Sergio Mendes & Brasil '66 - Stillness (1970)
Sérgio Mendes & Brasil '66 1970

Sergio Mendes & Brasil '66 - Stillness (1970)

Jazz Folk, World, & Country Latin Folk Bossa Nova Latin Jazz

Sergio Mendes & Brasil '66『Stillness』

1970年にA&M Recordsから出たSergio Mendes & Brasil '66の『Stillness』は、Brasil '66名義としては最後のスタジオ・アルバム。プロデュースはセルジオ・メンデスとハーブ・アルパートが担当している。A&MのSP-4284番でリリースされ、ゲートフォールド仕様のジャケットで登場した。

制作背景・エピソード

この作品では、長くグループの看板ボーカルを務めてきたラニ・ホールが本作を最後に離脱し、ハーブ・アルパートとの結婚とソロ活動への準備へ進んだ。代わってグラシーニャ・レポラーセが加入し、カレン・フィリップとともに新旧のボーカル交代が記録されている。演奏面では、オスカー・カストロ・ネヴィス(ギター)、クラウディオ・スロン(ドラム)、セバスチャン・ネト(ベース)、ルーベンス・バッシーニ(パーカッション)が参加し、トム・スコットがフルートで加わっている。

収録曲では、ポーラ・ストーン作のタイトル曲「Stillness」が冒頭に置かれ、同曲のリプライズで締めくくられる構成。ほかに、ジョニ・ミッチェルの「Chelsea Morning」、ブラッド・スウェット&ティアーズの「Sometimes In Winter」、ジルベルト・ジルの「Viramundo」、カエターノ・ヴェローゾの「Lost In Paradise」など、同時代の楽曲が並ぶ。バッファロー・スプリングフィールドの「For What It's Worth」も収録されている。

時代の文脈

1970年当時、セルジオ・メンデス&ブラジル'66は、ボサノヴァとアメリカン・ポップスを結ぶ路線で知られていたが、『Stillness』ではその枠をさらに広げている。反戦ソングやフォーク・ロック、ブラジル現代音楽の楽曲を取り込み、従来のラウンジ/イージーリスニング寄りの印象から一歩踏み込んだ内容になっている。

とくに「For What It's Worth」は、トム・スコットのフルート、ルーベンス・バッシーニのパーカッション、重いファンク・ビートが前面に出る演奏で、後にクラブ・シーンで再評価された。アシッド・ジャズやヒップホップのDJにも好まれ、サンプリング・ソースとしても扱われている。

後世への影響

『Stillness』は発売当時のセールスこそ前作ほどではなかったが、のちにレア・グルーヴ、サバービア、フリー・ソウルの文脈で評価が高まった。とくに「For What It's Worth」は、同作を語るうえで外せない1曲として扱われている。

作品全体としては、セルジオ・メンデスのキャリアの中でも転換点に置かれるアルバムであり、Brasil '66からBrasil '77へ移る直前の記録でもある。ラニ・ホールの離脱、グラシーニャ・レポラーセの加入、そしてA&M期の節目が重なった1枚として残っている。

トラックリスト

  1. A1 Stillness 2:40
  2. A2 Righteous Life 3:15
  3. A3 Chelsea Morning 2:56
  4. A4 Cancao Do Nosso Amor 3:46
  5. A5 Viramundo 3:02
  6. B1 Lost In Paradise 3:43
  7. B2 For What It's Worth 3:36
  8. B3 Sometimes In Winter 4:43
  9. B4 Celebration Of The Sunrise 1:45
  10. B5 Stillness 1:28

動画プレイリスト

公開: 2026年10月

このアーティストについて

Sérgio Mendes & Brasil '66

Sérgio Mendes & Brasil '66

Sérgio Mendes & Brasil '66は、ブラジル出身のピアニスト、作編曲家、バンドリーダーのセルジオ・メンデスが率いたボサノヴァ/ポップ・グループだ。...

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