The Ghost - For One Second (1970)
The Ghost 1970

The Ghost - For One Second (1970)

Rock Psychedelic Rock

The Ghost『For One Second』について

The Ghostは、イングランドのバーミンガムで短い活動期間だけ存在したロック・バンドだ。今回取り上げる『For One Second』は、そのバンドの作品をBam-Caruso RecordsがUK盤として1987年に出したもの。オリジナルの制作時期は1970年とされていて、60年代末から70年代初頭にかけてのサイケデリック・ロックの流れの中に置いて聴ける一枚だ。

バンドの輪郭

アーティスト・プロフィールを見ると、The Ghostはダークなイメージとサイケデリアを組み合わせたバンドとして紹介されている。実際、ソー・スローに広がるハーモニー、荒めのギター、Farfisaオルガンの使い方が特徴とされていて、当時の英国アンダーグラウンドの空気を思わせる。メンバーにはPaul Eastment、Charlie Grima、Daniel MacGuire、Shirley Kent、Terry Guyの名前が並ぶ。

作品の位置づけ

『For One Second』は、The Ghostの活動がごく短かったことを考えると、バンド像を知る手がかりとしての意味合いが強い作品だ。Bam-Caruso Recordsは、60年代のレア音源やサイケ、ガレージ、フリークビート系の再発で知られるレーベルで、この盤もそうした文脈の中で扱われている。つまり、当時の流行の中心にいた大物というより、後年になって掘り起こされた英国サイケの断片として見るほうが自然だ。

音の印象

実際に耳にすると、派手な展開で押すタイプというより、オルガンとギターの質感、声の重なりで曲を進める印象が強い。ロックの骨格はしっかりしていて、その上にサイケデリックな色づけが載る形だ。曲そのものの輪郭がはっきりした楽曲志向と、少し不穏な空気感が同居しているところが、このバンドらしさとして受け取れそうだ。

再発盤としての見どころ

1987年のBam-Caruso盤は、1970年のオリジナル期の音源を後年に紹介する形のリリースだ。Bam-Carusoは、Phil Smee主導で60年代サイケやフリークビートの再評価を進めたレーベルとして知られていて、こうした盤は当時の埋もれた英国ロックをまとめて掘り起こす流れの中にある。オリジナル盤そのものを追うというより、再発を通じて作品に触れる入口としての役割が大きい。

同時代の文脈

The Ghostの音は、同時代の英国サイケやオルガン・ロックの文脈で捉えやすい。Farfisaオルガンを軸にした組み立てや、ギターのざらついた鳴りは、60年代末のサイケ・ロックやフリークビート系の流れと近い。Bam-Carusoが得意とした領域そのものでもあり、このレーベルのカタログの中ではかなり自然に並ぶタイプの作品だ。

まとめ

『For One Second』は、短命だったバーミンガムのロック・バンドThe Ghostを知るための一枚だ。1970年の作品としての位置にありつつ、1987年のBam-Caruso盤として再び世に出たことで、英国サイケの発掘盤としての性格も持っている。荒いギター、Farfisaオルガン、重なり合うハーモニーという要素が、このバンドの輪郭をそのまま伝えている。

トラックリスト

  1. A1 For One Second
  2. A2 The Castle Has Fallen
  3. A3 Time Is My Enemy
  4. A4 Night Of The Warlock
  5. A5 I've Got To Get To Know You
  6. A6 Indian Maid
  7. B1 Me & My Loved Ones
  8. B2 In Heaven
  9. B3 The Storm
  10. B4 When You're Dead
  11. B5 Hearts & Flowers
  12. B6 Too Late To Cry

関連動画

記事一覧に戻る
toast