The Golden Earring - Eight Miles High (1969)
Golden Earring『Eight Miles High』について
Golden Earringの『Eight Miles High』は、1969年11月17日に発表された5作目のスタジオ・アルバムで、バンド名義としては『Eight Miles High』の表記で流通している作品。中心に置かれているのは、The Byrdsの「Eight Miles High」を約19分まで引き延ばした長尺カバーで、当時のGolden Earringの録音姿勢をそのまま示す一枚になっている。プロデューサーはFred Haayen、収録曲の多くはGeorge Kooymans作。Barry Hayはボーカルとフルートを担当し、Rinus Gerritsenはベースに加えてオルガンやピアノも受け持っている。Sieb Warnerが参加した唯一のアルバムでもある。
制作背景・エピソード
このアルバムの核は、やはり「Eight Miles High」の長尺化。原曲を大きく広げ、アルバムの中心に据えた構成がまず目を引く。1969年の米国ツアーを通じて、Golden Earringはサイケデリック/ジャム志向を強めたとされ、この経験が本作の制作にもつながっている。米国盤のシングルは、バンドの同意なしに編集版が出されたとされており、作品の受け止められ方にも当時の流通事情が絡んでいた。制作面ではFred Haayenがプロデューサーを務め、アレンジの中心にはGeorge Kooymansの楽曲群が置かれている。
時代の文脈
1969年のGolden Earringは、オランダ国内ではすでに人気バンドだった一方、米国市場では新しいグループとして扱われていた。『Eight Miles High』は、その米国進出期に出た作品として位置づけられる。欧州盤はPolydor、米国盤はAtlanticからのリリースで、地域ごとに流通の仕組みも分かれていた。バンド名の表記も、この頃までに「The Golden Earrings」から短縮された「Golden Earring」へと移っている。のちに“classic line-up”と呼ばれる形が固まり始める時期でもあり、バンドのキャリアの中では転機の一枚として数えられる。
後世への影響
後年の資料では、このアルバムはGolden Earringの突破口として語られ、特に「Eight Miles High」の解釈が注目されている。Byrds原曲の受容史の中でも、Golden Earring版は再演・再解釈の例として触れられている。ライブ文脈でも再評価され、バンドの米国進出を象徴する作品として扱われてきた。長尺のタイトル曲と、フルートやオルガンを含む編成が、作品の記憶され方を強く支えている。
補足
米国の『Record World』では、アルバムは「raunchy good」と評された。大きなチャート成績よりも、ツアーでの反応やプレスの好意的な短評が目立つ作品でもある。2022年のMusic On Vinyl盤は、オリジナルの1969年作を、初回のオリンピック・サウンド・スタジオのマスター・テープからリマスターし、180グラムの赤盤2000枚限定で出した再発盤。ラベルとスパインには「EIGHT MILES HIGH (remastered)」と記されている。
トラックリスト
- A1 Landing 4:30
- A2 Song Of A Devil's Servant 6:02
- A3 One Huge Road 3:05
- A4 Everyday's Torture 5:19
- B1 Eight Miles High 18:53