The Jam - In The City (1977)
The Jam 1977

The Jam - In The City (1977)

Rock Punk Mod

The Jam『In The City』

The Jamのデビュー・アルバム『In The City』は、1977年にUKのPolydorから出た作品。録音時の布陣は、ポール・ウェラー、リック・バックラー、ブルース・フォクストンの3人編成。プロデュースはVic Smith(Vic Coppersmith-Heaven名義)とChris Parryが担当した。

制作の経緯

バンドは1972年、サリー州ウォーキングのシアウォーター中等学校の同級生で結成された。最初はChuck BerryやLittle Richardのカバーを地元のクラブで演奏していたが、ポール・ウェラーがThe Whoの『My Generation』を聴いたことをきっかけにモッズへ傾倒し、スーツを揃えてMotown、Stax、Atlanticの曲を演奏するようになった。ギターのSteve Brookesが抜けた後は補充せず、ウェラーがリード・ギターに回り、フォクストンをベースに迎えて3人編成が固まった。マネージャーはウェラーの父John Wellerが最後まで務めた。

1977年1月、PolydorのA&RだったChris Parry(のちにFiction Recordsを興してザ・キュアーを手がける人物)がロンドンのマーキーでライヴを見て、すぐにデモ録音を手配。2月9日にアネモネ・スタジオで「In The City」「Sounds From The Street」「I've Changed My Address」「Time For Truth」の4曲を録音し、その6日後に6,000ポンドでPolydorと契約した。契約は当初、「シングル1枚とアルバム1枚」だったという。アルバムは発表から1週間足らずで録音に入り、uDiscover Musicによれば11日間で作られた。タイトル曲の題は、The Whoの1966年のシングル「I'm a Boy」のB面曲「In the City」から取られている。

シングル発売時、ウェラーは18歳。タイトル曲には、彼が「ヤング・アイデア」と呼んだ若さの楽観と、退屈や体制への苛立ちが同居し、歌詞は街にあふれる制服姿の警官にも矛先を向ける。「Time For Truth」は当時の首相James Callaghanを批判した曲で、カバーはLarry Williamsの「Slow Down」と、ニール・ヘフティ作のテレビ番組『バットマン』のテーマ(The WhoやThe Kinksも取り上げていた曲)の2曲。

時代の文脈

1977年のロンドン・パンクの真っただ中で、The JamはThe ClashやSex Pistolsと並べられた一方、60年代ロックの影響がより色濃い点で区別されていた。モヒカンや破れたTシャツのバンドが多いなか、彼らは細身のスーツとナロー・タイで登場し、その姿はMartyn Goddard撮影のジャケットにも写っている。ユニオン・フラッグを掲げ、ウェラーがNMEで「次の選挙では保守党に投票する」と語ったことから「保守的」と見られた時期もあったが、その後の姿勢は変化していく。

1977年5月には、The Clashの「White Riot」ツアーにBuzzcocks、The Slitsらとともに前座で参加した。アルバムはその年の5月20日発売で全英20位、シングル「In the City」は4月29日に全英40位を記録し、以後18作連続の全英トップ40入りの始まりになった。

NMEのPhil McNeilは、ウェラーの曲作りが初期のKinksやWhoのような品格で「10代の苛立ちの空気を丸ごと捉えている」と評し、Robert Christgauは「元ネタを呑み込むだけの力強さと、何度も聴き返したくなる新鮮さがある」と書いた。

後世への影響

Sex Pistolsの「Holidays in the Sun」(1977年10月)は、「In the City」の下降するメイン・リフを借用したと言われており、Jam側も先に出した自分たちの曲を盗まれたと主張している。シングル「In the City」はPitchforkで「偉大なデビュー・シングル」のひとつに挙げられ、Far Out誌はThe UndertonesやThe Libertinesへの影響を指摘した。アルバムはQ誌の「最高のパンク・アルバム100枚」(2002)にも選ばれている。

2002年には、シングル「In the City」が25周年記念として当時の価格75ペンスで限定再発され、全英36位と、オリジナル盤を上回る順位を記録した。

盤の見た目

このUK盤は初回のピクチャー・レーベル仕様で、フロントには白いPolydor表記、裏面には青いPolydor表記。バックカバーと背表紙のカタログ番号は「Polydor Super 2383 447」、カセット版は「31 70 447」で出ていた。ラベル面には℗ 1977 Polydor Ltd.の表記が入り、ランアウトにはラッカー・カットを示す「ALLEN」の手書き刻印がある。

トラックリスト

  1. A1 Art School 2:01
  2. A2 I've Changed My Address 3:31
  3. A3 Slow Down 2:38
  4. A4 I Got By In Time 2:07
  5. A5 Away From The Numbers 4:03
  6. A6 Batman Theme 1:30
  7. B1 In The City 2:18
  8. B2 Sounds From The Street 3:13
  9. B3 Non-Stop Dancing 2:27
  10. B4 Time For Truth 3:09
  11. B5 Takin' My Love 2:16
  12. B6 Bricks And Mortar 2:34

動画プレイリスト

公開: 2026年10月

このアーティストについて

The Jam

The Jam

ザ・ジャム(The Jam)は、1972年にイングランド・サリー州ウォーキングのシアーウォーター中等学校で結成されたイギリスの伝説的ロック・バンドであ...

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