Mark Stewart - Hysteria (1990)
Mark Stewart / Hysteria
Mark Stewart and the Maffia名義で発表された「Hysteria」は、1990年にUKのMuteから出たシングル。アルバム『Metatron』の先行曲で、Mark StewartとAdrian Sherwoodが制作の中心を担い、演奏面ではKeith LeBlanc、Skip McDonald、Doug Wimbishが参加している。さらにDavid Harrowが“extra de-programming”としてクレジットされ、音像の調整や攪乱に関わっている。
制作背景・エピソード
当時の報道では、「Hysteria」はMark Stewartが“ポップなラブソングをねじ曲げる”感覚で作った曲として語られている。タイトルどおりの強い言葉を、そのまま直線的に使うのではなく、ひねった形で曲に落とし込んだという説明だ。制作の核にいるのはStewartとSherwoodで、そこにLeBlanc、McDonald、Wimbishという、いつもの共犯者とも言える顔ぶれが加わっている。加えてHarrowの“extra de-programming”という役割が明記されており、単なるバンド演奏ではない作り方だったことが見える。
クレジット上では、A面とB2がDying Art、Rap Beat、Serious Bass、Another Note Musicの管理下、B1はDying ArtとVirgin Musicの管理下にある。ジャケットや盤面には
Mute Records Ltd
時代の文脈
『Metatron』期のMark Stewartは、80年代のポストパンク的な緊張感を保ちながら、On-U Sound周辺で育ったダブ、ファンク、ヒップホップ、インダストリアルを混ぜる方向へ進んでいた。この時期の「Hysteria」は、Bristolのヒップホップ・シーンが活発だった流れとも重なっていて、Stewart自身は若いTrickyら周辺と同時代的に行き来していたと回想している。
同時代のメディアでは、TackheadやSherwood周辺の実験、Public Enemy的な密度の高いプロダクションと響き合う存在として見られていた。「Hysteria」についても、Gavinの資料では“beastly groove”や“crotch-grinding bass groove”といった表現が使われ、Trouser Pressはロック、ファンク、インダストリアル、テクノ、ヒップホップの接点をまたぐ曲として挙げている。つまり、当時の文脈では、アクセスしやすさと過激さが同居した曲として扱われていた。
後世への影響
後年の論評では、Mark Stewartの仕事は「ファンク/ダブの革新者」として再び取り上げられ、「Hysteria」もその代表曲のひとつとして言及されている。The QuietusやGuardian系の論考でも参照されることがあり、ライブで強い印象を残す曲として触れられる機会がある。今回確認できる範囲では、具体的なカバーやサンプリングの記録は見当たらない。
チャート面では、「Hysteria」単体の大きな数字は確認しづらいが、当時のUKメディアでは“almost-hit”や“already a UK hit”といった記述が見られる。とはいえ、この曲の面白さは順位よりも、Stewart、Sherwood、そしてOn-U Sound周辺の人脈が作った制作の手触りにある。
トラックリスト
- A Hysteria
- B1 My Possession
- B2 Hysteria Dub
動画プレイリスト
このアーティストについて
Mark Stewartは、イングランド・ブリストル出身のシンガー、ソングライター、アーティスト、プロデューサーだ。1960年8月10日生まれで、2023年4月21日...
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