Tom Petty And The Heartbreakers - Into The Great Wide Open (1991)
Tom Petty And The Heartbreakers『Into The Great Wide Open』(1991)
アメリカを代表するロック・バンド、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ(Tom Petty And The Heartbreakers)が1991年7月にMCAレコードから発表した通算8作目のスタジオ・アルバム。1989年の大ヒット・ソロ作『Full Moon Fever』の流れを受け、エレクトリック・ライト・オーケストラ(ELO)のジェフ・リン(Jeff Lynne)を再び共同プロデューサーに迎えて制作された。
制作背景とジェフ・リンとのタッグ
本作のプロデュースはトム・ペティ、マイク・キャンベル、ジェフ・リンの3名が共同で担当。カリフォルニア州カノガ・パークのランボ・レコーダーズ(Rumbo Recorders)にて録音された。アコースティック・ギターを幾重にも重ねるジェフ・リン特有の緻密なプロダクションと、ハートブレイカーズの有機的なバンド・アンサンブルが融合している。一方で、生演奏のグルーヴを信条とするドラマーのスタン・リンチ(Stan Lynch)とジェフ・リンの制作手法の間で軋轢が生じるなど、バンドの過渡期における緊張感も作品の陰影に反映された。
時代の文脈とMTVでの大反響
1980年代末から1990年代初頭のオルタナティブ・ロック前夜において、ハートランド・ロックの骨太さとビートルズ直系の洗練されたポップ・センスを高次元で両立させた。ジュリアン・テンプルが監督を務めた表題曲「Into The Great Wide Open」のミュージック・ビデオは、ハリウッドに夢を抱いてやってくる若者エディ・レベル役として若きジョニー・デップが主演。さらにフェイ・ダナウェイ、ガブリエル・アンウォー、マット・ルブランクら豪華俳優陣が共演し、MTVでヘビーローテーションされ大きな話題を呼んだ。
収録曲とサウンドの魅力
テレビのパイロットの言葉「飛ぶこと(Learning to fly)は難しくない、着陸する(降りてくる)ことこそが最も難しい」から着想を得て書かれた先行シングル「Learning to Fly」は、人生の挫折と再起をアコースティック・ギターの爽快なストロークに乗せた珠玉の名曲。ビルボードのメインストリーム・ロック・チャートで6週連続1位(Hot 100で28位)を記録した。さらに同チャート1位を獲得した「Out in the Cold」や「Kings Highway」など、マイク・キャンベルの的確なギター・ワークと重層的な12弦アコースティック・ギターが織りなす開放的なアメリカン・サウンドが全編を彩る。
評価とチャート実績
全米ビルボード200で13位を記録し、200万枚を超えるセールスでダブル・プラチナを獲得。円熟期を迎えたソングライティングと緻密なスタジオ・ワークが幸福な結実を見せた90年代ハートランド・ロックの名盤である。
トラックリスト
- A1 Learning To Fly 4:01
- A2 Kings Highway 3:05
- A3 Into The Great Wide Open 3:42
- A4 Two Gunslingers 3:08
- A5 The Dark Of The Sun 3:23
- A6 All Or Nothin' 4:05
- B1 All The Wrong Reasons 3:44
- B2 Too Good To Be True 3:58
- B3 Out In The Cold 3:41
- B4 You And I Will Meet Again 3:45
- B5 Makin' Some Noise 3:25
- B6 Built To Last 3:58
動画プレイリスト
このアーティストについて
Tom Petty And The Heartbreakers
Tom Petty And The Heartbreakersは、1976年にアメリカ・フロリダ州ゲインズヴィルで結成されたロックバンドだ。中心にいたのは、ヴォーカルとギター...
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