づけた作品だ。Jack Whiteのギターとヴォーカル、Meg Whiteのドラムという最小編成のまま、ブルース、ガレージロック、オルタナティヴ・ロックの要素を前面に押し出しながら、前作までよりもスケールの大きい鳴りを実現している。白と赤を基調にしたミニマルな美学はそのままに、音の圧と曲の推進力が一段上がった印象が強い。

アナログ志向を徹底した録音

本作はロンドンのToe Rag Studiosで録音されており、8トラックのリール・トゥ・リールを使った制作が大きな特徴になっている。クレジット上でも、作曲から録音、ミックス、マスタリングに至るまでコンピュータは使われていないと明記されている。2000年代初頭という時代を考えると、この制作姿勢はかなりはっきりした意思表示だ。デジタル編集の整った音ではなく、演奏の勢いと空気感がそのまま残る仕上がりになっている。

実際に耳を通すと、音数は多くないのに密度がある。Jack Whiteのリフは短いフレーズを反復しながら圧を作り、Meg Whiteのドラムは必要以上に動かず、曲の骨格を支える。結果として、音が埋まりすぎないのに、アルバム全体としてはかなり大きく鳴っている。ガレージロックの粗さと、メジャー作品としての押し出しが同居した1枚という印象だ。

代表曲が並ぶアルバム

『Elephant』を語るうえで外せないのが「Seven Nation Army」だ。シンプルなギター・リフだけで曲を引っ張る構成で、このアルバムの象徴として広く知られるようになった。続く「The Hardest Button to Button」も、反復の強さがそのまま曲の推進力になっている。どちらも、技巧を見せるというより、フレーズをどう配置すれば曲が前へ進むかに意識が向いている。

また、Meg Whiteが「In the Cold, Cold Night」でリード・ヴォーカルを担当している点も注目される。The White Stripesの作品の中でも、彼女の声が前面に出る場面は多くないため、この曲はアルバム内で少し異なる表情を作っている。さらに「Ball and Biscuit」のような長めの展開では、Jack Whiteのギターがより前面に出て、ブルース由来の粘りとロックの直進性が結びつく。

作品の位置づけ

The White Stripesは1997年の結成以降、ローファイで荒々しいサウンドと、赤・白・黒の統一されたビジュアルで存在感を強めてきた。初期作で注目を集めたあと、『White Blood Cells』で広く知られるようになり、『Elephant』で一気に大きな会場を埋める段階へ進んだ、という見方がしやすい。デトロイトのガレージ感を持ちながら、UKのロック文脈でも評価を高めた流れの中で、このアルバムは中心に置かれることが多い。

同時代のロックを見ても、整った音作りやデジタル処理が進む中で、あえて古い機材と少人数編成にこだわった点は際立っている。60年代のブルースやブリティッシュ・ブルース、ガレージロックの影響を感じさせつつ、単なる復古に終わらず、2000年代のロックとして成立しているのが『Elephant』の強みだろう。The White Stripesが後のロック・バンドに与えた影響を考えるうえでも、重要な到達点として扱われる作品だ。

盤の仕様と収録形態

今回のUS盤はV2からのリリースで、ゲートフォールド仕様。光沢のあるインナー・スリーヴには写真、歌詞、クレジットが収められている。面表記はトラックリスト上で文字表記が使われているが、C面だけは「Side 3」と記されているのも特徴的だ。アナログ盤としての作り込みがあり、ジャケットや内袋まで含めて作品の世界観を補強している。

なお、収録曲は基本的にJack White作で、B1のみバート・バカラックとハル・デイヴィッド作の楽曲が入っている。原曲の持つメロディを、The White Stripesらしい編成でどう扱うかという点でも、アルバムの流れの中で印象に残る構成になっている。

まとめ

『Elephant』は、The White Stripesが「小さな編成で大きく鳴らす」方法をひとつの形にまとめたアルバムだ。ラフな演奏、明確なリフ、アナログ録音、そして「Seven Nation Army」という代表曲。要素だけを見るとシンプルだが、曲順を通して聴くと、緊張感の持続と音の説得力がしっかり残る。2003年のロックを代表する作品として扱われるのも、こうした積み重ねによるものだろう。

トラックリスト

  1. A1 Seven Nation Army 3:51
  2. A2 Black Math 3:03
  3. A3 There's No Home For You Here 3:43
  4. B1 I Just Don't Know What To Do With Myself 2:46
  5. B2 In The Cold, Cold Night 2:58
  6. B3 I Want To Be The Boy To Warm Your Mother's Heart 3:20
  7. B4 You've Got Her In Your Pocket 3:39
  8. C1 Ball And Biscuit 7:19
  9. C2 The Hardest Button To Button 3:32
  10. C3 Little Acorns 4:09
  11. D1 Hypnotize 1:48
  12. D2 The Air Near My Fingers 3:40
  13. D3 Girl, You Have No Faith In Medicine 3:17
  14. D4 It's True That We Love One Another 2:42

動画プレイリスト

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